第2話 王子と王女フローリア
第2話 王子と王女フローリア
俺はウエストランド王国の第一王子アルベルトだ。
俺はしばらく前に失恋した。
リリアちゃんのことはもう忘れよう。
あれから1年が経ち俺は7歳になった。
父である国王も俺のことを不憫に思ったのかひとつの縁談を持ちかけてきたのだ。
俺と同い年である隣国サウスランドの第一王女フローリア=フォン=サウスランドとの縁談をだ。
従者にフローリア王女の姿絵を渡されて見たのだ。
彼女は綺麗な金髪に澄んだ深紅の眼を持つ神秘的な美少女だったのだ。
訂正する。 美幼女だったのだ。
俺が乗り気だったので、瞬く間に縁談が進み婚約者になったのだ。
そしてフローリア王女が付き人達に連れられて王宮入りしたのだ。
フローリア王女が俺の元に来て、俺は積極的に彼女と国を視察して回ったのだ。
なぜ国を視察したって?
それは、転生したこの世界のウエストランド王国とサウスランド王国は中世レベルの文明を持つ国家だった。
わからないか? 中世レベルの文明と言うことは封建的な農村社会なのだ。
そして農村そのレベルの農村は医療レベルが低く多産多死なのだ。
多産と言うことは子供が多いと言うことだ。
即ち幼女が多いと言うことだ。
俺は幼女達に会うために農村を視察したのだ。
そして、幼女達にいい生活をさせようと思って前世の知識を総動員して農村に技術指導をしたのだ。
するとおうじさまありがとう。と感謝されたのだ。
俺は必死になって幼女達のために技術指導をしたのだ。
そして両国の生活水準は大きく向上して俺は神童として、高潔な王子としての名声を手に入れたのだ。
俺とフローリア王女が15歳になり成人式典が行われた日のことだった。
「サウスランド王国王女フローリア、王子の名において君との婚約破棄を宣言する」
俺が宣言した瞬間式典会場の空気は凍り付いた。
婚約破棄されたショックかフローリア王女の声はかすれていた。
「なぜですの?」
彼女は気丈にも俺に婚約破棄した理由を問いただしてきた。
「決まっているであろう。 俺はフローリアを愛していた。 だが、日に日に君は俺の好みから遠くなっていったからだ」
「好みから遠く?」
「そうだ。7歳の頃の君は最高だった。 だが君は日に日に大人の女性になってしまったのだ」
「それの何がいけないのです?」
理由を聞かれて俺は叫んだのだ。
「いけないに決まっているだろう。なぜなら俺は10歳以下の幼い女の子が好きなんだ! 日に日に大人になっていく君の姿を見ていられなくなったのだ」
そして周囲の視線が侮蔑するものになった……。