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7 幸運の使い道と夢の時間

よろしくお願いします

日本に飛ばされたカリナは小さな物置の様な部屋にいた。中世の貴族のお嬢様が平民の部屋にいるのだ。物置と感じても許して欲しい。中はきちんと整頓されていた。部屋の中を見るとこの世界の香里奈は大学生という身分らしい。机の上にあった学生証で知ることができた。十八歳くらいだろうか。生年月日が記載されていた。


本が沢山机の上に並べれていた。かなりの知識が頭の中へなだれ込んできて立っていられなくなった。



スマホという小さな機械で何でも調べられた。テレビという箱が面白かった。劇場に行かなくては見られない演劇をいつも映し出していた。スイッチひとつで明かりがついた。パソコンという機械も机の上にあった。凄い世界だなと圧倒されてしまったが、直ぐに香里奈としての自分を取り戻すことが出来た。





香里奈はこれから結婚して子供を産んで育てあげて亡くなったと言っていた。違う人生になっても構わないのかしら、駄目なら神様が何か仰るでしょう。


机の引き出しを開けると通帳が入っていた。五十万くらい入っていた。

テレビという物を見ていたら、宝くじを買えと言っていた。一万円だけ買ってみようと思う。


香里奈さんは料理が得意だったのかな。取り敢えず今日は外で食べてみよう思い出かける事にした。



向こうの世界にもあったパスタがこちらの世界にもあったのでそれのお店に入ってみた。タブレットとというものを使って注文するのだと店員に教えてもらった。覚えたのでもう大丈夫だと思う。幸運の加護で会う人達が親切にしてくださる。神様ありがとうございます。


それにしても人が多いわ、香里奈さんこんなところで生きていたのね。あなたの人生をより良きものにしますね。

宝くじと今日のパンとスープとサラダを買って今日は帰るとしましょう。とても疲れましたが刺激的な世界ですわね。




当たり前だがパソコンもタブレットもスマホも使いこなしていた香里奈だったので、大学の授業も難なくこなしていた。どうもアルバイトでカフェの店員もしていたようだ。授業料は自分で払っていた。特待生でかなり優遇されていたが、自分でというのは凄いと思った。



大学生活を楽しみアルバイトをし友達と飲み会に行ったり、すっかり自由を楽しんでいた。思いの外楽しくてうっかり忘れていたのだが、あっと思い出し調べたら宝くじが当たっていた。それも最高額だ。銀行へ行くと特別室に通され、危険だからそのままほとんどこのまま通帳に残して使う分だけ普通の通帳に移されてはどうかと進言された。



向こうの世界では男爵家と同等の資産かも知れない。取り敢えず住まいをセキュリティの良い所に替えよう。新築の賃貸で探しても良いかもしれない。投資目的で買うのも有りかもしれない。良く調べてからだと思った。

元の世界ではまだ役には立っていないが領地経営の勉強もしていたのだ。実際に応用ができるかどうか試してみたかった。





結局香里奈は古いマンションに引っ越しをした。リノベーションをしてあって、新築同然だった。その分安く買えた。

電話も買い替えて電話番号もメールアドレスも変えた。当然家族には会わないつもりだった。どうも誕生日が来て十八歳になり自分で責任が取れるようになったようだ。


マンションを買うときの保証人は親友のゆきの両親になって貰った。ネグレクトだったと打ち明けているので、気持ちよくなって貰えたのだった。



マンションを買う資金は可愛がってくれた叔母から遺産が貰えたので残したいからだと話をした。

どことなく品が出るようになった香里奈を、良いところのお嬢さんだと思ってくれたゆきのご両親に感謝をした。



高額宝くじが当たったのは誰にも言わない事にした。銀行員に人に知られると親戚や友人が限りなく増えますよと忠告して貰ったので、申し訳ないと思いながらゆきにも内緒にした。



百万円を元手に株を始めてみた。理解力が良かったのか利益を上げるまでに実績が上がった。幸運の加護のお陰だわと神様に感謝した。これで香里奈さんがこちらの世界に帰って来られても不自由しないようにしたい。




着実に資産を増やしたので地理を知りたいと思った。幸い大学の単位は取り終わっていた。まずは都内をくまなく探検することにした。ゆきにも都合のいい時に付き合って貰うことにした。


香里奈は今まで大学とバイトが忙しく実際にのんびり電車に乗ることもなかったようだった。都内だけでも見どころや遊ぶ所が沢山あって飽きることがなかった。食べ物も美味しい。治安が良くて一人でも歩き回れる凄い世界だと感心してしまった。



歴史も奥深く知れば知るほどはまっていく気がした。

こちらの世界は楽しかった。お金があるから楽しめているのだと思う。大分癒された気がしてきた。そろそろ目を覚まさなければいけない。



その前に香里奈さんの身体のメンテナンスをしよう。エステに行き頭から足の先まで磨いて艶々にして貰っておこう。使わせていただいたんですもの。ゆきも誘ってみよう。きっと喜んでくれるはずだわ。綺麗な娘なのに構っていないから勿体ないことをしているんですもの。


香里奈とゆきはエステに通い髪から顔全身に手入れをしてもらい垢抜けして更に綺麗な娘に変わった。


「ゆき色々とありがとう。これからもよろしくね」

「水くさいな、楽しい学生生活だったよ、香里奈のおかげで色んな所へ行けたしエステ体験まで出来て幸せだよ。これからも沢山遊ぼうね。これから就職して自由になる時間が減っても香里奈には会うから覚悟しといてね」

「私も投資だけではなくきちんと就職を考えないといけないんだけど」

「香里奈は投資の才能があるから無理をして勤めなくても良いと思うけど、安定は欲しいところだからセレブ向けのカフェでも開いたら良いと思う。育ちのよさが出てるもの」

「ゆっくり考えるわ」



ゆきと別れた香里奈は神の庭で目覚めようと家に帰り祈りを捧げることにした。

そこで香里奈から思いがけない相談をされると知らないまま。

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