1:Re:ゼロから始まる貧乏生活……!
「げほっ、げほ……!」
暗くて冷たい洞窟の奥地で、私は血を吐きながら倒れ込んでいた。
周囲には錆びた剣や槍を持った骸骨の化物・スケルトンどもが、ガタガタと骨を鳴らしながらにじり寄ってきている。
対してこちらは身体じゅう傷だらけで『魔力』も空っぽ。もはや私に、抵抗できる手段などなかった。完全に詰みである。
「はぁ……ここで終わりかぁ。私の人生、最悪だったなぁ……」
死の間際、私は二十年の生涯を振り返ってそう呟いた。
まず生まれた家が最悪だった。一応は男爵の家系に生まれたのだが、貴族とは名ばかりで常に貧困に喘いでいた。
そこそこ優秀な『魔法使い』だった祖父が、若い頃に戦争で成果を上げて貴族に取り立ててもらったのだが、与えられた領地は枯れ果てていて、とてもじゃないが贅沢な暮らしなんて出来なかった。
――領民たちもどこかから流れてきた罪人や病人ばかりで、みんな死んだ目をして生きてたっけ。
そんな場所に生まれた私がまともな人間になれるわけがなかった。生活苦から母親は出ていき、常に空腹に苦しみ続ける日々を送っていれば、絵に描いたような根暗女になるに決まっている。
当然ながら身体も育たず、底辺貴族の痩せっぽち女となれば嫁ぎ先も見つからず、十五歳になる頃には「家のために金を稼いできてくれ」と言われて無理やり『冒険者』にさせられ、モンスターどもと殺し合う日々が始まったのだった。
……辛くて苦しい毎日だったよ。回復薬の素となる薬草を採るために、私自身が何度も傷付き……貴族たちが装飾品とするモンスターの素材を得るために、貴族令嬢であるはずの私が命を懸け続けた。
そうして五年間祖父から引き継いだそこそこの魔力だけを頼りに、何度も死にかけたり、暗い性格のせいで同業者から馬鹿にされたりしながら、必死で戦い抜き――大した成果を上げることもなく、私は死ぬことになるのだった。
「ははっ、もういいや……殺すなら殺しなさいよ!」
あまりにもゴミみたいな人生に笑いながら、周囲のスケルトンどもに吼え叫ぶ。
ああ、そういえば笑ったのなんて何か月ぶりだろう。涙だったら毎晩こぼしているというのに。
そんなどうでもいいことを思いながら、私は全身をズタズタに斬り裂かれていったのだった。
そして。
「――おお、ようやく生まれたか! 性別は……なんだ、女か」
……えっ!? あれっ、どういうこと……!?
スケルトンどもに嬲り殺されたと思ったら、次の瞬間、なぜか私はお父様に抱き上げられていた。
ど、どういうことッ!? まさか奇跡的に助かって、親が病院に入れてくれたとか……っていうのは二重の意味であり得ないな、うん。間違いなく致命傷を負ってたはずだし、家に治療費なんてないしね。
ていうか目がぼんやりとしか見えないんだけど、なんかお父様、すごく若返ってる感じがしない……?
「んん? なんだこの子は……まったく泣かんがどういうことだ? ……まぁ生きているのならそれでいい。お前の名前は今日から『ソフィア・グレイシア』だ。グレイシア家の名に恥じぬよう立派に育つように」
は、はぁ? そりゃ私はソフィア・グレイシアだけど……え、本当にどうなってるの……?
私はしばらく困惑した末、急に来た眠気によって静かに意識を落としていったのだった。
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