表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
応募中  作者: もっさん
1/9

始まり

チュンチュンと鳥のさえずりが聞こえた。

天気は快晴気持ちのいい朝だ。

現在の時刻は7時2分。健康的な目覚めと言えるだろう。

まず何をしよう。

学校に遅れないためには8時には家を出なければならない。

そうだ、まず顔を洗おう。

鏡の前に立ち冷水で顔を洗う。顔を上げてみるとやけに疲れている顔だった。

嫌な夢でも見ていたのだろうか。

次は...朝食を食べよう。

階段を降りると朝食が用意されていた。

ラップに包まれた目玉焼きとウィンナー。六個入りのミニクロワッサン。

そして、「朝食」と油性で書かれた紙が添えてあった。

テレビを点けた。様々なニュースが伝えられてる。

「続いてのニュースです。先日○○県○○市の○○高校に通う高校2年生徒が自宅で自殺をしたことが明らかになりました。生徒は遺書を残しており...」

テレビを切った。朝からこんなことを聞きたくはない。 

今日は朝食がなかなか喉を通らなかった。

だけどチクタクと時計の声はよく聞こえてきた。


どうやらのんびりしすぎていたようだ。

時刻は7時50分を示していた。

「あとは家を出るだけだな,,,」。

リュックには荷物がパンパンに入っていた。

前日に準備をしていたのだ。

リュックを取りに行った。

ドス、ドス、ドス、と階段を上る音が自分だけしかいない家にはよく響いた。

玄関で靴を履く。

忘れ物はないか今一度確認する。

忘れ物はなかった。

「よし、行こう。」そうして少年は学校に向かった。


やはり今日はいい天気だ。

部屋の中でも判ったが、外に出るとさらによく感じられた。

歩いていく。歩いていく。歩いていく。

さっきから誰かにつけられている気がする。

歩く速度を上げた。相手も速度を上げた。

さらに速度を上げた。相手もさらに速度を上げた。

これはまずいと思った。こんな朝からストーカー?誘拐?して来るやつがいるのかと思った。

走った。走った。走った。

出発ギリギリのバスに乗れば振り切れるはずだと思った。

相手も走って追いかけてくる。

心臓が痛い。呼吸は乱れ、脚も疲れてきた。

走るのをやめたかった。もう疲れた。

でも、あいつに捕まった後のほうが怖かった。

バスが見えた。ちょうど停まっている。

あと少し。あと少し。あと少し。

はぁ。はぁ。はぁ。

呼吸を整える。

あいつはどうしているだろう。

途中から足音は聞こえなかった。

怖い。怖かった。

振り向きたくない。振り向いて、もしやつが後ろに居たらと思うとゾッとする。

でも、見ないと。確認しなきゃいけないと思った。

大きく息を吸って後ろを振り返った。

あいつの姿はなかった。

安心した。

大きく息を吐いた。

それにしても変なやつだった。

足音が特に変だった。

なんか、心のなかに入ってくるような感じだった。

姿もおかしかった。

ミラー越しにあいつを見た。

全身真っ黒の服装をしていた。

こんな朝にあんな格好をしてたら不審に思われるはずなのになぜ誰もあいつに気が付かなかったんだろう。

もしかして自分は幽霊が見えるのかと思った。

「そんなわけないよな。」 

考えてもわからないからバスに乗ろうとした。

体が震えた。ゾッとした。後ろにあいつが居ると本能的のわかった。

体が動く。見たくないのに勝手に体が振り返る。

あいつの顔を見た。

それはよく知っている顔だった。

おまえだったんだな。















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ