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「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ~ 惚れちゃった」


「かっこいいわぁ~~~」


「すげ~ ですね。俺……負けたかも」


「ねぇねぇ写真撮っても良いですか?」


「我ながら凄い出来ね。写真よりも格好良いってアリなのかしらね? これは、私の腕ってより素材?」



何だか凄い事になっております。


 ミュージカルを真剣に見ていたら、いつの間にか終わってて、鏡を覗くとそこには……


 キラッキラに輝いている線の細い美男子が居ました。


 すぐに美容師さん達に囲まれて、周りのお客さん達にも遠目にガン見されています。


 うっ私どうしよう……何だか想像の斜め上に突っ走っているのかも知れない今現在の状態……どうしよう。



「えっとお……写真は別に気にしないので撮ってもらっても大丈夫ですよ。


 あの……ありがとうございました。何だか変われそうで嬉しいです」



「私も嬉しいわ。ここまで出来上がると美容師としても言う事なしね。


 良かったらアレンジ方法色々教えてあげるから。何時でもいらっしゃい。


 その代わりと言っては何だけどその後は、写真撮らせてね」



「早瀬さん……ありがとうございます。困った時は宜しくお願いします」


「あゆみちゃん。これは、お世辞でも何でもなく貴女は本当にすこぶる格好良いのよ! 絶対にお店に来てね。私待ってるから」



早瀬さんの両手が私の両手を力一杯握られてる。


 そして、力説されてる……これは絶対に近々来ないといけないのかな。


 少し出費が痛いけど、コンビニバイトの給料出たばかりだから大丈夫……




「あーーどうしょう!!バイトできない」


「どうしたのいきなり叫んで?」


「あっごめんなさい……私コンビニバイトしてるんですが、この髪じゃあ辞めさせられるかも……


 そのお店年配の方がほとんどで、だからきっと嫌がられる。他のバイト探さなきゃ」



「俺ピッタリのバイト知ってる~~」



美容師さんの中でも1番若そうな男性が軽い話し方で、教えてくれた。



「あのさぁこの店から右手に歩いて花屋を左に真っ直ぐ行くと、Andreって店があるんだけどそこなんか良いんじゃない?俺の友達も良く通ってるんだよね


「咲くん、それって男装カフェとかバーみたいなのよね、確か」


「あー知ってる私!可愛い着飾った女の子がフリフリしながら入っていくの見た事ある!」



なんだか、美容師さん達も多数の方が知ってるみたい。


 男装喫茶かぁ……近そうだし寄ってみようかなぁ?


 私はお世話になった皆さんにお別れを告げて、来た時とは真反対の清々しい気分で美容院の扉を開いた。


 すると、夏終わりの少し涼しい風が私の短くなった髪を靡かせた。髪をひとつまみ引っ張ってみて。



「すっごく短くなったなぁー頭。


 回しても髪が纏わりつかない……


 軽いし洗ってもすぐに乾くんだろうな。楽になっちゃった!うん。よし!行こう!」



私はAndreに向かって歩き出した。

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