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第14話『激闘、決死の救出!!』

「防衛省が警視庁のアドレスにアクセスを求めています!」

「受けてくれ」

 仁科完治は応じる。

『私は、別班と公安の間の身分からメッセンジャーを仰せつかりました』

「大河内巡査部長!?」

『現在、畠山正晴内閣総理大臣臨時代理は我が手中にあります』

 畠山正晴は後ろ手にパイプ椅子に拘束されていた。

「要求はなんだ!」

 警視庁公安部長の国枝が怒鳴る。

「畠山正晴首相代理をお返しする代わりに、ご子息の桜祐警部補にお越し願いたい」

 ここで、大河内が瞬きをする。モールス信号のようだが。

「(え? すたぷり?)」

 通信が切れる。

 大河内が示したすたぷり。すたーぷりんすは星座モチーフの6人組歌い手ユニットだ。そのアプリのチャット機能を開けと言うことか。

「春さん! すたぷりのチャット機能を開いてください!」

「こんな時に何?」

「いいから早く!」

 渋々チャット機能を開いた春は驚いた。

 大河内の名でメッセージが届いていたからである。


【 公安を裏切ってすまない。我々別班はあるお方の命令により、A27号と特捜専対双方を内偵捜査しており、欺かざるを得なかった。 】

【 我々はA27号を鎮圧すべく動いている。俺を信じて防衛省まで来てほしい。掛け合いで敵を油断させてその隙に畠山首相代理を奪還する! 】


 君塚、乃木、桜、千代田が画面を食い入るように見る。

「信用できるのか! そのメッセージを」

 国枝公安部長は眉間に皺を寄せる。

「私たちは、仲間を信じます」

 桜祐はまっすぐな視線を向けた。

「仲間、か」

「よかろう、桜警部補に防衛省潜入の任務を与える。ただし、SAT、機動隊は待機させておく!」

 桜祐警部補に拳銃と予備の弾倉、手錠、防弾ベストが与えられた。

「必ず内閣総理大臣臨時代理を救い出せ!」

「はい!」


       *     *


 防衛省──。

 大河内が桜を連れ、ドアをノックする。

「入れ」

 中野衛と畠山正晴が同じ部屋にいた。

「正!」

 桜祐は畠山正でもある。特捜専対に入るにあたり、死亡扱いとして身分を変えたのだ。

 中野は桜祐の頭に拳銃を突きつける。

「さあ大河内三佐、畠山首相代理の息子を存分に痛めつけろ!」

 大河内はためらいながらも、同様に反対側から銃を向ける。

「やめんか!」

 畠山正晴は唸った。

「さあ、畠山首相代理、息子の命が惜しければ治安出動命令を自衛隊に出せ!」

「父さん、僕は──」

 桜祐は、特捜専対配属間際に父から言われた台詞を思い出し、同様に言う──

「──何があっても警察官としての任務を果たし、この国を守る!」

 言い終えた途端、大河内和夫は叫んだ!

「倒れろ! 桜警部補!」

 銃を二箇所から向けられていた桜祐が父に抱きつくように倒れ込み、中野衛と大河内和夫が互いに銃を突きつけあう構図となる。

 すかさず大河内は発砲!

 殺さなかったが、中野衛は短い声を上げて昏倒した。

「日本の平和を乱す者は、なんぴとたりとも許さない」

 大河内は俳優のようにそう大見得を切った。

 大河内は別班員たちに指示を出す。

「お前たちも来い! 畠山首相代理を救出するぞ!」

「了解!」

 この状況に、畠山正晴内閣総理大臣臨時代理は驚いていた。

「どういうことだ、なぜ自衛隊がわしを助けるんだ」

「我々は天皇陛下の密命で動く自衛隊別班内の秘密組織です」

「まさか実在するとは」

「A27号、特捜専対双方を内偵捜査しておりました」

 拘束をといた畠山正晴と桜祐、大河内和夫は味方を伴い、防衛省庁舎の通路を走り出した。


 ……曲がり角には、大勢の自衛官がいた。

 敵だ!

 すかさず銃を向けてくる。

 だが敵も、狭い通路で跳弾するリスクを考えれば、むやみやたらには発砲できないのだ。

 桜祐は警棒を伸ばし、大河内和夫はアーミーナイフを抜いた。


 格闘戦を演じ、殴っては殴られ、通路の突破に成功した。


『警視庁、迎えをお願いします! 畠山正晴内閣総理大臣臨時代理を救出しました!』

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