表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/38

4人目 エピローグ 同族嫌悪は程々に

 カグツチ討伐後、とある人物の部屋へとアベルは訪れていた。


〚ルルワ!カグツチの遺体ゲットしたからよ、何かアイテム創ってくれよ!〛


「…わざわざ牢獄から出て、神様を屠って来るとは…超越者側は邪神討伐の目処はついたんですか?」


〚ああ!ヤクイの方は順調に育ってきてるな。ってか、今はアベルだからさ…ハルルの方の強化を進めたいんだけど?だから、コレでアイテム創ってくれ〛


「最初はあんなに敵対的な雰囲気だったのに、彼が希望の子だと教えてから、随分と肩入れするようになりましたね」


〚あの時は…絶滅しそうな種族があったからさ、適当にやってたんだよ。あと、あん時はイライラしてて…ハイになってた〛


「…まぁ、アダムから希望の子を邪神復活までに育てなさい、って言われてますし、創りますよ。なので、カインをここに連れてきてください」


〚えぇ~…めんどっ!〛


「じゃあいいです。お帰りください」


〚ごめんごめん!怒んなって…連れて来るから、はぁ〜…カインのあの力があればここまで一瞬なのにな。んじゃっ、牢獄まで半日かかるから、その間に設計しといてな〛


「はいはい、期待しておいてくださいね。ギルトくん」


〚おうっ!ちゃんと寮の中でステイしてるんだぞ?ヴィルねえ


 アベルは天を仰いで大きく声を張り出した。


〚ノアー!読んでるんだろー?俺を運んでくれー……………〛


  ▲ ▶ ▼ ◀ ▲


〚……よし!ナイスノア!〛


 何もない世界にポツンと作業台が置かれている。


 アベルはその傍らにて作業を進める、シアン色の髪の男へと声を掛けた。


〚何創ってんだ?また変装用のマスクか?〛


 カインは声に反応して作業の手を止め、首だけを動かしてこちらへ視線を向けた。その顔はどこか、ニヤケが出ている。恐らく、いい発明品でも出来そうなのだろう。


「アベル…ワタクシに何か用ですか?今は忙しいので、手短にお願いしますね」


〚ルルワに強化アイテムを創ってもらう為に、カインの手伝いが必要だ。ってな訳で行ってこい〛


「では、キリがいいところまで終わり次第すぐに向かいますね」


〚はいは~い〛


 さてと…しばらくは暇になった訳だ…。


 ……適当に遊んでくるか。


〚ノア〛


  ▲ ▶ ▼ ◀ ▲


〚…にしても…本当に邪神に勝てるくらい、強くなれるのかね。ハルルはともかく、ヤクイは弱いんだよな〜〛


 ギルトは今、セラフィムの街を闊歩しながら、ブツブツと言葉を漏らしている。


〚超越者に、ファミリーに、種族王に…掛け持ちしすぎだな俺。でも、あと数年経過したら、俺はファミリー辞めるしな。なら、別にいいか〛


「おー、ギルト様じゃん!久しぶりー!」


〚あ?……おう、ちゃんと使徒の仕事はしてたか?〛


「してたよ!でも、一つ問題があって…」


〚どした?話してみ?解決出来たらするよ〛


「前に貰ったこの…ギャル?っていうファッション?街の人からめっちゃ注目受けるんだけど。もっと露出少なめのやつ無い?特に足に視線が集まるんだよね」


〚ギャル良いだろ…ん~~…なら、今から3つ候補あげるから、そん中から選べ〛


「ほーい」


〚一つ目がセーラー服、二つ目がジャージ、三つ目が…俺とオソロ。さぁ、二つ目選べ。萌え袖しろ〛


「オソロで!」


〚ッケ!〛


 ギルトは指をパチンと鳴らしてみせた。


「おお!これこれ、格好いいから来てみたかったんだよね!」


〚…まぁ、引き続き街の管理よろ。別ん所行くわ〛


「はーい、ギルト様またねー!」


  ▲ ▶ ▼ ◀ ▲


 今度は自らの足で牢獄へと戻ってきたアベルは、何も無い世界をただひたすらに駆けている。


 やがて、目的を達成したのかその足を止めた。


〚相変わらず牢獄の端っこで生活してんな。こんな所に居て何が楽しいんだよ?〛


〈アベル…我に何か用でもあるのか?〉


〚セトっていつも此処に居るけど、何して過ごしてんの?ってか、この先に空間なんてあるのかよ?〛


 眼前に広がる暗闇を視てアベルはそう言った。


〈いいや、何も無い。ただ…亡き妻と暮らしていた家が、この先にあったのでな。その近くで暮らしたいと思うのは、当然ではないか?それと、普段はこの世界を維持しつつ、どれだけ外へと出られるかを計測している〉


〚……この世界って、そんなに大事かね?もう何も無いんだから、捨ててもいいだろ?そもそも、形あるものはいつか壊れるんだから、この機会にファミリー全員で引っ越そうぜ?〛


〈…我がこの身体を捧げてまで維持した世界を、自らの手で離さないといけないのか?〉


〚だってそれ、過去の話だろ?別に良くね?つーかさ、セトってハルルに対して何かやった?邪神復活までに育てないといけないって言われてたじゃん〛


〈……我は………ハルルが此方に来てくれれば、直接、体術や剣術等の指導が出来るだろう。…我は、妻と出会い過ごした、この世界を手放せない。現に、数百年間はこの生活をしているだろう?〉


〚…そうかよ。第三者から無理矢理にでも連れ出してほしいって、自分でこの世界から離れる勇気が無いって、そう受け取るわ。んじゃあな、また様子視に来るわ〛


〈ああ…いつでも来てくれ〉


〚またな、昔の英雄〛


〈…………〉


 はぁ~…昔のが、楽しかったな。


 戦争や魔物…日常茶飯事として行われていた犯罪…今じゃどれも稀にしか視られない。


 って、これじゃ俺もセトと同じになるか…?


 まぁ…どうでもいいか。


 やることないし、寝るか。


 たまには種族王の部屋で寝るのも悪かねぇかもな。


〚…ノア〛


  ▲ ▶ ▼ ◀ ▲


〚センキュ〛


 この部屋も久しぶりだな。


 旧世界樹の根の中にあるこの部屋に訪れるのは、大体…十年ぶりか?


〚たまには布団も悪くねぇな〛


 …さて、しばらく寝るか。


 冬までは旧世界樹の根の中だ。


 流石に寿命が近いからな…英気を養わせてもらおう。


〚…あ~…ココノが北枕がどうとかって言ってた気がするな。どっちが北だっけな〛


 まぁ…十六分の一だし、別にいいか。


 寝よう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ