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旧・聖鬼神  作者: 時刻
第二章 戦乙女
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第十六話 三つの旅立ち

今回は章のエピローグみたいなものなので、短いです。

 ギンリュウとリエはディルを探しに旅を出る事を決意した、もちろん二人だけではない、バーシュ、ルエ、ミリアの三人も連れて行く事にした。

 あの後、ガゾーマはエーマを探すなら旅をした方がいいと言うを言い残し帰った、その後すぐにギンリュウとリエはディルの長期捜索として任務を発令し、旅に出る事になった。

「ディル、絶対に探し出してやる!」

「まったく、張り切るのはいいけど、迷惑かけないでね」

 宿舎の門の前でアスカ達が見送りに来た。

「隊長、部隊の事はお任せしてください」

「えぇ、よろしく頼むわね」

「ギンリュウ……」

「なんだ、リリ」

「帰ったら、ハンバーグ、作ってあげる」

「あぁ。楽しみしているよ」

 リリはギンリュウからいくつか料理を習っていた、その中でもハンバーグが得意だった。

「じゃ、行って来るね!」

「必ず、ディルを連れて帰る」

「ほんじゃ、行きます」

 ルエがそう言うとバーシュの車に乗り始めた。

「隊長……」

「何よ」

「必ず、ディルを連れて帰ろうぜ」

「当然よ!隊員を責任持って、連れて帰るのが隊長としての役目よ」

 リエは自信満々に言うと、車に乗った。

「そんじゃ、行って来るか!」

 ギンリュウも車の荷台に乗り、バーシュは車のエンジンをかけた。

「絶対に帰ってこいよ!!」

「いってらしゃーい」

「頑張ってくだいさい!」

「さぁ、出発するぞ!」

 バーシュがそう言うと、アクセルを踏む、そして彼らは仲間を連れて帰るための旅が始まった。


“レックス”研究所

「ガゾーマ様、本当に行かれるのですか?」

「あぁ、エーマを説得してくる」

 ガゾーマも旅を出るための準備をしていた。

「……」

 ナミアはガゾーマの身を案じて不安になった。

「ナミア」

「はい」

「君に任務を与える」

 ナミアは一瞬でも期待をしていたが、期待とは別の事を言われたので少し落ち込んだ。

「私と一緒に、エーマを探してほしい」

「えっ!?」

 ガゾーマが帽子を被った時にそう言った、ナミアは驚きを隠せなかった。

「今回は私一人では無理だ、研究所はショウ君に任せる事にしている、彼なら安心できるから」

「……」

「どうだ、一緒に来てくれるか?」

 ナミアの答えは一つだけだった。

「はい、私はあなた様にどこまででも付いていきます」

「ふ、よろしく頼むよ」

 こうして、ガゾーマはナミアを連れて、エーマを探しに行く事にした。


ナチュリコムの隣国 ティルード ギンハクの森

 ここ、鉱石の国ティルードにはめずらしい森があった、ギンハクの森、草木全てが銀色に輝く森であった。

「よーし、今日はここで野宿しよっか」

 ここに旅人達がいた、赤いツインテールに背の低く、童顔の女性..、彼女こそが、ハーディアの実妹、エーマであった。

「またかよ、まだ、10㎞も満たしてないぞ」

 ディーンが愚痴るが、エーマは座り込んだ。

「私はさ、君らみたいに体力とかないからさぁ、一日に9,99㎞までしか歩けないもん」

「「あと0,01㎞ぐらい頑張ってよ!?」」

 ディーンと一緒にツッコミをしたのは、フードを被った少年だった。

「それでも、私たちより年上の行為ですか……」

 メアルも呆れていた。

「いいじゃん、それに今日はもう進もうと思っても暗いから進めないよ?」

「「誰のせいですか!?」」

「君たち、息ぴったりだね~」

 しかし、エーマの言う事はもっともだった、ここギンハクの森は魔物が多い、エーマ達がいる付近は安全だが、これ以上進むのは危険だった。

「あ~、もう、早く森を抜けて街に行きたいよ」

「そうですね……、ってメアル、抱き付かないで!」

 メアルはフードの少年に抱き付いた、するとフードがとれ、素顔が明かされた。

 ディネカル・アークソン、通称「ディル」、メアルのそばにいたら、何故か一緒にエーマの所まで飛ばされた。

「いや~、正直びっくりしたよ、君たちが帰るまで待ってんだけどさ、まさか姉さんのテレポで帰ってくるなんて、思わなかったよ、しかもディネカル君も付いて」

「僕の事はディルでいいです、まさかギンリュウさんと離れる事になるんて……」

 ディルはため息をついた。

「ディル、大丈夫、私が付いているから、ずっと……」

「最後の所、いらないよね!」

 この三日間、この調子でメアルはディルに言い寄せていた、なんやかんやでディルに好意を持ってしまったようだ。

「じゃ、おやすみなさーい……」

「早いな寝るの」

「今日は僕が見張りをしてるんで、寝てもいいすよ」

「そうか、悪いな、じゃあ、おやすみ……」

「ディル、私を……」

「君の言いたい事はこの三日間でよーくわかったから黙ってようね?」

「う~、おやすみなさい」

 メアルは不機嫌ながらも、ディルに抱き付いたまま寝てしまった。

「ギンリュウさん、隊長……」

 ディルは夜空を見上げた。


 ギンリュウ達はディルを探しに、ガゾーマ達はエーマを説得に、そしてディル達は気ままな旅に、三つの旅立ちで、何があるのか、それは誰も知らない。

第二章はこれにて終了します。

次は登場人物や世界設定を書きたいと思います。

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