異世界編②
目を疑った。なぜなら、そこにいた彼女はあまりに美しかったからだ。
黒髪のショートヘアー。
肌は色白で、真っ白なワンピースと合わせることで色の対比がとられ存在が目立つ。
「ねぇ、あなたどこから来たの?」
彼女は腕を後ろに組み、体と首を傾け、そう聞いた。
「え、あっ、あっっああ..」
家族以外の人、さらに女子と話すのなんて久しぶり過ぎて声が出せなかった。
彼女は小首をかしげる。
「あっ、あ、あ、あ..」
顔を伏せた。
こんなこともできない自分が情けなかった。
目頭が熱い。
液体が一つまた一つと滴り、草に落ちる。
「大丈夫?」
柔らかい声と優しい瞳がすぐそこにいた。
どんなにひどい顔だっただろう。
真っ正面に彼女の顔を見る。
彼女は真っ直ぐ見てくれた。
「どうしたの?」
そして、俺は,,,,,,
「気づいたら,,,ここに,,,いた、ここがどこだか分からない。」
「あなたこの国の人じゃないの?」
無言で首を縦に振る。
「じゃあ、私の家に来なよ!行くあてもないんでしょ」
「そう、だけど....」
「じゃあ行こう行こう!」
彼女は振り返って歩きだす。
俺は展開についていけず突っ立っていた。
すると彼女は、
「もう、なにしてるの。行くよ。」
そう言い、俺の手を取ってまた歩き始めた。