朝
翌朝、短時間だけどとっても良く寝た感じでスッキリ目が覚めた。
朝のシャワー後、軽くドライヤーあてただけですぐに乾いた。
速っ! 早瀬さんに教えて貰った通りに髪を乾かして、アイロンで軽く型をつけると無造作でも計算された髪になったの、流石早瀬さん素人の私でもかっこよくセットできて安心。
ちゃんとできるか、不安しか無かったからセットできて良かった。
今迄はストレートのロングだったからサラサラになるのを気を付けてるだけだったけど、今は髪を前に持ってきたり無造作に、見栄え良くするのは上級者のテクニックだと思ってたから、早瀬さんの細やかなアドバイスに感謝です。
残るは服問題。私の好みとしてはフリフリ迄は行かないけど、可愛い感じの服ばかりで本当に困った。
今日着る服がまず無いのよ。この髪に可愛いものは似合わないよね。
「おっはよ! 偉いじゃんちゃんと起きて。髪もセットもできてるし! ご褒美にこれあげるわ。じゃあ私、時間ないから行ってくるね」
「お姉ちゃん? いってらっしゃい」
「おう! 今日は、お母さんに沢山買って貰いなさいよ。じゃあね、遅刻しちゃうわ」
バッチリメイクでスーツを着こなしたお姉ちゃんが、いきなり部屋に来て紙袋を押しつけて忙しそうに出て行った。
「何だろうこれ?」
中を開いてみると。
「あっ! ジーパンだわ。すっごく高そう。白地のお洒落なTシャツに奥に未だ入ってる?
おおっ革ジャンだ! お姉ちゃんセンス良いからなー 持ってるの高い服ばかりだし、これらも高いんだろうな。
さっきくれるって言ってたし、着ても良いよねぇ」
早速着替えてみたら。
「すっごいお姉ちゃん! サイズピッタリだし、これ似合う。今の私にピッタリだわ」
「あゆちゃんそろそろ出掛けましょう」
母が下から呼んでるけど、早くない? 服買いに行くのにこの時間は、まだどこも開いてないよね? 私は不思議だったけど、一応支度も出来たから階下に降りた。
「おはようお母さん」
「あらあらあゆちゃん似合ってるじゃないの。それってお姉ちゃんからでしょ。今朝バタバタしてたから、何してるのか不思議だったのよね~
あゆちゃんの持ってる服って可愛らしいものばかりだもんね。
あっ! ご飯食べないでよ。これから美味しい朝ご飯食べに行くんだからね。楽しみだわ。一回行きたかったお店なのよ。出掛けましょう」
母の話を聞きつつも、冷蔵庫を開けて中の物を物色してたら、強引に閉められた。お腹空いたのに~
「ほらほらそんな目で見ないのよ! 車、表出してくるから、あゆちゃん戸締りのチェックお願いね」
母は父が長期出張で居ない今、結構やりたい放題やっている感じ。
多分父が居ると、父優先の母は自身のパートと父の世話と家事で1日が終わる感じだけど、父がいない間はのびのびしてる。
仲の良い夫婦でも偶には一人になりたいよね。
結婚って恋愛って何なんだろう? 初めての恋愛でつまずいた私は次の恋なんて考えられないと言うか、好きになれる人なんてできるのかも不安。
友達も……やっとできた親友だったのに、やっぱり私は駄目なのかな……
コミニケーションって苦手。何か上手く行かなくなるから、自分でも何をどうすればいいのかわからないの。
「プッ~プッ~」
「あっお母さん!戸締りしないと!」
私は急いで戸締りをして、外に出た。