056迷宮の話
これまた説明回です。
こういうのは世界観とか設定とかを読んで今後何が起きるのか予想するのが楽しい人向けだと思っていますので、
『そんなのどうでもいいんだよ、読むのめんどくさいよ』って方は後書きの要約をご覧ください。
今日から10連休中、毎日更新を目指します!
「おおー広いね」
王城から馬車で十五分の場所にある、古びたレンガ造りの建物。
それが王立図書館だった。
中に入ると鼻をつく、古びた紙とインクの匂い。
壁際には天井近くの高さまでそびえる本棚。
そして壁から壁をつなぐ骨組みのように立ち並ぶ、これまた本棚の群れ。
そしてびっしり詰まった本の山。
すごい。
すごいんだけど…地震大国日本出身の身としてはちょっと身構えちゃう。
降ってこないよね?
「蔵書数は五万冊を超えるらしいよ。よくかき集めたよね」
一応外だからか、余所行き用の口調でリードがそう言う。
現代日本の図書館なら大したことない数字な気がするけど、この世界ではすごいんだろうなぁ。
そもそも執筆されてる本の数が桁違いだろうし。
「せっかくだし、エドガーも入れたらよかったのになぁ」
エドガーは本が好きらしい。
旅の間の雑談で知った。
失礼かもしれないけど、ちょっと意外だった。
でも確かにエドガーって結構物知りなところあるもんなぁ。
とはいえ、入館許可が下りたのは私とリードだけ。
従者は許可証発行対象ではないとかで、エドガーやアルノー、エレーナの三人は入れなかった。
まあ、出入り時に身元確認をしっかりされる図書館内で暴漢に襲われるとかまずないし、いいんだけど。
周りを見渡してみると、そもそもあまり人がいない。
受付の人もなんか暇そうだったから、いつもこんな感じなのかもしれない。
許可証を発行してもらえてなおかつ本が好き、そしてここに来る暇がある人ってなると、そう多くないのかも。
目当ての本がはっきりしてれば自分で買えるしね、お金持ちなら。
でもそれなら、本好きなうちの従者に入館許可を出してやってほしかった。
「アカネ。気持ちはわかるけど、エドガーを連れて入れたところで彼は本を読まないと思うよ」
「え、なんで?」
「アカネや僕が傍にいる以上、エドガーは仕事中ってことになるから」
「…なるほど」
ただの頼りになる親戚のお兄さんくらいの感じで接してしまっているけど、エドガーは私たちの護衛としてついてきている。
いくら大好きな本に囲まれた環境だからって、近くにいる護衛対象から目を離して読書に耽っていたら護衛失格だ。
「従者の待機場所のサロンにも少しは書物があるらしいよ。僕たちが居ない方が息抜きできるんじゃないかな」
「それもそうね」
主人を待つ従者の為に、図書館の横には待機場所が用意されている。
図書館の中にいるならまず安全だし、護衛任務を忘れて羽を伸ばしてほしい。
…まあ、そもそも魔王様がついてるから、危険を感じることがあるとすれば襲撃者の方だろうけど。
館内を巡回していた司書さんに声をかけ、目的の本を探してもらう。
そうして読書スペースに持ち込んだのは、迷宮や魔王に関する報告、考察の論文。
そこに悪夢のヒントが無いか探すのが目的だ。
「そもそもアカネって迷宮のことどこまで知ってるの?」
「どこまでって言われても…ある日突然できた地下巨大迷路でしょ?」
「…アカネが言うと楽しそうだな」
それは知らんけども。
日本の図書館と違い、特におしゃべり禁止ではないようなので私とリードは堂々と会話しながら資料を漁っている。
そもそもほとんど人がいないから、ちょっと話してるくらいじゃ迷惑になりようがない。
それはさておき、本を読みながらだったとはいえちょっと回答が適当すぎたか。
「見つかったのが三百年くらい前で、魔物が現れだしたのもその頃からってことは知ってるよ。それ以外ってなるとあんまり…」
「まあ普通の人が知ってるのは大体そんなものだろうね」
そっか、リードは魔王の魂の記憶があるから、歴代魔王の知識も持っている。
私より詳しい歴史を知っているらしい。
資料を流し見しつつ、簡単に説明をしてくれた。
そもそもの始まりは三百年以上前…正確にはヴァール歴14年のこと。
カデュケート王国北部バルイト地方の街道から少し外れた場所に、大きな穴があいているのをある旅人が発見した。
報告を受けて調査に乗り出した領主の兵達は…ほとんどが帰らぬ人となった。
命からがら逃げかえってきた兵士の一人は、『見たこともない化け物に襲われた』と報告した。
その"化け物"こそ現在ではよく知られている魔物という存在であり、これが初めて世間に知られた魔物と人の邂逅だ。
「今でこそ魔物と戦うってよくあることだけど、当時はそうじゃなかったってことだよね」
「まあ普通は戦う相手って人間ばかりだし、せいぜい森の中で熊とか狼と出くわす程度だっただろうね」
今でこそこの世界における熊とか狼は魔物や人間のごはん扱いだけど、当時は現代日本と同じような感覚だったんじゃないだろうか。
準備もなしに出会ったら普通は命の危険を感じるやつ。
そもそもその頃は、十数年にもわたって世界中の国々が争う、大きな戦争が終わって間もない頃だった。
ヴァールとはその世界大戦を終結に導いた英雄の名前であり、世界平和条約締結を期に彼の名前をとり世界標準歴としてヴァール歴が制定された。
ちなみに今はヴァール歴319年だ。
「ヴァール歴元年って言ったら平和の訪れって意味だもんね」
「すぐに魔物にぶち壊されたけどね」
「それをあんたが言っちゃあ…」
仮にも魔物を統べる魔王が言うと皮肉感がすごい。
そんな時代のこと知らないだろうし、いま世の中に解き放たれてる魔物もリードが作ったものじゃないけど。
ともあれ、戦争が終わって十数年、ようやく国々が落ち着きだしたころに迷宮が見つかった。
魔物は次第に迷宮から出て世界中に散らばり、人々の生活領域を侵し始める。
だけど当時の人々に、対人ではなく、しかも普通の動物の枠にも収まらないような未知の生物と戦う技術は養われていなかった。
「あれ、でもさ。昔も魔術師っていたんだよね?魔術でドカーンといけなかったのかな」
この世界では銃火器や兵器の代わりに魔術が発達している。
魔術なら相手が人だろうが魔物だろうが関係なく、遠距離から派手にダメージを与えられそうだ。
だけど魔物に唯一対抗しうる手段が魔術なら、魔術師の地位はもっと高くなっていてもよさそうな気が…
「昔の魔術はすごく未熟だったんだよ。カルバン先生が前に話してたように、昔の詠唱ってすごく効率が悪かったらしいからね。僕が前に使ったのはまだ三十年前とかそれくらいのもののはずだけど、三百年前の詠唱なんてまるで別物だから。今なら初心者が最初にならう…アカネが良く使う氷槍なんかも、三十秒くらいの詠唱が必要な上に魔力も結構消費したって聞くよ」
「え、そんなに?」
今なら数秒程度で済むらしいのに。
らしいっていうのは、私はそもそも無詠唱なものでよく知らないからだ。
魔力が無尽蔵って強い。
でもそれなら、詠唱してる間に距離を詰められかねない。
籠城してるときに安全圏から撃てるならともかく、道端で出くわしたとかだと絶望的だ。
「だからこそ迷宮発見からの五十年間は"魔の五十年"って言われてるんだよ」
「それもそっか…」
三百年以上前から人々は魔物の脅威にさらされている。
それでも今それなりに暮らせているのは、それまでの間踏ん張ってきてくれた人がいるからだ。
魔術の詠唱簡略化の研究が進み、戦士たちも体内のわずかな魔力によって身体強化する術を編み出すなどして、魔物への対処法が確立されたのはヴァール歴60年頃。
迷宮発見からここにいたるまでの約五十年間を"魔の五十年"と呼ぶ。
世界大戦から癒えきっていない傷をさらにえぐるように、多くの命が散らされた時代だ。
迷宮発見以降、世界各地を跋扈するようになった魔物により、歴史的な書物・建造物も多く失われた。
今となっては世界大戦以前のことを知るのはとても難しい。
残された文献は限られており、大戦に関しても終盤の記録しか残っていない。
そのため、そもそも何がきっかけで世界大戦に発展したのかさえ、あらゆる推論が飛び交っている状態だ。
「リードは何で大戦が起きたんだと思う?」
「さあ…でも、一人の美しい姫を取り合って周辺国の王子が対立したのが始まりっていう説もあるらしいよ」
「世界を巻き込む痴話げんかとか迷惑すぎる…」
魔物ショックのおかげで真実は闇の中だ。
ただし、その代わり停滞していた魔術や剣術、体術、武器の研究が再び盛んになったという。
技術を進歩させるのは戦争だとか聞くけれど、本当なのかも…
これだけ大勢の犠牲の上に成り立つ進歩なんてどうかと思うけどね。
この三百年間の魔物による被害統計の表を見て、思わず渋面を作った。
そしてふと気付く。
「…迷宮の行方不明者って、なんか多いね?」
「ん?」
私の言葉に、リードがこちらの本を覗き込む。
魔物の数や、その被害者数の年次推移が記されているものだ。
災害にも近い魔物の襲撃。
死傷者、行方不明者が多発するのは無理もない。
そして迷宮では魔鉱石や精霊石などの希少アイテムをはじめ、新種の薬草や鉱石なども発見されている。
一山あてるために危険を顧みず挑む冒険者は少なくない。
迷宮では狭い場所で多くの魔物に囲まれることもあるから危ないらしいんだけどね…
それでも冒険者ギルドに登録している人のうち三分の一くらいは大迷宮の冒険が目的らしい。
なんせ"冒険"者だしね。
もともとは迷宮を冒険する人たちを冒険者と呼び、それを管理していたのが冒険者ギルドだ。
そのうち各地の魔物討伐も請け負うようになり、今では三分の二くらいの人は迷宮に行ったことも無ければ目指してもいない。
魔物の対処をしてお金を得たり、そこで得た武勲から出世するのを目的としている。
そちらの方が安定したお金を得られるし、危険度も低いからだ。
まあそんなわけで冒険者の総数は増えているけれど、迷宮探索者はここ百年そう増えてもいない。
だとすれば、魔物への対処法が広まり、技術が向上するに従い、死傷者の数は自ずと減っていく。
だけどなんで行方不明者は多いままなのか。
「行方不明者って、迷宮で迷った人とかのことかな?」
「あと、誰も見てないうちに魔物に食われたと思われる人とかみたいに、死亡確認がとれてない人は全員行方不明扱いになるって書いてあるよ」
リードが指差した箇所には確かにそうあった。
生々しいな…
「でもそれなら、死傷者の数が減るのと同じくらい行方不明者も減る気がするんだけどなぁ」
各地の行方不明者数は死傷者数と同様に下がっている。
だけど迷宮に関しては…死傷者数が減っているのに、行方不明者数はほぼ横ばいだった。
最低でも年間で百人前後。
被害者のうち死亡確認できない人の割合が増えていることになるわけだから、それって十分異常だと思う。
「…そう言われると…確かに違和感あるな」
リードもそう頷いた。
確かに迷宮は広いから迷子になる人はいる。
バルイト地方の迷宮は一つではなく、その後も複数の入り口が発見され、そのいずれも全容が解明されていない。
なんせ何か月も潜っても全体像がつかめないらしい。
だけど長い年月をかけて地図は埋められて行っている。
駆け出しの冒険者はその地図をもとに行ける安全な場所の依頼しか受けないはずだ。
白地図部分の探索に挑むのはベテラン冒険者ばかり。
行方不明になる可能性が高いのはこの人たち。
なのに行方不明者数がこうも一定だと、安全圏を行っているはずの初心者も大勢行方不明になっているとしか思えない。
「…ああ、アカネと同じ疑問持った学者がいるみたいだね。迷宮が人を食べるとかいう説の論文出してる人がいるよ」
「なにそれ怖い…」
そういえば、英雄ベオトラが三代目魔王を倒したときに迷宮の一部を崩壊させたけど、数日で元に戻ったって話もあったっけな。
迷宮が生きてる説はあながち眉唾ではないかもしれない。
だとすると年間百人っていうのは迷宮の胃袋の上限なんだろうか。
「でもたまに突出して行方不明者が増えてる時期もあるのよね」
「…それは全部魔王の存在が確認されてる時期だね。その間は魔物の動きも活発になるから、迷宮も例にもれず被害が増えるんじゃないかな」
確かにその時期は死傷者数や魔物の発見、討伐報告も桁違い。
魔王には魔物を強化する力がある。
力も強くなるし、人への凶暴性も高まる。
まあ、この辺は歴代魔王があえてそうやってるだけで、リード曰く逆に弱体化させることだって可能とか言ってたっけ。
魔王として完全覚醒しないと世界中の魔物に影響を与えられないみたいだから、実行はできないんだけどね。
でも普通の魔王は人に憎しみを持ってるから魔物を強化する。
すると被害が拡大するし、その魔王が討伐されると一気に数字が下がるのだ。
実のところ、先代の四代目魔王が現れたのは五年前で、討伐されたのは三年前。
…ファリオンのお父さんが襲われて少ししてから四代目魔王の存在が発覚したから、実は時期がぴったり合致している。
あの夢の信憑性って結構高いんだよなぁ…
それはさておき、そんな最近の話だから、魔王がいる間魔物が活発化していたのは私も記憶にあった。
シェドがカッセードの魔物対策に手を焼いたのはそのへんも絡んでいる。
今こうしてカッセードを離れてセルイラに来ることができているのも、それが落ち着いたからだ。
シェドの仕事が的確だったにしろ、魔物の活性化が続いていればさすがに領主代理が領地を離れるわけには行かなかっただろう。
そして各地の被害は落ち着いたものの…迷宮の行方不明者は一昨年…魔王討伐の翌年も九十八人ほど出てるみたいだ。
この資料だと昨年の数字は分からないけど、同じくらいの行方不明者が出ている気がする。
「…魔王や魔物が人をさらってるってことは無いんだよね?」
「魔王がさらってるっていう事実は、俺が知る限りはねーな。魔物は…ラミアとかオークとか人間を巣に持ち帰ったりするのが一部いるけど、これはもともとの性質だからな…こいつらは迷宮以外にもいるはずだし、迷宮だけ行方不明者が突出する理由に心当たりはないな」
小声で確認した私に、リードも声を潜めて返答した。
ほっと胸をなでおろす。
リードは魔王の魂を持っている。
彼が存在しているだけで人間に悪影響を及ぼすとかがあったら困るなって思ったんだけど、それはなさそうだ。
今のところリードが生み出してる魔物は無害だし、その魔物の管理は二人でちゃんとやっている。
ちなみにいつぞやの風見鶏の餌は、リードが夜こっそり与えに行っていた。
光合成する風見鶏にするのはさすがに無理だったらしい。
だと思ったよ。
最近は周囲の風魔力を吸収して養分にするとかいう省エネ化?に成功したそうで、餌やりの必要がなくなったそうだ。
ガールウートと似たような仕組みかな。
「ところでさ、リードはそもそもなんで迷宮ができたかとか魔物が現れるようになった理由とかって知らないの?」
声を潜めたままそう問いかける。
「俺が持ってるのは二代目魔王の記憶からだからな…そのへんはわかんねー」
やっぱりそうか。
もしかしたら魔王として完全覚醒すればわかるのかもしれないけど…そんな危険を冒すわけにいかないしね。
それでも一般知識よりは迷宮について理解できた気がする。
ただ、迷宮の行方不明者については何か引っかかるなぁ。
ひょっとしてマリーみたいに何かの結晶に囚われてる人がいっぱいいるんじゃ…なんて…
…いやいやまさかね!
たぶん学者さんとかにはこういう説を考えた人もいるはず。
対処できるならしてるだろうから、そのあたりの情報がないってことはそんなの見つかってないってことだろうし。
リードも知らなさそうだし。
考えるのやめよう。
「…うん、ありがとうリード。迷宮については結構分かった気がする。夢との関係は分からずじまいだけど…」
「まあそうピンポイントで情報があるとは限らないよね」
特に迷宮探索者の中で悪夢を訴える人とかの報告は見当たらなかった。
臨死体験を経てのトラウマで悪夢を見るとかはあるだろうけど。
「迷宮と悪夢は関係ないのかな…」
「その悪夢がマリエル・アルガントと同じものだって言うなら、迷宮関連の可能性は十分高いと思うけどね」
そうなんだよねぇ。
マリーは迷宮に閉じ込められてから強大な魔力を手に入れて、同時に悪夢を見るようになったわけだし。
無関係とは思えない。
疲れた目頭を揉みつつふと窓の外を見ると、ずいぶん日が傾いていた。
昼食を終えてすぐこちらに来たはずだから…
「うわ、もしかして結構時間たってる?」
「ああ、三時間近く居たみたいだね」
リードが柱時計に目をやってそう答えた。
もう16時だ。
本を読みつつ時々雑談しつつしていたら随分時間がたっていたらしい。
ま、まずい。
慌てて図書館を飛び出した。
三人には二時間くらいって伝えてあったのに、大遅刻だ。
アルノーとエドガーは何も言わないだろう。
問題は…
「遅い!遅いですー!」
図書館の入り口で頬を膨らませてプンプンしているのはうちのメイド。
エレーナちゃん、十八歳だ。
五歳児みたいなダダのこね方してるけど、十八歳だ。
「ごめんね、みんな」
「いえ」
「大丈夫ですよ、のんびりしてました」
そう優しく言ってくれる護衛の二人を見習わないメイドがプイと顔をそらした。
「謝罪は行動で示してほしいのです」
行動、はて。
「ごめんねエレーナ」
ぎゅっと抱きしめて囁いてみた。
「アカネ様、なめてらっしゃるのです?」
「ええ…」
すごい顔で睨まれた。
このメイドといいリードといい、むしろ私がなめられているのでは。
「じゃ、リードから?」
「そんなこと私にしてもらっても嬉しくないんですー!リード様からアカネ様にしてくださーい!」
遅れた謝罪をリードが私にするとか、わけわからんことになるだろ。
「じゃあ、間をとってリードからアルノーとエドガーへ」
「どこの間をとったのかな?」
あきれ顔のリードに実行してくれる気配はない。
エドガーは苦笑しているしアルノーは相変わらず無表情で直立不動。
エレーナは『えっ、えっ、いやそれも悪くないかも』とか言って新たな扉を開こうとしている。
開ききる前に話題を変えよう。
「エドガー、夕食の時間までまだあるよね?もう少しだけ時間もらってもいいかな?」
「構いませんよ。調べ物が終わらなかったんですか?」
「ああ、図書館じゃなくってね、その…行きたいところがあって…」
しどろもどろの声がか細くなる。
リードが訝しげな顔をしていた。
ええい、言ってみて反対されたらその時考えればいいや。
「冒険者ギルドに行ってみたいの!」
(要約)
迷宮があるのはバルイト地方。
三百年前に発見され、魔物の存在が明らかになったのもその頃。
全貌はまだ解明されず。
被害者は年々減っているのに迷宮での行方不明者数だけ一定値より下がらない。
エレーナちゃん(18)が男性二人組を純粋な気持ちで見れなくなる。




