第六話 謎の施設
毎回、毎回の文字数が少なかったり多かったりしていますが、区切りが良い字数が毎回違うのが原因です。すいません。
ヒトナキの森での任務から二週間、ギンリュウ達第十二部隊は新たな任務が課せられた。
「今回の任務はヘルヘブン砂漠の調査よ」
「理由は?」
ギンリュウが当たり前の質問をするが、リエは少し不機嫌な顔で不機嫌な声を出した。
「ここの砂漠は砂嵐が起こらないのはみんなも知っているわよね」
「あぁ、それにあそこは気温は高いが他の砂漠に比べ平均気温が低いから砂漠越えがしやすい事で有名な砂漠だしな」
「それが最近、砂嵐が頻繁に起こって、砂漠越えをしようとする旅人や旅行者を阻んでいるんだ」
ルエは深刻な声で言った。
「砂嵐が?」
「本当なんですか?」
ギンリュウやミリアだけではなく、その場にいた全員が驚いた。
「えぇ、だから調査が必要なのよ、今回は私、アスカさん、ルエさん、ミリアちゃん、ギンリュウで行く事にするわ」
リエが嫌っているギンリュウを連れて行く訳は、その場にいた全員が理解していた。ギンリュウはナチュリコムの自然や生態をほとんど知り尽くしており、部隊の助けとなっていた。
「すぐに出発するから、呼ばれた者はすぐに準備をして、では解散!」
会議が終わると、ギンリュウ達はすぐさま準備をしてヘリに乗った。
ヘルヘブン砂漠 東部極地
ヘルヘブン砂漠はナチュリコムの西部から南西部にかけて広がる砂漠で隣の国に行くにはここを通らないと行けない。
ギンリュウ達はヘリで行けるところまで行きたいとこだったが・・・・・・。
「まさか、ここまで砂嵐が起こっているなんて」
ギンリュウ達の目に映るのは砂嵐のみ、しかもかなり強力な砂嵐でまったく先が見えない。
「これじゃ、調査どころじゃないね」
「しかし、ここまで強力な砂嵐が起こるものか?」
その時、全員の通信機から連絡が入る、相手はディルだった。
『隊長!ギンリュウさん!』
「ディネカル、どうしたの?」
『はい、実はヘルヘブン砂漠に僕の知り合いがいるのを教えるの、忘れてしまいました』
「「それを早く言えー!!」」
ものの見事にギンリュウとルエの声が被る。
『だ、だから忘れていたって言ったじゃないですか』
「で、その知り合いはどこにいるの?」
『東部極地にある小屋に住んでいます』
「小屋・・・・・・?」
全員は辺りを見回す、すると・・・・・・。
「あれか?」
ここから二〇〇メートル離れた先に小屋はあった。
『その小屋に住んでいる、ダンジャルさんという方がいます』
「ダンジャル?」
ギンリュウは思い出した事があった、よくここに来たときにお世話になった人の事を。
「あぁぁ!!」
「どうしたのよ」
「思い出したんだ!砂漠越えにはその人の強力が必要だって事!」
「・・・・・・」
その場に全員が黙ってしまった、そして、リエが怒ったような声で。
「どうして、早く思い出さなかったのよ!」
「最近、行ってなかったからすっかり忘れてた」
「あはは・・・・・・、とにかく小屋に向かうか」
ギンリュウ達は小屋に向かったが、ギンリュウとリエの口げんかはやまなかった。
「しまった、今回はバーシュさんがいなかった」
とルエが小さな声で言った。
ダンジャルと言う人が住む小屋はかなりぼろかったが、近づいてみるとかなりしっかりとした作りになっていた。
「こんちわ~、ダンジャルさん、いますか?」
ギンリュウがドアをノックするとドアが開く。
「はい、どなた?」
出てきたのは無精髭を生やし男で身長はギンリュウよりも高い。
「ひ、久しぶりです、ダンジャルさん」
「お?おぉー!ギンリュウじゃねーか、久しぶりだな、最後に来たの、いつだ?」
「二ヶ月前ぐらいですかね」
「そうか、まぁ、入れよ、そこのお嬢さん方もどうぞ」
「お、お嬢さんって」
リエはダンジャルに嫌悪を抱いた。
ヘルヘブン砂漠 ダンジャルの小屋
「俺の名はダンジャル・ベージェ、このヘルヘブン砂漠に住んでいる一人さ」
「一人?と言う事はこの砂漠に住んでいるのはダンジャルさんだけだはないって事?」
「あぁ、砂漠のあっちこっちで住んでいるぜ」
「じゃ、聞きたい事が一つあるんだけど」
リエは不機嫌って言うよりは嫌悪感しか出していない。
「なんだい、お嬢さん?」
「お、お嬢さんって呼ぶな!私は二十一だぞ!」
「え?」
ギンリュウとミリアは驚いた顔をした。
「隊長って私たちより年上だったんですか?」
「え、あ・・・・・・」
リエは思わず顔を赤めた。
「とりあえず、ダンジャルさんならこの砂嵐の原因はしっているじゃないですか?」
「知ってたとしたら?」
「教えなさい!」
「嫌だ」
「なっ!?」
ダンジャルは真面目な顔して、ギンリュウ達に向かってこう言った。
「原因を教えたところでなになる?この砂嵐でまともに進めるわけがない」
「ダンジャルさん、俺たちはそれでも行かなければならないのです」
「正気か?」
「はい、だからダンジャルさん、教えてください」
ギンリュウはその鋭い目でダンジャルを真っ直ぐ見た、そしてダンジャルは。
「・・・・・・いいぜ、他でもないお前の頼みだ、教えてやるよ」
「ありがとうございます!」
「って何でギンリュウの頼みは聞くのよ!」
ダンジャルはギンリュウ達にこの砂嵐の原因を話した。どうやら砂漠の中部に荒れ果てた施設があり、何者かがそこの施設を改装し、その施設にあった機器を使って砂嵐を発生させたらしい。
「つまり、今回の異常現象は人の手によって作られたものだと」
「正直に言うと、確かものじゃないけどな、だけど聞いた話からするとそれしか原因が思い浮かばん」
ダンジャルは肩をすくめた。リエはすこし考えてからギンリュウ達に命令をした。
「これから、その施設に行く事にしたわ」
「でも、この砂嵐じゃ、進めませんよ」
「だったら、ここは俺に任せな」
ダンジャルは自慢げに言った。
「そうか、ダンジャルさんなら・・・・・・!」
「つーか、そもそも、俺たちはディルの紹介でここに来たんじゃないか」
「お、お前らディルの事を知っているのか」
「はい、同じ部隊なんです」
「そうか、あいつは元気か?」
「いいから早く!準備をして!」
その後、小屋の外で待っていると剣を背負って宝石の首飾りをかけたダンジャルが出てきた。
「これから、お前達を運ぶ事にする」
「運ぶってどうするのよ」
「こいつを使うのさ」
見せたのは虹色に輝くレイ・クリスタルだった。
「それは移動系を扱う時に必要な宝石」
「おう、細かな場所は知らないが、だいたいの場所はわかっているからな」
「よし、行くわよ!」
「「「「了解!」」」」
ヘルヘブン砂漠 中部 謎の施設付近
「着いたぜ」
「・・・・・・」
「どうしたんだよ、ギンリュウ以外ぐったりしやがって」
ダンジャルの言うとおり、ギンリュウ以外の全員は顔色を悪くしていた。
「移動系ってこんなに酔うものなの」
「慣れないっときついからな、さすがに同情する」
ギンリュウは辺りを見た、どうやらここ以外は砂嵐が発生していた、例えるならここは台風の目であろう。
「これが例の施設?」
リエは施設を見た、ダンジャルによるとここは元々観察所だったらしく、今では荒れ果てた施設になっていた。見た目はそんなに大きくないが最新の設備が揃っているで上にはレーダー装置やらなんやらがあった。
「とにかく、入るわよ」
ダンジャルも行動を共にするらしく、全員で施設に入った。
謎の施設 内部
施設には簡単に入れた、というよりはまるで入ってくださいばかりにセキュリティシステムは動かなかった。
「罠・・・・・・なのかしら?」
「罠でも進まなきゃ意味がありませんので行きましょう」
「そうね」
リエを先頭に扉一つもない廊下を進んだ。ギンリュウとミリアは所々にあるエンブレムらしきもの見て、深刻な顔をした。その骸骨をイメージしたエンブレムを見た事があったからだ。
「ギンくん、あれって」
「ミリアの考えている事はわかっている、多分ここは・・・・・・」
するとリエ達が止まった。
「ここが一番奥ね、ここのロックも作動していないどういう訳?」
リエが先に入ると、ギンリュウ達も入る。
「こ、こりゃ」
「なんなの?ここは?」
かなり広いフロアに様々な研究設備らしき物が揃っている。
「ギンくん・・・・・・」
「あぁ、確信したよ、やっぱりここは・・・・・・」
ギンリュウが本気で怒りを表情に出した時、一人の男の声が聞こえた。
「久しぶりだね、ギンリュウくん、ミリアくん」
「・・・・・・っ!その声は!」
「な、何なのよ?」
そして研究設備の陰から三人の人影が現れた・・・・・・。