髪
泣き尽くした後、夕闇の中ふらふら街を歩いてる。
ずっーと携帯が絶え間なく、ブルブル動いてるけど……知らない。見たくない。
だって、さっき気持ちを落ち着けて、勇気振り絞ってLINE開いたら……
(もう良いよな! 別れようぜ。お互い楽しんだろ、次逢ったら友達なwww)
何だろうこれは? 私は本当に好きだったのに、LINEで軽くこんな訳の分からない文章で終わるの?
一年付き合ってきて、彼が希望の商社に就職も決まり、私も将来の事を一緒に考えて行こうと思ってたのに……
私は彼にとってはこんなに軽く何でもない者だった……
あてもなくふらふら歩いていたら、目の前にお洒落な美容室が目に入った。そこに私は誘われる様に入っていった。
「「「「「いらっしゃいませ」」」」」
「ご予約は?」
「あっ…………してないのですが、駄目ですか」
「そうですねー 少しお待ち下さいね」
綺麗な色っぽいお姉さんが、タブレットを操作しながら。
「大丈夫です。お客様、どの様にされますか?」
「切ってください。短く切ってください。色も変えて下さい」
「どの様な感じにされますか? こちらのタブレットに写真ありますから、雰囲気選ばれますか?」
お姉さんがタブレット端末を操作して渡してくれた。画面には様々な髪型の女の子が沢山並んでいた。女の子が沢山……
タブレットを操作して、色々みていると良いものを見つけた!!!
「これに! これみたいにして下さい」