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ありがとう
僕の心の奥に隠された言葉
ありがとう
君に伝えることはないが
いつも些細な思いやりに感謝
つまらない言い合いを繰り返し
君を傷付けたことも一度や二度じゃ済まない
それなのに君のありがとうの言葉は
僕の心を打つ
素直になるって難しいな
決して交わることはないのに
僕らはいったいなにをしているんだろう?
無駄に捨ててしまってなに一つ得られやしない
絡みつき最後には命まで欲する隠
憧れを抱き続ける陽
信念を貫き身体に残る疲労感は馬鹿な俺を嘲笑う
悪あがきの残像が俺を追いかける
彼女の影に怯え
一人夜の街を徘徊しても
もう誰も手をかしてくれやしない
いつか追いつかれ骨の髄まで吸いつかれるだろう
彼女の奇声が耳の奥でハミングする
遠い日の冬の夜
暗闇の中で見つけた瞳を
猫と勘違いしてタヌキを追いかける
淡い思い出も今じゃ笑い話