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ByNRia〜私達の学び舎は、何が起きても心配ありません〜(下書き&一旦停止)  作者: 差氏 ミズキ
〝起承転結〟 1人目〜3人目
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1人目 Ⅴ・ヤクイ 承

 ポンッ…ペラ…ジロリ…ポンッ…ペラ……ジーッ…




 こういう作業好きよ。同じことを淡々とする感じで、それでいて簡単なやつ。


 執務室なんて初めて入った。何だかしっくりくる。


 瞑想というか、精神統一をしてるかのように頭がスッキリする。


 あっこの書類、誤字が…この場合は、訂正してもらって再度送ってもらう。


 丸書いて…中に再書いて、近くに(誤)っと。


 おっと?これは…脱字か?ふむふむ…あー、やっぱり抜けてる。


 丸で、再(脱)っと。




ガチャッ




「……ずいぶんと楽しそうだな」


「おや、もうそちらの作業は終わったんですか?」


「休憩。……凄いなヤクイは、もうそんなに終わらせたのか。しかもしっかりと分別してるし。あと、お前も休憩挟めよ」


「いやいや、まだあんまり時間経ってないですよ」


「は?その言い方じゃあ、うちは作業を始めてすぐに休憩してるやつみたいじゃないか。実際結構経ってるぞ。3時間弱は。何でそんなに集中が続くんだ」


「3時間も経ってるんですか?早いっすね」


「その作業面倒いから任せたんだけど、そっちのほうが楽そうだな」


「交代したとて、俺は【移動】出来ないですよ」


「そうなんだよな……あっそうだ。今日の午前の業務が終わったら、一冊貸してやるよ。それで確かめてみろ」


「何を?」


「使える魔法」


「いやいや、俺に魔法は使えないって」


「MPが問題なら、何か媒介を使えばいい。じゃっ、そろそろ業務に戻ろうかな。ちゃんと休憩しろよ」




ガチャッ




 ピャッチは結構面倒見が良いのかもな。


「実は休憩じゃなくて、心配で来たのかもな」


 それと、本か何か持ってきてくれそうだ。


 魔法か……俺にも使えるかな?いやぁ~、仕事終わりに楽しみがあるって結構良いな。久しぶりにwktkしてる。




ポンッ……ペラッ…ジーッ……




 ふぅ~。そろそろ昼かな。


 にしても、たま~に求婚の手紙が混ざってるの何か心にくるな。


 っていうか、普段はこの作業を全部一人でやってるのか。大変だな。


 いやまて、明日学校行くとか言ってるけど、公爵としての仕事とかはどうするんだ?学校通いながら?




ガチャッ




「昼飯持ってきたぞ」


「あざっす」


「あ?」


「ありがとうございます」


「ああ」


 やっぱりインスタントか……これは、俺が作るしかないな。夕食は俺が。


「…今日の夕食は俺が作っていいですか?」


「なんだ急に。別にいいけど」


「じゃあ、楽しみにしといて下さいね」


「期待はしないが、少し楽しみだ」


 一言多いな。


 けど…ちょっと笑ったな。普段は真顔orしかめっ面なのに。まぁ、良好関係へ一歩前進したって考えれば良いだろう。


 いつか満面の笑みにしてやろう。


「あっそうだ、忘れかけていた。ほら、これ見とけ」


「あっ、ども」


「ん?」


「有り難く頂戴します」


「うむ。一応最後のページまで全部見ろよ」


「あっはい」


 ふ~ん。〈魔法陣写し〉か、変な名前ねぇ。


 どれどれ?ほう、1ページ枚に1つずつ魔法陣がある……そのままなのか。


 へぇ~。火炎系……ほぉ。水系……ふん?雷系!俺の専門科目!ふ~む……




モグモグ……ペラペラ……モグモグ…




 一通り全部見たけど、最後の方何かぼやけてて全然見えなかったわ。曇った眼鏡越しかってぐらい見えない。


「………どう?」


「ん?……面白い本っすね?」


「違う。最後のやつ見えたか?」


「あぁ、ぼやけてるとこですよね。2個ぐらいしか見えなかったけど…どういう本なんですか?」


「…2個見えた?本当か?」


「はい…これと…これ」


「……見えん。うちが使えないやつかよ」


「使えないとは?」


「後ろから15ページの魔法陣はな、王様本人とか、王様に忠誠を誓っている家系だけが扱える魔法だ。何で見えんだお前」


「何でって言われても…」


「しかもな、その家系だからって全部使えるとは限らないんだよ。うちの場合は3つ使える。昨日お前に見せた3つな」


 えーと?【移動】…【分離】…?


「3つ?」


「ああ、そうか。まぁ、本人は分かりづらいしな。じゃあ、一回部屋出てくれ」


「分かりました」




ガチャッ………ヒュンッ…




「え?」


「どうだ?【呼び出し】をされた気分は」


「まぁ、だいたい分かりました。……でもまぁ、トイレ中は使わないでくださいね」


「使うかボケ」


 ……てか俺もう逃げられんくて草。




モグモグ……ゴク…ゴク…ウグッ、ケホッ…




「ごちそうさまでした」


「お前何で1回1回分けて飲むんだ?ゴクゴクいけばいいのに」


「嚥下が下手くそなんですよ」


「そんなことあるか?」


「ありますよ。……魔法ってどうやって使うんですか?」


「うーん…適当にその魔法陣を頭に浮かべてみろ。それか、その魔法を使っているところを想像しろ。そもそも、MPが足りてるか分からんけど」


 魔法ってそう使うもんなの?まぁ、四の五の言わずに試してみるか。


 じゃあ、どれにしよっかな〜?風系でも試してみるかな。


 この魔法を使っている自分をイメージ………いや、きつい……集中…


「……うん?ちょっと待て!お前それ上級魔法…」


「おお!!すっご!見てくださいピャッチ!庭に竜巻が!」


「なんだよ…杞憂かよ。てっきり、キャパオーバーでぶっ倒れるかと思ったわ。……おいヤクイ!庭を荒らす気か?さっさと消せ」


「どうやって?」


「イメージをぶっ壊せ!それか、解除するイメージをしろ!」


 消えろ…頼む…


「よし…消えた。うわ、楽しいわこれ。ちょっともう一回…」


「やめろ!あとやるならせめて初級でやれ」


「この本借りてて良いですか?」


「駄目だ!使用禁止!危なっかしいったらありゃしない。いいか?許可するまで魔法は禁止だ!」


「えぇ~」


「『契約』!うちの許可なしに魔法は使わない!いいな」


「はぁい…」


「これで『契約成立』だからな?破るなよ?まぁ、持ちかけた側が破棄するとかしないと、破ることすら出来ないけどな」


 ………あれ?…あら?


「魔法が使えない!」


「早速やろうとしたのかお前。この『契約』があるうちは使えないと思え」


「ええ…まぁ、仕方ないか」


「ふぅ~…こんな馬鹿なことしてるうちに、午後の仕事が始まるな。今日は休憩が短いな」


「ゴミはどうします?」


「ああ、大丈夫。【移動】させた」


「あっほんとだ、無くなってる」


「ヤクイ、その書類の整理が終わったら今日はもう休んどけ」


「あっ、分かりました」


 早く終わらせて、夕食の支度しよっと。


「あと、夕食。美味しいの作れよ?」


「もちろん」


 任せとけ。




ガチャッ




「さてと…早く終わらせるか」




ジーッ…ポンッ…ペラッ…ジーッ…




「ラスト……おけ」


 よ~し。終わったー!


「夕食の支度しよっと」




ガチャッ




 さてと…厨房って何処だっけ?あれ?ドアになんか紙が…わぁ、明らか手書きな地図がある!


 可愛いことするな。ってか、字が綺麗すぎる!


 フムフム……ここを…こう行って?ここを曲がると…あった。後で感謝を伝えとこうか。


 さて……何作ろっかな?


 材料は色々あるんだよな。う~ん……丼物でも作ろうかな?


 よし、牛丼作るか。


 炊飯器は…無いか。でも、それっぽいものはあるから、それ使って炊くか。


 よ~し、材料揃えて始めるか。




トントントントン……ジュ〜………




 さてと、味見しようかな〜。まずはお米を一口。うん、ちゃんと炊けた。


 で、お肉と玉ねぎもパクリ。よし、天才。


 紅生姜欲しいよな。でも、作り方とか知らんから無理。


 あとは、時間になったら温め直してだな。


「学校……か」


 少なからず緊張している。年齢は気にしなくていいと言ってはいたが、あまりにも年の差がありすぎだ。大学生が、中学生と一緒に授業をするみたいな感じだ。


 いや、そう考えるとエグい。




ガチャッ




「夕食はできたか?何かいい匂いだけど」


「はい、ちょうど出来上がりましたよ。器によそうので待っててください」


「ああ。ところで、何作ったんだ?」


「牛丼です」


「んだそれ?」


「取り敢えず、食べてみてください」


「……いただきます」




……パクッ……




「うっま!ヤバこれ!」


「そんなに沢山搔っ込んだら喉に詰まらしますよ」


 好評のようで良かった。口に合わなかったら、全部一人で食べるしかないもんな。まぁ、このくらいなら食えるけど。


 大体お米3合分まではいける。


「おかわり!次は多めで!」


「はいはい。ちょっと待ってて下さいね」


「ヤクイは食べないのか?」


「ピャッチがお腹いっぱいになってからじゃないと、どれくらい食べていいのか分からなくて」


「一緒に食べれば良いだろう?」


「…まぁ、それもそうですね。では、一緒に食べますか。はい、おかわりで〜す」


「ありがと。早くヤクイもよそえ」


「よし、こんくらいかな。では失礼して、いただきます」




…パクッ…




「うん、牛丼」


「んだよそれ。つまんない反応」


「そんな事言われても、よく食べてたからなぁ。慣れてるんだ。舌が」


 贅沢だな。この悩みは。牛丼の味に慣れて、素直に美味しいって言えなくなるなんて。


「ふーん」




チリーンッ……




「……?今なんか聞こえませんでしたか?」


「え?何か聞こえたのか?」


「いや、気のせいかもしれないんで忘れてください」


「そうか?」




  ▲ ▶ ▼ ◀ ▲




「ごちそうさま」


「お粗末さまでした」


「また作ってくれよ」


「もちろん、良いですよ。このあとはまだ仕事ですか?」


「いや、もう終わってる」


 すごいね、仕事のできる子って。これには羨望の眼差しを向けざるおえない。


「それはさすがですね」


「なんだ?急に褒めて」


「べつになんでもないですよ」


「そうか」




  ▲ ▶ ▼ ◀ ▲




 そして、だいぶ日が落ちた時のこと。


 俺は、風呂場に訪れた。


 なぜなら、昨日入ってなかったし、なんなら明日は学校という事なので、せめて体臭のケアをしたいと思ったからだ。


 何故かピャッチは別のタイミングで入るそうで、すぐに風呂から上がるように指示を受けている。


「それにしても、すげー広い風呂場だな」


 一人だと逆に寂しくなるくらい広い。


 さっさと洗って、浸かって、戻ろうか。




ジャーッ……チャポン……




「……8……9…10」


 上がるか。




  ▲ ▶ ▼ ◀ ▲




 風呂から上がり、部屋に戻った。


 そして、入れ替わりでピャッチが風呂場へ向かった。


 その際に、絶対に覗きに来るなと、念を押された。分かってはいるけれど、これが彼との心の距離を表しているのだろう。ちょっぴり心が揺れた。


「あ…〈魔法陣写し〉だ。…………今のうちに何ページか見ておこうか」




パラパラ……ジロジロ……ペラリ……




 そろそろ帰って来そうだから、元あった位置に戻そう。


 にしても、いろんな魔法があるんだな。


 取り敢えず、お昼に確認した2つは完全に暗記した。どうやら、王様に忠誠を誓っている家系の人とかしか使えないようで、何だか特別な魔法らしい。


 何で俺は使えるんだろうか。しかも2つ。




ガチャッ




 おや、戻ってきた。もう少し本を戻すタイミングが遅れていたら、危ういことになっていたかも知れないな。


「明日は学校だから、早めに寝るぞ」


「はい。じゃあ、灯り消しますね」


「頼む」


「学校…か」


「行きたくないなら、無理には連れて行かないが?」


「いや、むしろその逆ですよ。楽しみなんです」


「学校が楽しみなんて、変わってるな」


「では、おやすみなさい」


「おやすみ」


 楽しみで、眠れない。…とかは体験した事はなかった。今日も昨日と同様に、よく眠れそうだ。


 あぁ…意識が…って、それじゃあ…気絶みたいじゃないか。


「寝たか?」


「…どうしたんですか?トイレですか?」


「違う!…もう少し、近くに寄ってもいいぞ」


 なんと…バレていたのか。割と縁の方で寝ていたのが。


「朝起きたときにな、何か気になった」


「本当は……」


 …今ここで話す内容でもないか。目覚めが悪くなりそうだし。なんなら、今後の関係が崩れるかもしれないし。


 できればそれは避けたいからな。


「…なんだよ?」


「やっぱりいいです」


「そ、そうか?」


 これに関しては、本人が自分の口で言うまでは確認とかはしないでおこう。


 …寝よう。




………………zzzzzz




 そして朝になり。身支度を整えて、王様より手配されていた馬車へと乗り込んだ。


 どうやら思ったよりも遠いようで、馬車の中であと2時間は寝てても良いのだそうな。


 それならと、お言葉に甘えて1時間ほど睡眠をとることにした。




  ▲ ▶ ▼ ◀ ▲




 馬車の中では、特にすることもない。


 ピャッチともそんなに関係値が深くないから、会話も特に弾まず、沈黙が続いた。


 だけど、学校については聞いときたかったから聞いた。


 今向っている学校は、テグルマニス学校という学校で、全寮制らしい。つまり、あの屋敷は長期休暇以外には帰れないらしい。


 何年制なのか聞いたところ、どうやら5年制らしい。5年はかなり長いな。


 しかも入学式が行われるのは5年に一度で、入学した生徒がちょうど卒業してから、また募集するような形らしい。


 そのおかげもあってか、卒業した生徒はかなり色々なところで活躍できるそうだ。


 ただ、卒業までの難易度がクソ高いみたいで、卒業生が出なかった時もあるらしい。


 その時は大体、その生徒は留年か転校をしているそうな。


 入学に必要な学力も特に無く、生まれ持った家柄で入学に不利になるとかは無い。つまりは一般人でも、貴族でも、極端な話だが奴隷でも良いらしい。


 ただ、入学式の際に行われる試験をクリア出来なければ、入学は認められないそうだ。


 そのせいもあってか、入学式に参加した人数が1000人だとしても、実際に入学出来た生徒は100人ほどだったこともあるみたい。


 そして、俺が一番気にしていた年齢についても、5年に一度しか入学式が行われないため、10〜20までは入学できるらしい。なので、同じぐらいの年頃の人はいるっぽい。


 適度の緊張と期待で、お腹の調子が悪くなりゆく中で、ついに到着してしまった。


「行くぞ」


「はい!」


「元気いっぱいだな。まぁ、うちもワクワク感が止まらないけど。まずは入学式と言うなの、入学試験からだ。気を引き締めろよ?」


「よーし!やるぞ!」


「では、向かおうか」


 まずい、口がニヤけてきた。


 こんなにも巨大で豪華な学校で、生徒として日々研鑽する自分をついつい思い浮かべてしまう。


 今浮かれるのはまだまだ早いのは百も承知だ。だけど、これは浮かれざるをえない。


 どうやらピャッチも同じ気持ちのようで、少し早足気味になっている。


「どうやら、会場は別のようだな。頑張れよ、ヤクイ」


「ピャッチも緊張しすぎないようにね」


「はっ、舐めんな。余裕だわ。『契約』は破棄しておく、もしかしたら使うかもだからな」


「ありがとうございます!」


「それじゃ、うちは向こうのほうだから。行ってくる」


「お互い、頑張りましょう」


「ああ!」


 そして、受付から一般枠の場所を教えてもらい、そこへ向かった。




ガチャッ




 うおっ、一気に視線がこっちに。


 そんなに入ってくる人を見つめないでおくれよ。余計に緊張するわ。




……チリーンッ………




 ……?またあの鈴の音が聞こえた。辺りを見渡しても、その音が鳴りそうなものは見当たらない。


 一体何なのだ?


 他の人は何食わぬ顔をしているし、たまに起きる耳鳴り的なものとでも思えば良いのだろうか。


 でも、あの人とかも辺りをキョロキョロしているな。あと、あのキメラみたいな人も。


 確か、鈴の音が聞こえてきた方向は、あの扉の方だったよな。


 そこに向かって歩いてみた。


 先程の2名も同じ方向から聞こえてきたようで、同じ扉に一直線だ。




  ▲ ▶ ▼ ◀ ▲




 して、この扉を開けたら何か起こるだろうか。他の2名は喋らないから少し気まずいし。


 俺から声をあげるべきか?


「………なあ、君たちにも聞こえた?鈴みたいな音が」


 ちょっと高圧的になったかも。


 おっ、キメラさんが口を開いたぞ。


「ええ、私もこの扉の中から聞こえてきました。もしかしてあなた達もですか?」


「僕も彼と同じだよ。ここからチリーンって聞こえた」


「入らない?なんか、俺等しか聞こえてないっぽいから、俺等だけはこっちの可能性もあるし」


「確かに、私もそう思います」


「じゃぁ、僕が開けていい?この扉の中を早く見たい」


「はい、どうぞ」


「ええ、私も構いませんよ」


「それじゃぁ、遠慮なく」




ガチャッ……スタスタ……パタン…




 取り敢えず中に入った御一行だが、俺等以外に人の姿はない。


 だけど、その部屋の中央には4つ椅子が用意された円卓がある。


「どうやら、私たちは歓迎されているのかもしれませんね」


「取り敢えず座るか」


「じゃぁ、僕はここで」


「では、私は扉から一番遠いところで」


 上座か。残りは2席。


「じゃあ、俺も失礼して」


 ドアから一番近い席に腰を落ち着ける。




ポスンッ…




 そうして、一人一人自己紹介の流れになった。


「俺はヤクイ。ニシロ ヤクイ」


「えっ」


 何かキメラさんが凝視してくる。目が怖いよ。


「僕はウリキド。かっこいい名前でしょ?」


「私は…ハルルといいます。以後お見知りおきを」




ヴィーン…




 なんか急に、円卓の中央が開いた。


 その中から蓋付きのお皿が出てきて、それぞれの目の前に置かれた。


「ご飯?なぜ?」


「3人で同時に開けてみませんか?私にはこれを一人で開ける勇気がありませんので…」


「いいよ!じゃぁ、せ〜…の!」




パカッ……




 なんと、そのお皿の上には料理があるのではなく、一人一人、色が違う鈴が置いてあった。そして、一枚の書き置きも。


「うわぁ~!きれいな鈴だぁ!僕のは青い鈴だけど、君たちのは違うんだね」


「俺は赤だった」


「私は黄色でした」


 俺のは耳飾りになっている。


 だけど、他の2名は違うようだ。


 ウリキドが腕輪タイプ、ハルルが……首輪…


「なぜ、私は首輪なのでしょう?」


「取り敢えず身につけるか」


 それぞれが装着し終わり。書き置きを見始めた。


 その内容に俺は目を疑った。

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