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ByNRia〜私達の学び舎は、何が起きても心配ありません〜(下書き&一旦停止)  作者: 差氏 ミズキ
〝起承転結〟 1人目〜3人目
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3人目 Ⅶ・ケミカ 云

 ケミカとクァレオは窓に張り付いた変態ハーフサキュバスに向き直る。すると、その変態の方から先に口を開いた。


「こんなところにいたのかよ、どうりで見つからない訳だ。……という事は、俺と同じ学生か。なら、明日にでもまた会えそうだな」


 そう意味深な言葉を言い残し、その変態は何処かへと飛び去っていった。


 変態を目にした途端に、無意識に自身の股をガードしていたクァレオは、窓の鍵をすぐさま確認するために動いた。


「危なかったな…鍵空いてたぞ」


「さ、さっきの人は一体誰かしら?クァレオの知り合いなの?」


「いや、全然知り合いとかではない。彼奴は…」


 ケミカに、誘拐現場に遭遇してからの流れを事細かに伝えた。


「じゃあ今、だいぶ危なかったじゃないの」


「ああ。これからは戸締まりをしっかりとしような」


「そうね。肝に銘じておくわ」


 それからは、遠慮するクァレオを無理矢理ベッドに押し込む形で寝かせ、ケミカは少しだけ感想文を書き直し、部屋の灯りを消してそのまま2人で就寝した。


 一方、変態ハーフサキュバスは、ちょうど今、自らの寮(屋敷A)の自室へと帰ってきたところである。


 その部屋には同居人がいるようで、2人で部屋を使用しているみたいだ。


 そして変態(ハーフサキュバス)は、帰ってくるなりその同居人に声をかける。


「なぁ〜!今日さ、すっっげぇ美少女がいたの!それでさ…」


「アンタって両刀なのか」


「おうよ!っはぁ〜…惜しかったなぁ!その美少女のあの格好、鴨が葱を背負って来るようなもんだよな?」


「知らないよ…どんな格好してたんだよ」


「ブレザーを1枚上に羽織っただけで、あとは靴のみ」


「へぇ~、それは…えっ!それまじで?」


「まじ!しかもな、そのブレザーがさ…」


「まさか!」


「そう!俺たちと同じ学校のもんなのよ!でも、クラスCの生徒ではないのは確実だ」


「なら、BかAだな」


「そうだな、Sは今学外だし。明日の昼にでも観に行かないか?」


「あ…ボクはAに個別で用あるから、1人で観に行ってくれ」


「あぁ?んでだよ?」


「ボクのテストが少々面倒なやつでね。そういえば、ラリは何言われたんだ?」


 紹介が遅れたが、この変態の名前はラリ・C・カント。身の丈が130程度しかなく、体もキュッキュッキュッのハーフサキュバスである。青髪でピンクの瞳、黙って大人しくしていれば、ただの女の子にしか見えない風貌をしている。


「俺は…禁欲…」


「駄目じゃねぇかよ…」


「なんならさっき、男1人絞ってきた」


「駄目じゃねぇかよ!!」


「いや…でも聞いてくれよ!そいつは俺のこと犯すつもりで誘拐しようとしてきたんだぜ?」


「ふぅん、そんな奴まだいるんだな」


「それでよ、地下水路まで連れてかれてよ、急にポロンだぞ?禁欲中で溜まってるっつうのに、耐えられるわけ無いだろ?」


「まぁ、ラリにしてはよく耐えたほうだと思うぞ?」


「あ~もう!あのおっさんまじで許せねぇ!いつの間にか何処かに逃げてたし!」


「風呂にでも入って気分転換してきたらどうだ?」


「お!ラナクからのお誘いか?よし!今すぐ体洗ってくるから待っててくれ!」


 そして、ラリと会話をしているのは、ラナク・N・トロワという男だ。身の丈は160中程で、赤い髪でボサボサのロン毛。彼の右の瞳は黒と白が反転していて、その第一印象は少し不気味という意見が多いだろう。


「違うわ!下水と汗と生臭い匂いが混ざった悪臭がお前からするんだよ!あと…自暴自棄になるなよな、先生からのテストが失敗したからってよ」


「え、まじで!俺今そんなに臭い?俺も一応女の子だから、そういうのはしっかりとケアしてんだけどな……てか今、慰めてくれたよね」


「おう、あんま気にすんなよ。ちゃんと事情を説明すれば、先生も大目に見てくれるだろ」


「ラナク……」


「だから、気持ち切り替えようぜ。風呂上がったらトランプでもするか?」


「ラナクって本当に良いやつだよな。…ねぇ…風呂上がりにでも…シない?」


「うわ台無しだよ馬鹿やろう。今いい感じの流れだったのに…」


「そうやってムードばっかり気にしてるからチェリーなんだろ…」


「あ!言ったなお前?」


「お前って言うなお前!」


「……………っぷふ、くだらねぇ…っクク」


「っへへ」


 此方は此方で、何とも楽しそうな生活をしているようだ。


 この変態(ラリ)は無意識のうちに彼を好いているらしく、それを知る第三者からすれば何とも歯痒い状態だ。因みに、変態ラリの無意識な恋心に気が付いているのは、本人とラナクを除いてのクラスCの面々のみである。


「おっと、もうこんな時間か、ボクは寝かせてもらう」


「俺も同じベッドで寝ていいか?」


「ちゃんと臭いが取れたらな」


「え!いいのか!?」


「…今回は特別だ。一日の終わりは、いい気分で締めたいだろう」


「よ、よし!言ったな!」


「うん。…さっさと行け」


「やったぁ~!普段ガード硬いのに、珍しいこともあるんだな!風呂入ってくる!今日は念入りに洗ってくるな!」


「ああ。臭かったら追い出すからな」


「おう!」


 そしてそれぞれ、ラナクは寝室へ、ラリは風呂へ向かった。


「さてと、さっさと寝てしまおうか」


 そうしてラナクは寝室のベッドに入ると、すぐさま寝息を上げた。どうやら、帰りが遅いラリを少なからず心配していたようで、いつもよりも遅い就寝だったようだ。


 そこから半刻ほど経過した後に、風呂を上がったラリは、服を着ずにそのままラナクの下へ向かったようだ。


 だがしかし、寝室に向かったはいいものの、目当ての人は既に寝ていた。どうやら、寝ている人に手を出すのは憚られるようで、彼には何もせず、更衣室に服を取りに戻った。


 それからは、パジャマを着用し、髪を乾かした。そして、彼を起こしてしまわないように、細心の注意を払いながらベッドにそーっと入り込む。


「……………期待してたんだけどなぁ…」


 小さな声でそう呟き、少女ラリは目を瞑った。

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