私、死後の世界なう。
「・・・はッ」
私は、目が覚めた。
辺りを見渡すと、高級ホテルのような部屋の中にいた。
だが、壁紙は白。そのためか、色々殺風景であった。
私は、ベッドの上で、この部屋がどこなのかを考えた。
「私は、マンガや小説でありがちな登場人物によるありがたい説明を読者にしていたら、そのスキをつかれて、ヨルムンガルドに食われて死んでしまったと・・・クソッ、私の知ってるマンガや小説ではそういう時は何故か時が止まっているような状態になって、次のシーンになったら、時が動き出すみたいなのを想定して読者に説明したのに!ちょっとやってみたかったんだよ!クソ読者!クソ!」
「・・・私、何ムキになってるんだろ・・・読者様関係ないのに・・・こういうのは作者に言うべきだよな・・・クソ作者め・・・さっさと終わらせたいからって、私を殺しやがって・・・クソ」
ピンポーン
チャイムが鳴った。
私は、ドアの方へ向かい、開ける前にドアの前にいる人を確認した。
「どう考えても人間じゃないわね・・・流石死後の世界・・・」
私は仕方なく、ドアを開けた。
「ちわーっす。あなたは死んでいますー。」
「いきなり凄い事言うね・・・」
私は不意をつかれた気分だった。返答も適当になってしまった。
「あ、自己紹介遅れました。私、ジョンビーノ・ヤマトタケル・ジェームズでーす。適当に呼んでくださーい。」
「分かったわ、あなたは今日から”ジョージ”よ。」
「・・・せめてジョンって呼んでくださいよ・・・」
ジョージは、なぜかションボリしていた。
「まあ、あなたの事について話しますので、落ち着いて聞いてください。」
「まず、さっき言った通りに、あなたは今、死んでいます。DEAD ENDです。」
「あなたは、魔王オーディンによって創られた生命体、ヨルムンガルドに食い殺された。」
「だからあなたは、ここにいる。この世界は、死後の世界です。」
「あなたは死んだ場所は、日本なので、ジャパニーズ死後の世界ですね。他の国で死ぬと、別の死後の世界ですね。アメリカなら、アメリカン死後の世界、みたいな。」
「あなたは、魔王を倒すために旅に出ました。そして開始1時間もしないで死にました。」
「へぇ・・・私、そんなあっさり死んだんだ・・・」
「さて、重要な質問を今からしますが・・・」
「あなたは、どうしたいんですか?魔王を倒したいんですか?」
「当たり前よ。」
即答。当然である。私は、大真面目に言った。同時に、優越感も感じた。
「んー。まあ生き返る事なら可能ですよ。執念をお持ちの方なら。」
「ホントですかー!?やったー!!」
「やりましたね!」
沈黙が、部屋をより殺風景にする。
「・・・とでも言うと思いましたか。」
「生き返る事は可能です。本当に。」
「しかし、生き返るのには、条件があります。」
「ここは日本なんで、閻魔大王に交渉すれば、何とかなるはずです。きっと。」
「ただし、条件はシビアです。聞いてください」
「1、死んでから2時間以内です。」
「2、これと言った理由がある人です。ただ単に”生き返りたい”だなんて言ったら、論外です。」
「3、女性限定。閻魔大王の趣味ですって。」
「4、」
「生き返ったらまず最初に目的を忘れて死んだ30分前の世界に戻ります。ここでの記憶は勿論、その”魔王を倒したい”とやらが消えます。」
「それでもいいなら、あなたを復活させられます。」
私は、少し考えた。
このまま復活したら、私は目的がなくなり、そのままぶらりふらり生きて行くのだ。
目的の無い人生に、意味だなんてあるのだろうか。
いいや、そう考えさせるのが魔王の陰謀だと私は考えた。
「良いわ、私は魔王を倒すのが目的ですとも。すぐ思い出してやるわ。」
「じゃあこっちへ来てください。閻魔大王の所へ案内してあげましょう。」
私は、ジョージの後について行った。




