#19 アニメの影響ではある…
移動日です。
6の月3日
何を言ったのかなクリフ君!?
騎士の皆さんの接待ぶりがオカシイんですけど!?
ある時は…
「トールさん、セレスティアさんお食事をお持ちしました!!」
「こちらお飲み物です!!」
「おかわりは要りませんか!?」
など、これらが食事が終わるまでループ…
またある時は…
「アンデットが出たぞー!!」
「「日月」の2人の手を煩わせるんじゃねーぞ!!」
「ここら一帯が更地になる前に終わらせろー!!」
と、なんか軽く暴言?も混じってたし…
で、クリフを問い詰めた。『威圧』付きで・・・
「クリフ君、これはどういうことかな?」
こういう時の腕組して、相手に正座させるのは定番ですよね!
「い、いやね…ルシアン騎士団長が騎士たちに「「日月」のお二方は作戦の要だ。粗相のないように」と言っていたんだよ…」
『威圧』がキツイのか多少吃りながらクリフは現状の説明をしてくれた。しかし…
「うん、それは本当の事かもしれない。けど、それだけじゃないよねぇ?」
『読心術』超便利!!人って焦ると本心が見えるんですね~。
「は、はひ!そ、そのあと、俺が「失礼な事をすると木っ端微塵にされるぞ!!お前らより強い俺でさえ手も足も出なかったからな」と、『威圧』付きでちょっと脅したんですよ…でも!!冗談だったんだよ!!」
おっと…『威圧』を強め過ぎたな。抑えて抑えて・・・
「でもそのあと訂正も何もしなかったんじゃない?そこんとこどうなのよ」
「うっ・・・スミマセンでした!!!全面的に俺が悪かったです!!」
クリフ…土下座するくらいならやるなよ…
「よし!!じゃあ、この一撃で許してやろう」
そう言って俺は拳を握り…
「え…一撃?」
クリフが頭を上げたところで、
ゴッ!!
拳骨を落とした。
「いっってー!!!」
「ふー、スッキリ!!騎士の誤解解いておけよ」
そう言って立ち去ろうとすると、
「主殿…我もクリフ殿下に一撃与えていいかのう?」
「へ?何で?」
「我も一緒にバケモノ扱いされて不愉快だったのじゃ」
笑顔が黒いですわよ…ティアさん・・・
「・・・やっておしまい!!」
俺がそう言うと、ティアも拳を握り、拳骨を落とした。
「おーーぅ!!」
クリフの二度目の絶叫が響いた。
「冗談はほどほどにのう」
ティアがそう言うと俺の隣に並び、クリフに背を向けて自分のテントに帰った。
その後、騎士たちにクリフが説明して誤解はティアの分のみ取れた。
何で俺が怖がられたままなのか、クリフに問い詰めると、「お前があんな『威圧』を出したからだ!!」と恨み言を言うように反論された。
まじか~・・・
・・・
「と言うわけで、目的地到着!!」
予定より1日早い6日に到着です。
「何が「と言うわけ」なのじゃ?主殿」
「気にしない気にしない…で、あれが目的地のコガネ山脈だけど…」
「坑道前に目一杯、アンデットが居るのう…」
いやー、地平線がアンデット線ってくらい見渡す限りにアンデットが居ますね。
「クリフ、これどうすんの?」
「ふむ、そうだな・・・トール、あのアンデットを殲滅した魔法をこの真っ正面…坑道に続く道のアンデットに当てられるか?左右に広がる奴らは無視していい」
「出来るが、そのあとどうすんだ?」
「ちょっと利用させてもらう。後ろの怯んでる奴らに発破かけんとな」
クリフは後ろをチラ見しつつこう言った。
「確かにここで士気を下げる訳にもいかないな。もうやってもいいのか?」
「ああ、やってくれ。前のより派手でも問題ないぜ」
クリフは笑いながら挑戦的に言い放った。
「言ったな。後悔すんなよ」
俺も挑戦を受けてたつべく、ニヤリと笑いクリフを惑わす。
「あ、スミマセン自重してください。お前が本気出すと何するか分からん…」
失敬な…これまでの行いでは否定も出来んが・・・
「んじゃ、やるぞ」
俺は手のひらを真っ直ぐアンデットに向けた。
「『光浄波』」
『流光聖域』とは違うものを使ってみた。『流光聖域』は俺を中心に発動する魔法だが、『光浄波』は遠距離攻撃だ。
『光浄波』は手のひらから光線が伸び、目標に着弾後、円柱状に浄化領域が対象を包み、アンデットを殲滅する魔法だ。円柱の半径は任意で変えられるので、前回と同様に300体くらい巻き込む仕様にしてある。
一瞬の閃光の下、魔法が着弾した場所には、ぽっかりと空間が出来ていた。
アンデットはこちらを敵と認識したのだろう。空いた穴を塞ぐようにこちらに前進し始めた。
「聞け!!騎士に探索者たちよ!!我々の切り札が敵の3分の1を殲滅した!!残りの敵など日頃訓練している貴殿らの敵ではない!!恐れるな!!我に続け!!!」
クリフは討伐隊の士気を上げるため、発破をかけ、自分が先頭に立ち突撃し始めた。
さあ、クリフに続こうか…
殲滅戦の始まりだ!!!
次回はアンデットを殲滅します。




