プロローグ
ガイア創世記から要約する。
はるか昔、惑星ガイアには高度に発達した超文明が存在した。文明人たちはガイアを飛び越え、月に降り立った。文明人は死を超越した。一瞬ですべてを吹き飛ばす力も手に入れた。
そして、戦争が起こった。彼らは最大の禁忌、神のいかずちを解き放った。ガイアから生命がいなくなった。
そこに女神マリアが現れた。彼女は三種の神器を使って、夏の扉を開き、惑星ガイアにアトロンを放った。そして、新たなる大地と生命を生み出したとされている。
それから長い年月が流れる。
ガイアに唯一存在するユナシア大陸。その地には多種多様な種族が共存していた。ホモネス、エルフ、カネム、キャスト、ルポス、ジャイアントは同じ言語を話し、互いに縄張りを作り、狩猟生活を送っていた。
しかし、とホモネスとエルフが農作を開始し、一カ所に集まるようになると、ホモネスの人口が一気に増加する。ホモネスは数の原理で多種族を圧倒していくことになる。そして、2つの文明が勃興した。
大陸西部地中海沿いにエルフのポリスが誕生する。その後、アルテを中心に都市国家の連合体、ギリネシア連合を発足する。政治形態は民主政。ギリネシアは組織的な軍事戦略を始め、他国を侵略。支配地域を広めていく。しかし、次第に民主政の欠点である衆愚政が顔を出し、繁栄は長続きしなかった。ギリネシアは衰退。隣国ロマーネが台頭するようになる。
一方その頃、大陸東部では華帝国が周辺諸国を統一。皇帝を頂点にした指示系統は迅速であり、他国の追随を許さなかった。巨大帝国の誕生である。しかし、圧倒的権力は初代皇帝の死によって消滅した。華は長い戦乱の時代に突入する。
創成歴3000年。
民主政を中心とする法治国家ロマーネ。その北部の街ミリスに奴隷の子アラン・アグリードが生まれる。のちに剣聖の称号を得る。
首都ロマーネに天才カエサル・フェニックスの養子となるアウグス・フェニックスが生まれる。のちに尊厳王の称号を得る。
創成歴3015年。
ロマーネの北部に位置するアルプス山脈を登る一つの軍隊があった。軍隊を率いるものの名はハンニバル。彼はロマーネと敵対しているカルータの将軍である。彼の願いは、敵国を滅ぼすことである。
この年、ロマーネ史上最大の危機を向かえることになる。第二次カルータ戦争、またの名をハンニバル戦役。その戦火が切って落とされようとしていた