表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

婚約指輪を失くした伯爵サマ

作者: 桜井正宗
掲載日:2022/02/04

 もうお互いをよく知って、この人なら大丈夫だと信じていた。


 ある日、伯爵サマは『婚約指輪』を失くしたと頭を抱えていた。わたしはどこで落としたの? と聞いたけれど、分からないと素っ気ない返答。しかも、そのまま『婚約破棄』を突き付けてきた。


 頭が追い付かなかった。


 婚約指輪が無くなったくらいで……婚約破棄? どうして? また買い直せばいいのではと提案したけれど、彼は拒絶した。そんなのは本物の愛ではないと。もう無理だ、やっていけないと口にした。


 ……その瞬間、わたしの中で全てが崩れ去った。


 やっぱり、彼はそうだった(・・・・・)のね。それが紛れもない真実であり、わたしを愛していなかったという証拠。



 ねぇ、そうなのでしょう。


 伯爵サマ。



 わたしの目の前には、全身を映し出す『鏡』があった。これは我が家系に代々伝わる魔導具だった。わたしを裏切り、悲しませた者は鏡の中に閉じ込められてしまうのだ。そんな憐れな彼は鏡の中にいた。



 指輪を失くし、愛がないことを自白した。更に決定的な真実を彼は話した。どうやら、伯爵は婚約指輪をわざと失くし、他の女性と駆け落ちするつもりだったらしい。最低だ。


 もう許せないし、彼を戻す予定もない。わたしは指を鳴らし、彼の意識を戻す。すると、伯爵は助けてくれと懇願する。もう無理。その鏡の世界に一生閉じ込められていなさい。



 ◆



 鏡にカバーを掛け、わたしはお屋敷を出た。外には幼馴染の騎士がいた。爽やかな顔立ちでこちらを歓迎し、わたしを連れて行ってくれた。もう戻る気はない。


 彼が婚約指輪を失くしたように、わたしは鏡を失くす。もう彼と向き合う必要はないのだから――。

~こちらも応援お願いします~


亡国の大聖女 追い出されたので辺境伯領で農業を始めます


https://ncode.syosetu.com/n3095hj/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ