第一話 銀髪の青年
本編が開始します、楽しんでいってください。
人間と魔族が共存する世界“ヒュースター”、その世界の秩序を守るために作られた国際組織“ガーディアン”は世界中の国々に支部を設けてある。その中の一つ、大自然に恵まれた国“ナチュリコム”にある支部で今日、半年に一回の入隊試験の合格発表があった・・・・・・。
ナチュリコムの首都 ベールゼ郊外にある、とある家
「やべー、なんで今日に限って寝坊してしまったんだ」
銀髪の長髪にかなり大人びた顔つきをしている青年は慌ただしく準備している、彼は入隊試験を受けた一人であり、今日、合格発表の場であるナチュリコム支部に向かうために準備をしていた。
「もう、昨日、遅くまで起きているからだよ」
「うるせぇ、眠れなかったんだよ!」
彼の名前はギンリュウ・スペイエル、十九歳、銀髪の長髪に鋭い目、クールな感じのする顔立ちをした青年だ。
ギンリュウは藍色のワイシャツを着て、玄関でブーツを履く。
「んじゃ、行って来るな!」
「うん、受かるといいね」
「ちぇ、確実に“ガーディアン”に入れる奴に言われたかねーよ」
ギンリュウと同じ銀髪の長髪をしているがギンリュウより若干短く、顔つきもまだ幼い感じがしていた。彼女はミリア・スペイエル、彼の双子の妹だ。
「行って来ます!」
ギンリュウは和風に作られた玄関を出て、家の隣にある車庫のシャッターを開ける、そこにある青くボード状のホバーバイクを出し、車庫のシャッターを閉める。そしてバイクにまたぎ、魔力を込めてエンジンをかけアクセルを踏む。
「よーし、行くぜ!」
バイクはかなりのスピードで発進し、瞬く間に家から遠のいた。
「よし、私も準備しよっと」
ミリアは自分の部屋に戻り、先日もらった“ガーディアン”の制服に着替える、長袖の上着や腰当ては灰色に黄色のラインが入っている、ズボンは白一色となっている。
「私も今日から“ガーディアン”の一人、頑張るぞ!って、あ、ギンくんに送ってもらえば良かった・・・・・・」
ミリアはしまったという顔をしたが、すぐに普段の顔つきに戻った。
「しょうがないか、私は確実になれるけど、ギンくんはわからないからね、まぁ、ギンくんなら大丈夫でしょ」
そしてミリアも玄関で靴を履き、外に出る。
「行って来ます、姉さん・・・・・・」
ミリアは振り返り誰もいない家に一言を言った、今は離ればなれになっている家族の事を呟いた。
ガーディアン ナチュリコム支部 一階ロビー
ベルーゼの東部にある高い円柱状のビル、ここがガーディアン支部の一つであった。
「えっと、確か受付で受験票を見せるんだよな」
ギンリュウは支部の入り口に入るとすぐある目の前の受付に向かった。
「あの、この前の入隊試験を受けた者ですけど・・・・・・」
「はい、それでは受験票を見せてください」
「あ、はい」
ギンリュウはリュックからファイルを取り出し、中にあった受験票を出し受付嬢に渡した。
「はい、受験番号281、ギンリュウ・スペイエルさんですね、合格発表は二階のホールで行われます」
「ありがとうございます」
ギンリュウは二階に上がるため階段を上り、そしてかなり広いホールへと着いた。
「うわぁ・・・・・・、たくさんいるな」
受験番号は受け付けた順番のため、少なくても三百人以上はいると思われる。
「合格できるか、不安になったな」
するとホール一番奥の壁に大きな紙が張り出された、多分合格者発表なのだろう。
「くそ、人が多すぎて前に進めねぇ」
人混みをかき分けやっと前に出たギンリュウは合格発表者の紙を見る。
「えっと、281、281・・・・・・」
書かれていたのは受験番号、ギンリュウは自分の番号を探す、そして・・・・・・。
「281、あ、あった!合格したぞー!」
喜びのあまり思わずその場でジャンプをしてしまったギンリュウは、はっと我に返る。
「おっとと、さすがにここから離れないと」
その後、ギンリュウは入隊式を行う育成学校に向かう事になった。“ガーディアン”は二つの方法で入る事が出来る、一つはギンリュウが受けた入隊試験、半年に一回行われるが合格者は五十人にも満たないが受験費が安く、誰でも受けれるためか、毎回試験を受ける人は多い。もう一つは育成学校で卒業して入隊する方法で確実に入れるが、入学試験が厳しく、しかも学費が高い、そのため一部の人達しかは入れず生徒人数も他の学校に比べ少ない。
「ミリアに早く伝えなきゃいけないな、よし、行くか!」
ギンリュウはホバーバイクに乗り、ミリアのいる育成学校に向かった。