異世界編⑤
お茶をズズッと彼女は飲む。
だから、それを真似てズズッと飲んだ。
「じゃあ、君の話を聴こうか。」
彼女は優しく微笑んだ。
ドキッとした。
顔を直視する事ができなかった。
だから、彼女の方にあるお茶の水面を見た。
「え、えーと、日本から来ました。水城裕也です。14歳です。職業はが、学生です。」
学校に行ってないのに学生と言ってよかったのだろうかと思った。
「ねぇ、裕也。」
そう言うと彼女は立ち上がり、腕伸ばし,,,
その両手は顎に触れ、顔が上がる。
そこには、彼女の顔がすぐそこにあった。
近いと思ったが、それを声には出せなかった。
「人と話すときは相手の顔を視ようよ。」
「わ、分かったから。」
恥ずかしくて、早口になった。
「よろしい。」
ニコッと笑い、手を離し再び椅子に座る。
顔が熱い。心臓がドクドクする。
顔を正面に戻す。
ゆっくりゆっくりと顔を上げた。
そして、彼女の顔を捉えた。
彼女は頬づえをついて、いたずらっ子のように笑みを浮かべ待っていた。
「やっとこっち視たね。」
「それでそれで、日本ってどこ!」
キラキラした目で聞いてきた。
「え。」
なんか、この子よくわからないと思った。
そして、彼女による質問責めはとことん続いた。