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第1話 卒業パーティーでのとんでもサプライズ

「コルセア公爵令嬢エリシアよ。レニーへの嫌がらせ行為、目に余る。よって、お前との婚約を破棄し、拘束する!そしてレニーと婚約をする!」

「………………はぁ。取り敢えず聞きましょうか。殿下、こんなことをして()()しませんか?」


 王立学園の卒業パーティーで、王太子である婚約者『クリストファー=エドモント=ゴライアス』が、壇上から私に対し、婚約破棄を通告してきた。こんなことをしでかすなんて、()()だと思っていましたが、()()()()()()だとは思いませんでした。頭が痛いです。


「後悔をするのはお前の方だ!お前がレニーにしたこと、忘れたとは言わさんぞ!!」


 王太子の後ろには小動物のように震える1人の少女がいる。確か報告ではウエルト男爵家のレニー嬢でしたわね。まあ彼女のことは仕方ないですが、王子の両脇に控える()()()()()()()()()()が居るのはよくないですね。クロマキー伯爵とトルメキア公爵は何をしつけていたのでしょうか。ため息が出ます。


「はあ……。取り敢えず私は何もしてませんよ。」

「証拠は上がってるんですよ!」

「冤罪のですか?クロマキー伯爵令息カインズ殿。」

「なんだと!」

「そうやって怒鳴り散らすってことは、あなた方が見たのではなく、そういう証言をした人物を集めたって訳ですね。トルメキア公爵令息マキシム殿。」


 宰相候補と騎士団長候補の二人に確認する。


「しょ、証言だけだとしても、それで事足りる!さあ、おとなしく――――――。」

「では、公平に判断できる方に裁いていただきましょう。と、言うことで来ていただけますか、()()。」

「「「「「は?」」」」」


 私が声をかけて呼び出した相手が現れる。まあ、かつらを被って変装して私の後ろにいた陛下が変装を解いただけなんだけど……。


「エリシア嬢よ、我が愚息が迷惑をかけたようだ。」

「いえ、陛下。私もここまで殿下が愚かだったとは思いもしませんでした。まさか側近候補の二人もここまでとは……。」


 頭を下げる陛下に私は首を横に振る。

 突然の陛下の登場。それも変装してこの場にいたことにすべての人が驚いて硬直していた。


「ち、父上。なぜここに?」

「なに、エリシア嬢とお前の卒業をサプライズで祝おうと思ってな。まさか、こんな逆サプライズになるとは思わなかったが……。」


 ため息をつく陛下と、驚愕で目を見開く王子。まあ、驚くのはしかたないわ。陛下がすぐ後ろに立っていたのは、私も気づかなかったから。


「さて、壇上にいる首謀者の皆さん、いつまで()()()()()()()()()にいらっしゃるおつもりで?」


 陛下より高い壇上にいた4人は私の言葉に慌てて降りてくる。


「陛下、どうぞあちらに。」

「うむ。」


 私は頭を下げ、陛下を壇上に促す。

 陛下は壇上に上がり、こちらを向いて宣言する。


「これより、コルセア公爵令嬢による…………、エリシア嬢、そちらの令嬢の名は?」

「陛下、ウエルト男爵家令嬢のレニー様です。」

「ふむ、そうか――――――、ウエルト男爵令嬢へのいじめ、および我が息子クリストファーとエリシア嬢の婚約破棄について裁く。証言者は嘘をつくことのないよう、虚偽の証言をした場合、法に照らし厳罰に処す。」



 そして、国王陛下が裁判長となる不思議な学園裁判が始まった。


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