表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

47/88

47:どうしようもない女、ソフィアちゃん!!!




 特区『シリウス』で過ごす最初の夜。私は与えられた領主邸の寝室で、ウォルフくんと一緒に寝ていた。

 もちろん男女のアレとかそういう意味で同衾どうきんしてるんじゃない。ヒト族のことを殺したいほど恨んでいる獣人族対策だ。

 単純にボディガードになってくれるだろうし、それになによりウォルフくんは『獣人国ライエ』の元王子様だからね。顔を見ただけで即謝罪ってことになってもおかしくはない。


 ふぅ、あれからウォルフくんを連れて獣人族の人たちに会おうとしたんだけど、街のどこを探してもいなかったんだよね。そうしてる内にすっかり夜になっちゃって、このままだと逆に危ないから領主邸へと撤退。

 それで仕方なくウォルフくんと一緒に寝ることにしたんだけど……、


「ぐぉ~ぐぉ~……ぺろぺろ、ちゅうちゅう……」


「んんっ……!?」


 しあわせそうな顔で熟睡しながら、首筋を舐めてきたり吸ってきたりするウォルフくん。美味しそうで何よりだけど、たまに噛んでくるのはやめてほしい。

 私はハァ~と溜め息を吐いた。今晩は一緒に寝ていいよと言ったら喜んで飛びついてきて、鍛えられた手足でカラダをガッツリホールドされて抱き枕状態だ。しかもウォルフくん、寝るときは上半身裸派だからね。もうはたから見たら大変アレな状況だ……!


「んぉぁ……ふかふか、やわらけぇ……」


「もう、そういうのはウォルフくんの未来の奥さんに悪いからなしだって……!」


 首筋から胸に顔を移し、感触を堪能するウォルフくんを引っぺがそうとする。

 ってビクともしないほど動かない……!? まさかウォルフくん、王都の魔法使いたちでも調べられなかった例の『筋力増強魔法』を使ってるな……!?

 こっちも魔法を使えばどうにかなるだろうけど、あいにく私は火と水と『爆発』を発生させることしか出来ない。どれを食らったとしても流石にそれは可哀想すぎるし、正直言って別にそこまで嫌じゃない……。

 う~んでもなぁ~と悩む私。その間に彼は、胸に顔を押し当てはじめ、


「チュゥゥウ……!」


「んぁあっ……!?」


 薄いワイシャツの上から思いっきり吸い付いてきた!

 まるで赤ちゃんのように稚拙な舌使いで、だけど大人の男の人の強さで……! 

 

 身をよじろうとも彼は全くやめようとしない。それどころか、搾り上げるように吸う力をさらに強めていくばかりで……って、


「もうっ、いい加減にしなさーい!」


「ウォオっ!?」


 耳元で叫んで無理やり意識を覚醒させる。

 キ~ンと痛そうにイヌ耳を抑えるウォルフくんだが、私は悪くないと思いたい。

 ……こうして寝ぼけてる彼にセクハラ無双を食らうのは、もう十二回目になるからね。


「うひ~、一体何が……ってどうしたんだよソフィア、胸のところが濡れてるぞ?」


「ってこれはウォルフくんの唾液だよバカ~!」


 未だに寝ぼけている彼を叱りつけるも、ウォルフくんはブツブツと「しょーがねえだろ。だってソフィアの身体、ミルクみたいな匂いと味がするし……」と食後のレポートをしてくる始末。

 そんな彼を真剣に叱るんだけど……はぁ。最終的にはなぜか許してあげちゃってるんだよなぁ。その結果、最近ではほぼ毎晩セクハラ無双を受けている気がする。


「もうウォルフくん……いつか本当に好きな子が出来たら、軽率に身体を触ったりしちゃダメだよ?」


「何言ってんだ、俺が好きなのはお前だっていつも言ってるだろうが?」


「んぐぐっ……もうもうっ! そういう言葉は王様への借金五億ゴールドをなんとかしてから言いなさいっ!」


「おう、頑張るぜッ!」


 わりと絶望的な金額のはずなのに、やる気いっぱいの笑みを浮かべてガッツポーズを取るウォルフくん。

 その呆れるほどのポジティブさと、そんな彼から好意を受けてることが実はあんまり嫌じゃないという自分のダメさに、私は改めて溜め息を吐くのだった。







・借金五億の彼氏持ち、ソフィア・グレイシアちゃん――!




↓『ブックマーク』に広告下からの『ポイント評価』、お待ちしてます!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
\デデドンッ⭐/
「底辺領主の勘違い英雄譚」発売中。漫画やってます❗
「貧乏令嬢の勘違い聖女伝」も発売。こちらも漫画やってます❗
↓画像をクリックすると書報ページを経由してAmazon予約ページに行けますよ~⭐
「底辺領主の勘違い英雄譚」の表紙~!
「貧乏令嬢の勘違い聖女伝」のソフィアちゃんで~す!
最新作「魔物の言葉がわかる俺は、彼らと共に国を出る~俺は魔物たちと国を作って幸せになるから、俺や魔物を虐げたやつらは悪いが勝手に絶滅してくれ~」もどうぞー!
― 新着の感想 ―
[良い点] ウォルフいらねぇ。楽しめねぇ。
[一言] いらねぇ
[一言] 字面だけ見ると典型的なダメ男好きみたいだな
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ