プロローグ
初投稿です。おかしな描写があると思いますが良かったら指摘してください。こちらの都合で更新が遅れる事がありますが、出来る限り更新をします。よろしくお願いします。読んで頂くだけでもありがたいです。
それは雨が降り冷たい風が吹いた日の事だった。深い森の奥にある研究所で起こった事件、それは二人の子供達の脱走だった。
「ミリア!どうした早く!」
「う、うん……」
二人とも性別は違ったが同じ銀髪の長髪に若干、似ている顔立ちだった、双子なのだろうとそれは一目みればわかる事だった。
「くそ!大事な実験体を逃がすかよ、追え!」
「ちっ!」
少年は双子の妹の手を引いて走る、その後ろからは完全に武装した警備兵だった。
何故、たかが子供に武装する必要があるか、それは少年が使う魔法が原因だった。
「撃て!撃て!」
「ギンくん!」
「なめやがって!グラビティ・フィールド!」
少年は後ろを向き、呪文を唱えると黒い球体が二人を包むようにして現れた。銃弾はその球体を避けるように軌道が逸れた。
「しまった、古の魔法か……!」
「行くぞ、ミリア!」
少年は再び少女の手を引いて走った。向かうのは出口に向かうエレベーター、二人は必死になって走った。
「よし、エレベーターだ、乗るぞ!」
「うん……!」
少年はエレベーターのスイッチを押す、エレベーターは下からゆっくりと来る。
「まだかよ、早くしないと追いつかれる」
「……!ギンくん!」
「いたぞ!撃て!」
「しつこいんだよ!グラビティ・レイ!」
少年はまた違った魔法を出す、魔法陣が現れてそこから黒い光線が発射される。光線は警備兵と銃弾を吹き飛ばしながら廊下の床と壁をえぐる。
「ぐわぁぁぁぁぁ!」
「ギンくん、エレベーターが来たよ!」
「よし!行くぞ!」
二人はエレベーターに乗り出口へと向かった。
それから数十分後、警備兵はあの双子を見失った。
その頃、ここにも一つの事件が起こった。研究所にある一つの部屋、そこには二人の研究員がいた。
『す、すいません!目標の実験体を見失いました……』
「な、何をやっとる!たかが子供を二人、何故、取り逃がす!」
『実は実験体の二号が古の魔法を使いこなし、警備兵の数十名が重傷もしくは軽傷を負ってしまいまして』
「言い訳はいい!さっさと探すんだ!」
『は、はい!』
ソファーに座りテーブルにあった受話器を乱暴に戻した研究員をよそに向かい側のソファーで紅茶を飲む研究員は静かに笑う。
「まったく、やられましたな」
鋭い猫目に紺色の短髪をした彼の名はガゾーマ、ある研究機関に所属する研究者。
「な、何、落ちつているんだ!大事な実験体を逃がしたんだぞ!」
「実験体?」
焦る研究員の言葉にガゾーマは紅茶を飲むのを止めた。
「いけないな、彼らを実験体と呼ぶなんて」
「ふん、あれは研究のための道具しかないのだよ」
「それは違う、彼らは私たちにとって重要な人物だよ」
「何を言って……!」
ガゾーマは着ている白衣から銃を取り出し、研究員に突きつけた。
「だから君は、二流の研究員なのだよ」
ダーン
ガゾーマは銃の引き金を引いた、銃弾は研究員の額に当たり、研究員は死んでしまった。
「きっと彼らは我々の元に戻ってくる、大切な家族を取り戻すために……」
それは雨が降った日に起こった二つの事件、それを知る者はその場にいた者しかわからない。
そして三年の月日が経った……。
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