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泣きたい気分はぐっと飲み込む
現実と夢の狭間に立つ君の背中
華奢で折れてしまいそうな白い肌
支える腕を撥ね除ける視線
力強い瞳に
僕の足は竦んで一歩も前に動けない
支える為に存在した力強い僕の腕だった
はずなのに肝心な時
本当に役たたずで声も出ない
意外なまでの君の強さ
どこに秘められているのか
その強さの訳を教えて欲しい
私が私でいる限り
私にはもう一人私が必要
そしたらもっと書けるのに
あなたの朝食の椅子の下には
ハムスターが必要
そしたらポロポロこぼしたパン屑
食べてくれるのに
これは私の密かな思い
笑みを隠しながら想像だけで
楽しくなる
だって落とした瞬間ハムスターが
小さい手で口にパン屑押し込む姿
可愛いのにね
ちっとも解らない
いったい
いつ
落ちたのか?
ちょっとした気の緩み?
白いイルカのストラップに聞いてみても
知らんぷり
ため息しか出ない状態に肩を落としながら
財布の中身を思い出している




