始まり2
あの日から数日経った。
学校には,,,行かなかった。
録画した番組を見ている。それが飽きたら動画を見る。それも飽きたらゲームをする。そしてそれも飽きて,,,ボーッと空を見る。
最近ずっとそんな感じだ。
何してるんだろう
そう思った。
学校にも行かずなにもせずただ、一日一日を潰していくだけ。
何の価値もないんだな
そう思った。
だから寝ることにした。
現実から目を背けたくて
もうなにも見たくなくて
あぁ、こんな人生早く終わってしまえばいいのに。
そう想って目を閉じた。
でも、そんな願いとは裏腹に今日も空は晴れだった。
ザァー、ザァー。
久しぶりに雨が降った。
雨は好きだ
見慣れた風景がガラッと変わるから。
今日は出掛けることにしよう。
小さいリュックを背負い階段を降りる。
机に朝食が用意されていた。紙も添えてあった
食べてから行こうか少し迷った
でも、やっぱり止めた。
ガチャ。
鍵を閉めた。
傘を広げて歩きだす。
行く場所は決めてなかった。
とりあえず今日を楽しめれば何でいい
雨の音が好きだ
周りの話し声を遮断してくれる。なにも聞こえなくて、なにも聞かなくていいから。
傘が好きだ
傘を広げれば顔を見なくて済むから。視線を遮断してくれる
雨が好きだ。雨は自分だけの世界を造ってくれるから。
「毎日雨だったらいいのにな。」
世界の創造主はそう言った。
ピチャッ、ピチャッ
ザァー、ザァー
まだ雨はやまない。
結局なにもしなかった
ただ、ぶらぶらとしていた。
でも嫌じゃなかった
久しぶりの外の空気は汚れていた肺をきれいにしてくれた。
たとえそれが湿った空気だったとしても。
ピチャッ、ピチャッ
ザァー、ザァー
ピチャッ、ピチャッ
ザァー、ザァー
,,,,,,,,,,,,,,,,,,
しばらく歩いた。
どうやら雨は少し弱くなってきていた
家が見えてきた。
何度もみた風景だ
焦げ茶色の髪にベージュ色の顔、口は黒色。
昔から変わらないその風景はどこか安心感がある。
今日は気分がいい。
こんなに気分がいいのは久しぶりだ。
足取りが軽く、まるでスキップしているような感覚に襲われた。
家に着いた。
傘を閉じる
雨はもうほとんど降っていない。
振り返って家に入ろうとした。
そして、そこにあるものに気づいた。
ドアの前には1つのダンボール箱があった。