最後の1時間はどう感じるのか?
誘拐、放火、殺人で起訴されて死刑判決を受けた囚人
死刑囚になると最後の1時間はどう過ごすことになるのか?
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この作品の漫画動画はYoutubeで掲載しています。
https://youtu.be/tp2vhkPeQeI
1コマ
俺の名前はエイジ、誘拐、放火、殺人で起訴されて死刑判決を受けた囚人だ。
エイジ「はあ〜毎日暇すぎだわ。ネットもできねえしな」
2コマ
死刑囚は、他の服役囚と違って刑務作業もない。ただ毎日をぼーっと過ごすだけだ。
エイジ「やることねーし、本当に死刑になんのか?」
3コマ
エイジ「どうせ死刑って言われても先の話だろうし、法律も変わるかもなw」
そう思って呑気に過ごしていた。殺陣までおかしてこの有様だ。
4コマ
刑務官「飯の時間だ、今日はクリスマスだからな」
そう言われて出されたのは、チキンが乗ったプレートだった。こんなところにもクリスマスはやってくるのだ。
5コマ
エイジ「うんめ〜!毎日ローストチキンがいいわ!シケた飯なんて食えるかって〜の!」
俺は税金で食わせてもらっている身でありながら、贅沢をしようと思っている。反省の色なしというところか。
6コマ
正月になり、今度は正月らしいおせちプレートも出された。
エイジ「悪くねえな、ずっとここで働かずに飯だけ食うっていう生活もありなのかもしれんな」
7コマ
刑務作業もなし、辛いことといえばテレビやネットができないことくらい。ただ暇だが寝ていればいいだけの話だ。
エイジ「こういう生活もいいのかもな〜」
8コマ
死刑になるのはもっと先、いや本当に死刑になるのかどうかわからないとまで思っていたので呑気なものだった。
エイジ「娑婆に出たい気持ちもあるけど、仕事なんてしたくねえしな。やるとしたら強盗か?」
9コマ
全然反省していない俺は、そのうち本当に天罰が下るとも思っていなかった。それは突然やってくるのだ。
エイジ「眠しねよ」
10コマ
ある日、カツカツという足音が聞こえた。それは一人の音じゃない、複数人の音だ。
エイジ「ん?なんだ?」
11コマ
そして、向かいの独房にいたやつが連れていかれたのだった!いよいよ死刑執行らしい。
エイジ「うわ、まじかよ」
12コマ
死刑囚「やめろ〜〜!死にたくない!死にたくない!!」
そいつは大声で叫んでいた。
エイジ「みっともねえ〜ww大の大人が泣き叫んでやがるw」
13コマ
そして、その死刑囚は抱えられるようにして連れていかれてしまった。いよいよ死刑になるのだろう。
エイジ「まあ俺は死刑になってもビビることなんてないし〜アハハww」
14コマ
だが、いよいよ俺の番がくることになってしまった。ある朝、やはりカツカツという音がたくさん聞こえてきた。足音の数は一人でないことがわかる。
エイジ「こっちに向かってくる・・・」
15コマ
ガチャリと鍵が開けられ、刑務官が俺を連れ出そうとした。
エイジ「別に死刑なんて怖くねえし!やれるもんならやってみな!」
16コマ
俺は啖呵をきっていたが、足はガクガクと震えていた。一体どうやって死刑になるのだろう。
エイジ(首吊りだってネットで見たことはあるけど、やっぱ苦しいのかな・・・)
17コマ
そして長い廊下を歩いて行って、ある部屋に連れていかれた。そこはとてもシンプルだった。
刑務官「何か最後に食べたいもの、それからタバコは吸うか?」
18コマ
エイジ「タバコを一本くれ」
俺は震え得る手でライターを持って、タバコに火をつけた。今から死ぬのかと思うと、タバコでも吸っていなきゃやってられない。
19コマ
そして、好きなものを食べていいと言われたので、置いてあったお菓子を食べた。洋菓子と、まんじゅう、それから緑茶があった。
エイジ「はあ・・・」
20コマ
教誨師「最後に言いたいこと、祈りたいことはありますか」
教誨師と呼ばれる人が、祈りを捧げたいかどうか聞いてきた。もう死ぬんだから祈りもクソもない。
21コマ
エイジ「そうだな、やっぱ死んで罪を償いますよ」
この時になってようやく、死の恐怖が襲ってきた。俺が手にかけた人たちは、そういう気持ちで殺されたんだろう。
22コマ
刑務官「じゃあ祈りを捧げるんだ。お前の宗教は仏教か?キリスト教か?」
エイジ「特に信仰心はないけど、実家は仏教だったな」
23コマ
そういうと、祭壇が開けられた。その祭壇にある仏像をひっくり返せば、十字架が出てくるらしい。簡易的な祭壇だ。
エイジ「あの世で地獄に落ちても仕方ないけど、これで罪を償います」
24コマ
そうして俺は最後の祈りを捧げた。周りの刑務官数人は、目配せをして、これから死刑に写ろうとしている。
エイジ「俺もいよいよここまでか・・・」
25コマ
それから、俺は奥にある死刑執行室に連れて行かれた。俺が立たされたところの真下は、地下になっている。つまり、このしたに落ちるわけだ。
エイジ「嫌だ!やっぱり嫌だ!助けてくれ!!」
26コマ
悟りを開いたつもりではあったが、やっぱり死ぬのは怖い。人を殺して置いて、よくもそんなことが言えるなと自分でも思う。
刑務官「暴れるな!じっとしろ!」
27コマ
取り押さえられて、俺は袋を被せられた。前が見えない。ジタバタあがいても、俺はもう為す術もなかった。
28コマ
それから、首に太いロープがかけられた。感触的にずっしりとした太いロープだということがわかる。
エイジ「やめてくれ!まだ死にたくない!生きていたい!!
コマ29
だが、死刑執行は決められたことだ。今更どうにかなるものでもない。死んで罪を償うしかないのだ。
コマ30
それから俺は死刑執行室に残され、残った刑務官は地下室、それから死刑執行のボタンを押す部屋に別れて行った。
エイジ「やめろー!!やめてくれ!!」
コマ31
ビビーッという音がなり、刑務官が一斉にボタンを押す。そのボタンは3つほどあって、心理的負担を減らすために刑務官数人が一斉に押すらしい。
コマ32
そして次の瞬間、ズドン!!というものすごい音がした。
エイジ「ぐわあっ!!」
コマ33
俺は、あっという間に首の頚椎が離れて即死してしまったのだ。
刑務官「うわっ!!」
コマ34
地下室で待機していた刑務官一人は、俺がブラブラと振り子のようになっているのをキャッチする役目だそうだ。いくら死刑囚でも無残な姿を見せてはいけないからという倫理観かららしい。
コマ35
それから、医師がやってきて、俺の死亡確認をしていた。
医師「10時35分、死亡確認取れました」
コマ36
こうして、俺は死刑執行され絶命した。俺の魂は、空中を浮遊して、亡骸を見つめていた。
エイジ(俺、もう死んだんだな)
コマ37
遺体は搬出され、荼毘に付された。誰も、悲しんでくれる人などいない。むしろあいつが死んでよかったと思うことだろう。これが死刑囚なのだ。
コマ38
エイジ(ばかなことをして、死刑になって、一体俺は何をやっているんだろう)
俺の魂は、フヨフヨと浮いていた。天国にも地獄にも行くことはないのだろうか。
コマ39
それから法務大臣が死刑執行をしたことをニュースで伝えていた。インターネットではさぞ「あいつが死んでまじよかった」など書かれていることだろう。
コマ40
日本の死刑制度は海外ら懐疑的な目で見られることが多い。だが、残忍な犯罪をおかしたものは、その命で償うしか方法がないと思う人が多いのも現実だ。
この作品は誘拐、放火、殺人で起訴されて死刑判決を受けた囚人
死刑囚になると最後の1時間はどう過ごすことになるのか?に対する注意喚起として執筆いたしました。
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