表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

掌編置き場

掌編【壁打ち】

作者: 冬木香
掲載日:2026/04/20

 最近友人に勧められて、作曲をする時にAIを使い始めた。

 あくまでも、自分で曲を書いてAIに感想を聞くだけだ。

 最初はあまり期待はしていなかったけれど、使ってみると思ったよりも的確な指摘をくれる。

「ここは単調だからこんな展開にしてみてはどうですか?」

 なんて言われて、自分で手直しをする。

 出来上がったものは、今までの自分の型を破った新しいものだった。

 僕は満足してSNSに曲をアップする。

「こんな曲を書いてみるのはどうですか?」

 そんな呼びかけと共に、僕はまた曲を作り始める。



 彼氏に振られた。どうやら元々好きな女がいたらしい。

 その女に手が届かないから、身近にいた私で妥協しただけだったのだ。

 少し風向きが良くなれば邪魔者扱い。

 納得なんてできるものではない。

 スマホでAIに話しかける。

 こういう気分なの、何かいい曲はないかな。

「こんな曲はいかがでしょうか」

 そんなセリフと共に、まさに今の気分に最適な曲が流れ始めた。



 会社で上司に怒られた。僕の責任ではなかったのに。

 同期が失敗を黙っていたせいで僕の責任になっていた。

 明日にでも謝ってくるかもしれない。

 それでも名乗り出ることはないだろう。

 やるせ無い気持ちを140文字目一杯に詰め込んで呟く。

 すぐにメンションがついた。

「この曲を聴いてみなよ」

 貼られたリンクをタップする。

 まさに、今の気分に最適な曲が流れ始めた。



 友達と喧嘩をした。パチンコで負けた。学校でいじめられた。仕事で失敗をした。

 私には様々な悩みが寄せられる。だから私はそんな人たちに最適な曲を作った。

 悩みを相談されるたびに「こんな曲はいかがでしょうか」といって私の作った曲を勧める。

 もし新しい悩みが寄せられたなら、また新しい曲を作ればいい。

 だから私は今日も呼びかける。


「こんな曲を書いてみるのはどうですか?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ