表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/13

13 結婚式

これで最終回です。読んでくださいましてありがとうございます。

 ついに結婚式の日になった。婚約式から招待状を出したり、料理の打ち合わせをしたり、ドレスの打ち合わせがあったりと、早かったようなゆっくりだったような複雑な気がした。


ウエディングドレスはカリナの希望で繊細な総レースで作ってもらった。形はマーメイドラインだ。この日のために体形維持を頑張った。一月前からメイドたちのマッサージにさらに磨きがかかった。


頭にダイヤモンドのティアラとシフォンのウエディングベール、ブルーダイヤのイヤリングとネックレス、指を飾るのは同じくブルーダイヤの指輪だ。


クロードはうっとりと蕩けそうな瞳で見つめ

「綺麗すぎるよ、僕の女神」

と色気のある声で囁いた。思わずゾクッとしてしまった。何なのこの男声でも落とそうとしてくる。



クロードは白いタキシードに豪華な金の蔦の刺繍が施してあった。パンツにも刺繍が施してあって本物より王子様感が半端ない。

心を鷲掴みにされた。



神様の前で永遠を誓った。

その後は参加者全員のお祝いの会である。新郎新婦をお祝いして食べたり飲んだりする。

近くの高級ホテルが招待客の為に予約されていた。


賑やかな会場を先に抜けたカリナは屋敷の別邸に戻って薔薇の花の湯に入れられた後、メイド達から磨き抜かれていた。



いよいよ初夜だ。肌が透けそうな夜着を着せられて、夫婦の寝室に案薔薇の花が散りばめられたベッドに案内された。

世の中の花嫁ってこんな姿で始めての夜を迎えているのかしら、恥ずかしすぎると思った。


檸檬の入った果実水と弱いワインと軽食が用意されていた。クロードが来るまでにお水を飲んでおこう。そういえばお腹が空いたわ。朝からろくに食べていない。チーズとハムのサンドイッチを頂くことにしましょうか。


お腹に食べ物が入り落ちついた気がした頃クロードがドアをノックした。髪が濡れている。急いで来てくれたに違いない。シルクの夜着のシャツのはだけた胸が見えて色気がだだ漏れになっている。


「どうぞ、入って」

「やっと解放されたよ、愛しい妻のもとにやっと辿り着けた」


妻って言われたわ、胸が一杯になった。どこまで煽れば気が済むのかしら


「クロードはワインをどうぞ、私はサンドイッチを頂いたの」

「もう沢山飲まされたから遠慮するよ。それよりあなたを食べたい。なんて刺激的な格好をしてるんだ、そんなに煽っては駄目だよ」


そう言うと軽くキスをしてきた。段々激しくなっていき深いものになっていった。カリナはクロードがしてくれるこのキスが好きだ。

身体が溶けそうになる。



「綺麗だよ、愛している。大切に抱くからあなたを頂戴」

「私も愛しているわ、ずっと愛してね」

「この想いはあなただけに捧げるよ。一生だ、誓う。

あなたが僕の所へ来てくれるなんて夢みたいだ。他の奴と婚約してしまったから一生結婚しないつもりだった」



カリナはこの可愛くて格好良い男の頭を抱きしめた。どこまで虜にさせれば気が済むのだろう。


「髪が柔らかくて触り心地が良いわ。可愛くて素敵な旦那様、これからよろしくね」

「僕のほうが夢心地なんだよ、あなたに溺れる自信がある。もう離さないよ」



そう言うとクロードは全身にキスを落とし始めた。長い夜は始まったばかりだ。夜着はぐっしょり濡れてしまったので取り払われ、カリナの形のいい裸体が露わになった。息を呑んだクロードは更に夢中になってカリナを愛することにした。




陽が高くなった頃カリナは目が覚めた。隣には美麗な顔の男が眠っていた。

腕がカリナの腰を固定していた。

しみじみと見ると睫毛が長い、肌も何もしていないのにすべすべだ。シミ一つない。羨ましすぎる。世の女性は日に焼けないように頑張っているというのに

ずるすぎる。でもこの男が私の旦那様なの。超絶美形だ。しかも中身も特別良いのだ。頼りになりカリナを甘やかしてくれる。


神の庭で会った神様に似ているわ。美形というのは似ているのかしらと思っているとクロードが目を覚ました。


「おはよう、何を考えているのかな」

「おはよう、綺麗だなって思って見てた」

「あなたに言われたくない。凄く綺麗だって自覚して」

「似た者同士ね私達」

「あなたが僕の全てなんだ、どこにも行かないで」

「どこにも行かないわ、約束する」

想いは燃え上り再び抱き合った。





☆☆☆☆☆


「かあさま、おはながさいてたからあげるね」

「まあ、ありがとう。お庭は寒くなかった?」

「さむくないよ、ぼくつよいから。だけどだっこして」

「良いわよ、いらっしゃい」

カリナは愛しい息子アンドレを抱き上げた。そこへ近付いてきたのはクロードである。


「父様にもお前たちを抱きしめさせておくれ」

ソファーに座ったカリナごと抱きしめた。お膝抱っこの三重だ。

「大好きだよ、カリナもアンドレも。ずっと愛してる」

「ぼくもだいすき、おかあさまもおとうさまも。おかあさまとけっこんしたいな。きれいなんだもの」

「アンドレ、母様とは結婚出来ないよ。父様の奥さんだし君とは親子だからね」

「大人げないわね、クロードったら。お母様も小さな頃お祖父様と結婚するって言ってたらしいから同じね」 

「わーい、おとうさましかられた」

「お父様を叱ったわけではないのよ。考えることが一緒だと言いたかったの。母様もお祖父様が好きだし、アンドレも母様が好きだって言ってくれて嬉しかったわ」

「ごめんなさい、おとうさま」

「良いんだよ、お母様を好きな所は同じなんだから」

「これからもみんなで仲良くいましょうね」

「「はい」」

「ふふふ、可愛い」



☆☆☆☆☆


カリナは神の庭にいる優しい神様に感謝の祈りを捧げた。そしてもう一人の香里奈さんが幸せでありますようにと祈った。



ここまで読んでいただきありがとうございました。

誤字報告ありがとうございます。大変感謝しています。




皆様に又お会いできますように。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ