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魔王の隣で勇者を想う  作者: 遠山京
第二部 第一章 令嬢と精霊

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002 誰かの記憶5

「悪く思わないでいただきたい」



重鎧を着込んだ老齢の騎士がそう呟く。

彼の手には剣。

そしてその切っ先は、一人の男の胸を背後から貫いていた。



「英雄、ヴァール殿」



騎士は彼の名前を呼ぶ。

一面見渡す限りの草原。

何もないこの平野には、この二人以外の人影はない。

いや、正確には遠くの岩場に何人か隠れ、この二人の姿を見守っているはずだ。

ヴァールと呼ばれた男は胸から剣をはやしたまま、ゆっくり振り返る。



「これが、人々の意思か」



彼は銀色の髪に真紅の瞳を持っていた。

その顔立ちは奇跡のように美しく、それゆえ騎士をぞっとさせる。

なにせその男は、少なくとも齢四十を超えているはずだった。

しかし、男は加齢というものを忘れたかのように現実味のない美貌を保ち、騎士と出会った二十年前から全くと言っていいほど変化がない。



「世界中の戦を収め、世界に平和をもたらした貴殿は正しく英雄。しかし過ぎた力は天災となんら変わりないのです……貴殿はもはや、人ではない」


「……この地を、私の領地として与えると、カデュケート国王は言ったが」



息の乱れ一つなく、ヴァールは淡々と言う。

騎士の首筋へ汗が流れ落ちた。



「このバルイトの地は貴殿の墓場に選ばれたにすぎません。よもや、私の剣で討てるとは思っておりませんでしたが」



この先には王国自慢の宮廷魔術師達が用意した罠があった。

しかしそれは周囲をまきこみ、騎士や発動のために待機している数名の魔術師までも命を落とすおそれがあるもの。

王国としても戦後間もない不安定な時期に戦力を大幅に損失することは避けたい事態であり、隙があれば騎士自らの剣で討ち果たすよう命じられていた。

無防備に背後を晒し続ける英雄の姿に薄ら寒さを覚えつつも、かくして騎士はその凶刃を救世の英雄へ向けることとなったのだ。



「避けることはできた。しかし、君はカデュケート国王が最も信を置く騎士だったはずだ」



ヴァールはその紅い瞳に騎士の姿を映す。



「再び問おう。これはカデュケート国王の意思か。人々の意思か」



胸から生えた剣の切っ先を握りながらヴァールは問う。

騎士は剣越しに伝わるその力に気圧されながらも言葉を返した。



「終戦後に国として認められた十か国、その首脳全ての署名がそろっております。貴殿の退場は、世界の意思です」


「……そうか」



ヴァールは剣から手を放し、脱力したように力を抜いた。



「……ヴァール殿」


「教えてほしい。私を不要だと判断したのはなぜだろうか」


「世界には平和が訪れました。この期に及んでその強大な力を、貴殿は何に使われます?」


「平和は永遠ではない。いずれこの平穏は再び食い破られる。人々を守るための力は必要だ」


「そうして平穏を食い破るのは貴殿かもしれない」


「……なぜそう思う?」



剣は胸の中央を……明らかに心臓を貫いている。

その胸からは夥しいほどの血液が流れ落ちているというのに、ヴァールの声は淀みなく騎士の耳に届いた。

その事実が、騎士の恐怖をひどく煽る。



「今まさに。貴殿は人という生物の域を脱している。人は弱い。己と違うものに恐怖をいだくものです」


「……なるほど、私の行いに意味は無かったという事か。人々はその身を自分の手で守らねば、安寧を得られぬ生き物らしい……」



そう言ったきり、ヴァールは動かなくなった。

剣に重みが強くかかるようになった後も、しばらく騎士は動かずにいた。

ヴァールの足元にできた血だまりが騎士の足元を濡らすころ、ようやく彼は剣を引く。


糸の切れた人形のようにその場に落ちる肢体。

それを見た騎士は、ずっと溜め込んでいた息を吐きだした。



「……もはや人とは思えぬ。とはいえ……長きにわたる戦火の時代に幕を下ろし、我らの子供たちに未来を切り開いてくださった恩人の末路がこれとあっては……」



騎士は悲し気に首を振った。



「王よ……本当にこれで平和は確かなものになるのでしょうか」



誰にも聞こえるはずのない問いにやるせなさを乗せ、虚空へ落とす。

そして彼は馬に括り付けてあった木の板を下ろして組み立てた。



「ヴァール殿のことだ……この板を見た時点で、気付いておられたやもしれぬ」



そうして組み上げられたのは簡易の棺。

これは王に命じられたことではなく、騎士が自ら持参したものだった。

たとえ殺すにしても、そのまま獣に骸を暴かせるのはあまりにも、と。

穴を掘って棺を収め、その中にヴァールの遺体を丁寧に寝かせて木の板をかぶせた。

事が済んだと見た魔術師たちも合流し、黙って騎士を手伝う。



「私の罪は私の罪。王国の罪は王家の罪。もしお怒りがあれども、どうか無辜の民にはそれをお向けにならないよう。あの世というものがあるのであれば、そこで再び相まみえることもありましょう。この老いぼれ、そうお待たせはしません……」



そう言いながら土をかけた騎士は最後に兜を外し、魔術師たちもローブのフードを下ろした。

首を垂れる面々には喜びの色など一欠けらも無い。

地に帰らんとするその骸は、ともに戦場を駆けた者達にとって畏怖の対象であり、しかし崇敬の対象でもあったのだ。



「英雄ヴァール」



誰ともなくそう一言呼びかけ、彼らはしばらくそのまま動かずにいた。

そして、その音を聞く。

ヒィン、ヒィンと耳なじみのない甲高い音が、その場に響き渡った。



「……なんだ?」



騎士が思わず声を上げる。

それは足元から聞こえていた。

次第に忙しないテンポで鳴り出す音は、急かすように騎士達の鼓動をも早まらせていく。

土を盛ったばかりの柔らかい地面が、小刻みに揺れ出すのを見て騎士は瞠目した。



「ま、まさか……」



後ずさる騎士の目の前で、土塊が弾けとんだ。



「ヴァール殿……」



上に乗せたはずの木の板までも跳ねのけ、殺したはずのヴァールがゆらりと立っている。

しかしその瞳に感情は無く、騎士達の姿を映してもいない。

その薄い唇は、かすれた声で何かを呟いていた。



「英雄ヴァールの殺害または追放を確認。人間に不要と判断されたと見なす。主よ、やはり貴方の危惧していた通りだった」


「何を……」


「モード変更。絶望を食らう魔の王へ。この場に繭を生成する」



聞き慣れぬ言葉を呟くヴァールの姿に、騎士は恐怖に耐えかねて背を向けた。

すでに魔術師たちは駆けだしている。

騎士も慌てて馬に飛び乗るが、怯えた馬はうまく動かない。



「くそ、走れ!走ってくれぇ!」



恐慌状態に陥る騎士の背後で、ヴァールは緩慢な動作で首を傾げた。



「……エネルギー不足を確認。血を流しすぎたようだな……魔力と生命力の補充を優先」



そしてその赤い瞳が、馬と、その上に跨る人間の姿を捕えた。



「生体反応あり」




=====




「こ、こわ……」



何あれ、すごいホラーじゃん。

目を開けても心臓は早鐘をうち、びっしょりかいた汗が急速に冷えていく。

今までとは別ベクトルでの恐怖心に襲われ、いつものように抱きしめてくれているファリオンの背に手を回した。



「怖い?」


「怖かった……」


「今日はまた違う夢を見たのか?」


「……ううん」



魔王の夢でも黒い夢でもないのか、という問いであれば、あれはおそらく……



「多分、最初の魔王の夢だと思う」


「へぇ、俺も知らない最初の魔王か」



バルイトの地って言ってたし、おそらく英雄ヴァールは迷宮で有名なあのバルイト地方で殺されたんだろう。

繭って言っていたのは……もしかしたら迷宮のことかもしれない。

用済みになった勇者が魔王になる展開とかはよくあるとはいえ、いざ目の当たりにするとやるせない。

覚えている限りの情報をぽつぽつと話すと、ファリオンは険しい表情になった。



「英雄ヴァールが初代魔王…?」


「うん、だけど……」



気になるのは、妙にシステマチックな彼の動きだ。

特に騎士に殺された後の彼は、まるでロボットが命令を遂行するかのように……

いやいや、ロボットってまさか。

それなら誰が作ったんだって話になるよね。

しかし、そんな私の自問自答を聞いたファリオンは眉をひそめた。



「ロボットってなんだ?」


「え?ああ、えーっと、からくり仕掛けの人形っていうか……決められた動作を行える道具っていうか」


「……それは、間違ってないかもしれない」


「え?」



ファリオンは溜め息をついた。



「言うタイミングを逃してたんだけどな……シルバーウルフとのあの一件の時、俺としばらく連絡がつかなくなったのを覚えてるか?」


「え?」



というと、駆け落ち騒動のあれだろう。

そういえば、アドルフ様に連れていかれたファリオンと、ヒナ吉を介しても連絡が取れなかったことがあったな。



「あの時、俺はベルブルク家の地下牢に入れられてた。まったくヒナ吉と繋がる気配がなくて、その時はなんかの結界が張られてるのかと思ってた。で、いろいろ落ち着いて王都に戻ってから、アドルフと話したんだが……」



一呼吸おいて、ファリオンは呟くように言った。



「魔王の魂は、魔術具の可能性があるらしい」



思わぬ言葉に、目を丸くする。



「ま、魔術具?魔術具って、あの?」


「もともと、研究者の間で仮説としてあったそうだ。幾度も魔王が現れ、しかも元は人間。魔王化する魔術具があると考えれば辻褄があうと」


「まさか……そんな魔術具聞いたこと無いよ」



なんでも願いを一つ叶えて、使用者の体質まで変えてしまうなんて。

しかもファリオンのこれまでの口ぶりからして、体内に溶け込んでしまったような感覚らしいし、そんなの魔術具っていうんだろうか。



「少なくとも、あの牢には魔術と魔術具の使用を阻害する結界しか張られてないらしい。魔物を使役するときに魔術を使ってるような感覚はないし、もしあれが魔術ならアカネに魔力を流してもらわないとまずいことになるだろ」


「それは……そうだけど」



魔術具?

英雄ヴァール自体、魔術具だってこと?

だとしたら一体だれがそんなものを作れるっていうのか。

しかも、何のために?



「ま、真相は今はわかんねーけど、もしそうならアカネの悪夢も魔術具の影響の可能性はあるな」


「え?」


「歴代魔王の夢を見るなんてどう考えても作為的だろ。アカネの中にも何かの魔術具が仕込まれてる可能性はある」



思わずごくりと生唾を飲んだ。

私の高い魔力や悪夢はマリーに準じて身についているものだ。

マリーは昔、迷宮内にある謎の結晶に長年閉じ込められていたわけで、その時に実は魔王の魂みたいに体内に溶け込むような魔術具が仕込まれていたんだとしたら……



「あ、ありそう……」


「だろ。だとするとこの夢の順番も狙いがあるのか……もしくは何かきっかけがあったのか」


「え?」


「アカネはずっと歴代魔王の夢を見てただろ。四代目、三代目、二代目ときて、次は初代かと思ったら俺の夢を見た」


「うん」



ファリオンの夢を見たことは、いろいろ落ち着いたときに話してある。

一方的に知られているのは気持ち悪いのでは、と思って。



「で、そっからこの半年、ずっと魔王の夢は見てなかっただろ」


「……そういえばそうだね」



魔王の夢を見るのは不定期だったけど、確かに今回は結構間が空いていた。



「俺が初代魔王の記憶を持っていないように、アカネのその現象にもなんらかの制限がかかってるのかと思ってたんだけどな。違うのか……それともその制限が何らかの原因で解かれたか。最近何か変わったことはあったか?」


「変わったこと?」



うーん、と首を傾げる私の横で、ファリオンも口元に手を当てて思案気な顔をする。



「……そういえば、今日、ドロテーア嬢と二人で歩いてた時に何か無かったか?」


「え?」


「ヒナ吉が一瞬俺とコンタクトを取ろうとしたんだ。でもすぐに切れたから気のせいかと思ったんだが」



言われて思い出したのは、静電気事件のことだ。

前後のことを思い出しながら状況を説明すると、ファリオンは眉間にしわを寄せた。



「それは…十分おかしい話だよな?」


「そう?ちょっと静電気がバチってしただけだよ」


「ドロテーア嬢はアカネに触れてもいなかったんだろ。何かに触れたわけでもないのに急に静電気が来るか?」


「うーん。あ、そういえばドロテーアがかわった蝶を見たらしいから、蝶と触れた瞬間におきたのかも?」


「……蝶相手に静電気って起きるのか?」


「……それは、わかんないけど」



この世界でも元の世界でも、蝶と触れ合った事すらない人間だし。

というか静電気って結構強い電気らしいから、蝶死んじゃいそう……

でも確かにあれは静電気じゃなかったのかもしれない。

瞬間的な痛みだったから静電気だと思い込んでたけど、よく考えると表面から頭の奥にかけてまで痛んでいた気がする。

それって確かにちょっとおかしい、かも?



「でもその頭痛が起きたことの心当たりはないよ」


「……そうか。まぁ、考えすぎって可能性もあるしな。わかんねーこといつまでも考えてても仕方ねーか」



そう言いながらファリオンは私を抱きしめなおし、そのままゆっくりベッドに倒れこんだ。



「ちょ、ちょっと!?」


「ん?」


「ん?じゃなくて!」


「ああ、そっか」



合点がいったとばかりに頷いたファリオンは、ついばむように私の唇を奪う。



「おやすみのキスがまだだってことだよな?」


「違う!」



絶対わかってて言ってるよね、この人。



「それにしても毎日してるってのに、お前はいつまで経っても赤くなるな」


「うううううるさいな!」



元の世界から焦がれてきた相手で、しかも超が百個くらいつきそうなイケメンだ。

こうして甘やかすように髪を梳かれるだけでも『夢じゃないのか』と未だに頬をつねりたくなる。

キスなんてされたら尚更、心臓が暴れまわるに決まってる。



「もっと凄いこと散々してんだけどな」


「誤解受けそうないい方しないでよ!」


「俺とアカネしかいねーのに誰に誤解されるんだよ……」


「ろ、ロッテ?」


「ロッテは寝てるし、会話も漏れてねーだろ」



ヒナ吉のおかげで、ロッテの安眠は今日も守られているらしい。



「はー、俺はこんなに我慢してんのにアカネは冷たいよな」


「が、我慢してるの?これで?」



私を後ろからぎゅうぎゅう抱きしめるファリオンに、思わず首を傾げてしまう。

そりゃできちゃった婚はまずいってことで一線は越えてないにしても、私の貴族一般知識でいえば私はもう他の男性のところにお嫁にいけないレベルなんだけど。

しかし、私の発言は迂闊なものだったらしい。



「……へーえ。俺は我慢してないと。アカネはそう思ってんのか」


「あ、あっ。ごめん、ごめんなさい」


「結婚したら覚えてろ」



できればすぐに忘れたい。



「早く成人しろよ、アカネ」


「む、無茶言わないで……」



もう何度言われたかわからない言葉だ。

いくら魔王様でも年齢の改ざんはできないようで、最近無力感にさいなまれているらしい。

変な所で悩む魔王様である。

はぁ、という溜息が首筋に落とされて、びくりと体が震えた。



「とっとと他の男に手出しされねーようにしたいんだけどな」



私に手を出す男なんていない……と、二年前なら言うところだけど、仮にも複数の男性から想いを告げられたことがある身では流石にもう言っちゃいけないだろう。

とはいえ、だ。



「私とファリオンが婚約してることはもうみんな知ってるよ?」


「婚約じゃまだ何があるかわかんねーだろ」



いつだったかリードに言われたことを気にしてるんだろうか。

確かに婚約は破棄されることがあるけど、よっぽどのことがない限りそんなことにはならない。



「学園でも気が抜けねーし。卒業した後が不安だ」


「リードも本気でやってるわけじゃないから大丈夫だよ」



ファリオンの不安の種といえばリードだろう。

確かに卒業したらファリオンの目は届かなくなる。

とはいえもうリードは本気で私にちょっかいを出そうとしているわけじゃない気がするんだよね。

ファリオンの前で手を出すのはファリオンの反応を楽しんでるようにも見えるし。

二人の時に手を出そうとするのも私をからかっているだけだろう。



「そんなんだから心配なんだよ」


「そんなんって……」


「言っとくけどな。俺が警戒してんのはリードだけじゃねーぞ」


「え、そうなの?」



それは予想外。



「妙な派閥のせいですっかり有名になっただろ、俺ら」


「そうだね」



まったく嬉しくないけれど。



「お前のこと気にしてる男は結構いるぞ」


「いるかなぁ?」



ファリオンやリードを見てキャーキャー言ってる女子なら見るけど。



「学園は年下が多いからそこまでじゃねーけど。夜会では結構話題に上がる」


「ああ、夜会ね……」



王都に戻ってきてから、ばたばたしていたこともあって私は一度も舞踏会に出ていない。

しかし、ヴォルシュ家再興の為に本格的に動き出したファリオンは、人脈構築のために男性ばかりが集まる夜会には顔を出していた。

その男性間では話題に上がると。

とはいえ……



「あんまりいいこと言われないと思ってるんだけど……?」



話題に上がるのはファリオンやリードとセット。

この二人に比べて自分が見劣りする自覚はある。



「まぁ、そういうこと言うやつもいるけど」



サクリと言葉が頭に刺さった。

ですよねー。



「でも、好意的なやつもいるんだよ」


「へぇ、なんて?」



その内容を聞いて少しでも傷ついた心を癒したい。

しかし、声を明るくして振り返った私に反して、ファリオンはむすっとしていた。



「……いわねーよ」


「ええ、何で!?」


「自分で考えろ」


「分かんないよ、ファリオンから話振ったくせに!」


「なら聞くけどな」



ぐいっと体を起こしてファリオンが私の顔を覗き込む。



「アカネは、俺が他の女からの褒め言葉聞いて喜んでるところ見たいか?」



その問いに、視線が泳ぐ。



「えっと……」


「……」


「もしかしてやきもち焼いた?」


「わざわざ聞くな」



怒られた。

だけど私の肩口に顔を埋めてしまった様子を見るに図星なんだろう。

この婚約者様はやきもち焼きだから。

でもそれすら可愛いと感じてしまうんだから私も大概ファリオンに弱い。

そしてうっかり『可愛い』とそのまま口からこぼしてしまった私は、しばらく口を塞がれて後悔する羽目になった。

いつもご覧いただき有難うございます。

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