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ByNRia〜私達の学び舎は、何が起きても心配ありません〜(下書き&一旦停止)  作者: 差氏 ミズキ
〝起承転結〟 1人目〜3人目
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3人目 エピローグ 定期考査は君の為に

 定期考査から1ヶ月程の時間が経過し、そろそろ夏休みに差し掛かろうという頃合いの中、ケミカは休日にある場所を訪れていた。


「入るわよ」


 今ケミカが居るのは、寮(屋敷A)のラリとラナクの部屋だ。その部屋には、ラリとケミカの2人だけが居る。どうやら、ラナクはクラスCの人と出掛けているとのこと。


 2人は今、1つのソファーに2人並んで腰掛けている。ラリがケミカを先に座らせてから、同じソファーの隣に座ったのだ。それに対してケミカは少し困惑の表情を浮かべてしまった。まさか隣に腰掛けるとは思いもしなかった彼女である。


 その後、ケミカはラリに対して、躊躇を見せながらも問い掛けた。


「その…」


 すると、ラリはその声を遮るようにして、ケミカが言わんとしていたことについて答えた。


「良いんだよ、気にすんなって!俺は既に腹決めてんだ」


 そう言われると、何も言えなくなるケミカである。


「……そのイヤリングの使い方、教えてあげるわ」


「え?これ?ただの耳飾りじゃないのか?」


 ラリは、耳につけていたそれを取り外して、見つめ始めた。すると、小さな突起を見つけたようで、そこを指でカリカリとし始めた。


「そこに魔力を流すと、変形する仕組みになっているの」


 その言葉を聞いたラリは早速、魔力を流してみたようで、急に形を変え始めたそれを感心した様子で見つめている。その姿は普通に女の子していて、思わず彼女が変態ハーフサキュバスであることを忘れてしまいそうだ。


「おお~!カッコいいじゃん!…これ、本当に俺が貰っていいのか?」


「ええ、何もできない私からの、せめてものプレゼントよ」


「いや、そんなこたぁねぇよ!定期考査の結果見たぞ!頭とってただろ?」


「たまたまよ」


「ふ~ん」


 ラリは、隣に座るケミカの膝にその頭を置いてソファーに仰向けになった。その顔にはどこか、悲しげな表情の笑みが浮かんでいる。


「俺…実はさ、ケミカと姉ちゃんの姿…重ねてんだ」


「あら、姉がいるの?」


「おう、血は繋がってねぇけどな。…俺が6歳くらいの時に空に飛んでったんだ」


「………」


「その姉ちゃんも、髪が青かったんだよな…ロングヘアーだったから、そこはちょっと違うけど。ケミカもきっと、髪伸ばしたらモテモテだぞ」


「あら、だったら伸ばしてみようかしら。家に居た時は、身内に合わせて短く切ってたけど、今は寮暮らしだもの」


「へへ…きっと似合うぜ。俺が…保証するぞ」


 ラリはその瞳をウトウトさせながら、ケミカに穏やかな顔を見せている。そして、今にも眠りそうな少女ラリを見つめているケミカは、その頭を撫でながら微笑みをかけた。


「おやすみなさい、ラリ」


 ケミカの膝枕で寝てしまったラリを確認して、ケミカはさらに言葉を続けた。


「……出てきていいわよ?もう帰ってきてるのでしょう?」


「あ、ああ」


「それにしても、女の子の会話を盗み聞きするなんて、いい趣味をしているわね。ラナク」


「…さっきの話について、詳しく聞いてもいいか?最近、何だか様子がおかしくってな」


「……それは、直接聞いてみたら良いんじゃないのかしら?あっでも、もしかして、その童貞が原因で一歩踏み出せなかったのかしら?なら、教えてあげないとね」


「は?なんだと?……ボクが童貞じゃなくなったら、それはそれで怪しいだろ?同居人がこうだからさ」


「確かに、遂に手を出したかって思うわね」


「だろ?だ、だから…な?」


「あら?敢えてしていないような言い方ね」


「……うっせ」


「…………私の口から、この子の抱えた事情を伝えていいのか分からないの。だから、貴方が直接聞いてみて頂戴?きっと答えてくれるわよ、この子、貴方の事が好きらしいから」


「…んな訳ねぇだろ?このカプ厨めが。…わかった、ラリが起き次第直接聞いてみる事にするよ」


「ええ、是非そうして頂戴」


  ▲ ▶ ▼ ◀ ▲


 数日が経過し、登校の週が訪れた。この学校は、1週間学校へ行き、次の1週間は休みといった、風変わりな制度を採用している。


 ケミカは毎度の事ながら、1番に教室に入り、自身の席に腰掛けた。


「もうすぐ夏休みなのね…入学したのが、まだ昨日のような感覚だわ」


 誰に言うでもなく教室で1人呟いた。実は天井にぶら下がっているハンモックにスイ先生が寝ているのだが、ケミカはまだそれを知らない。


 しばらくしてバダルが教室に入り、少ししてリュレが教室へ入る。それから時間が経ち、遅刻ギリギリの時間にザバが席に座る。


 今や日常と称して差し支えないこの一連の様子を、ケミカは気に入っている。

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