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魔王の隣で勇者を想う  作者: 遠山京
第二部 第一章 令嬢と精霊

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登場人物紹介(第一部のネタバレ含む)

第二部開始時点の人物紹介です。

第一部までのネタバレがありますのでご注意ください。

一部、以前の登場人物紹介と同じ文面もあります。

長いので、『これ誰だっけ?』と思ったときに読むくらいでいいと思います。

■主な登場人物■


□アカネ・スターチス

 十五歳。

 元オタク女子高生で夢女子属性。

 性格は明るい方だが、コミュニケーション能力に自信があるわけでもない。

 暗記するレベルで『ホワイト・クロニクル』という小説が好き。

 中学でいじめられていた頃、ファリオンのセリフに励まされたことから夢女子へ。

 学校で陰口を言われると動けなくなるなど、トラウマを引きずっている。

 マリエルと同じ能力を持ったため、常人ではありえない高魔力持ち。

 一週間から十日に一度、酷い悪夢を見る。

 運動神経はあまり良くなく、頭が切れる方でもない。

 しかし素直で行動的。動かず後悔するよりは動いて後悔する方がマシ派。

 本の魔女の影響により周囲の目を引くようになっているが、美化されるわけではない。

 ついに憧れのファリオンと想いが通じて婚約者になるも、いまひとつ実感がわいていない。



□ファリオン・ヴォルシュ(元リード)

 十六歳。

 未来の魔王であり、アカネの婚約者。


 <原作>

 主人公であり、勇者。

 熱い性格で正義感が強く、困っている人間を見ると放っておけない性質。

 言動は粗野だが元貴族だけあって振る舞いには優雅さがある。

 両親と死別後、シルバーウルフ盗賊団に所属。

 任務中に魔物に襲われているところを英雄ベオトラに助けられて改心し、冒険者に転身する。

 旅先で見かけたマリエルが気になり、何かと構うようになる。

 シャルロッテ王女の誘拐現場を目撃してそこを救出し、名誉騎士の称号を得る。

 さらに聖剣を抜けることが発覚。

 新たな勇者に任命され、同時期に発覚した五代目魔王の討伐に向かう。

 

 <現在>

 未来の魔王。

 ヴォルシュ伯爵の跡取り息子だったが、

 アーべライン侯爵がヴォルシュ家を襲ったことをきっかけに人生が激変。

 絶望していた時に魔王の魂に出会い、別人となることを望み、ヴィンリードに成り代わっていた。

 奴隷商に居たところをアカネが見つけ、スターチス家に引き取られた。

 危なっかしいアカネに次第にひかれていき、今は本当の姿に戻ってアカネと婚約、箍が外れたように溺愛している。

 現在はアドルフの下、ヴォルシュ家再興の為に勉強中。

 魔王の魂を受け入れてはいるが、半覚醒状態。

 魔術を使用すると魔王の魂に飲まれて完全覚醒しそうになる。

 アカネの魔力を流し込んでもらえば収まる。

 実質、アカネがいないところでは魔術を使えない。

 初代を除き、歴代魔王の記憶を一部受け継いでいる。

 頭はいいが、感情的なところがあるせいかちょっと迂闊なところがある様子。



□ヴィンリード・スターチス(元ファリオン、ヴァン)(リード)

 十六歳。

 アカネの義兄。


 <原作>

 歴代最恐の狡猾な魔王。

 両親の商隊が魔物に襲われ、弟のヴェルナーと二人生き延びる。

 その後奴隷商に捕まり、酷い仕打ちを受けた末にヴェルナーが死亡し、絶望から魔王化する。

 最後は勇者ファリオンに打ち倒される悪役。


 <現在>

 メアステラ家という王室御用達にまでなった商家の息子だったが、

 キャラバンが魔物に襲われて壊滅。

 弟と二人生き延びたところをシルバーウルフ盗賊団に拾われた。

 その後まもなく、ファリオンが魔王の魂に願った影響で姿をファリオンのものに変え、

 記憶も失っていたが、現在は和解して元に戻っている。

 シルバーウルフに籍を置いたまま、兄弟そろってスターチス家に引き取られる形で落ち着いた。

 首領からは息子のように可愛がられており、本人も父として慕っている。

 元の姿に戻るため、さらにシルバーウルフとしての任務の為にアカネに近づいたが、

 その過程でアカネに惹かれていく。

 アカネとファリオンの想いが通じ合ったことで諦めるかと思いきや、二人の邪魔を宣言した。



□ヴェルナー・スターチス(ヴェル)

 十四歳。

 ヴィンリードの弟で、アカネの義弟。


 <原作>

 両親と死別後、衰弱していたところを奴隷商に乱暴に扱われて死亡。

 ヴィンリードが魔王となるきっかけにもなった。

 

 <現在>

 生意気でひねくれた言動が多いが、根っこは純粋。

 兄であるヴィンリードのことを尊敬しているお兄ちゃん子。

 中身が変わっても一時アニキと慕っていたファリオンのことも他人とは思えないようでそれなりに仲がいい。

 アカネのことはいまだに変な女認識であり、姉としての敬意は一切持っていないが情はある様子。

 シルバーウルフ盗賊団首領にもひと際懐いていて、家族愛が強いタイプ。

 旅先で見かけたクラウディアに一目ぼれ。

 隠遁状態とはいえ王妹である彼女に近づくべく、慣れない貴族の世界へ飛び込む決意をした。



□シェディオン・スターチス(シェド)

 二十一歳。

 アカネの義兄。スターチス男爵。カッセード領主。

 強面だが心根の優しい青年。

 若くして男爵の地位を継ぎ、危うい状態だったカッセードを整えた実力者であり、領民からも慕われている。

 現在は王国騎士団で騎士として活躍中。

 幼いころ、アカネの言葉に励まされたことをきっかけに想いを寄せていたが、

 アカネがファリオンと結ばれたことをきっかけに未練を断ち切り、いいお兄ちゃんとして二人を見守っている。



□アドルフ・ベルブルク

 十九歳。

 次期ベルブルク公爵。

 次期公爵として幼いころから研鑽を積んできた文武両道、容姿端麗を地で行く貴公子。

 実力に裏打ちされたプライドは高いが、他者を気遣うことも忘れない。

 過去にアンナ・フランドルと婚約していたが、フランドル侯爵が裏で行っていることを知り、婚約破棄することになった。

 アカネの元彼であり、本人はアカネに本気だったようだが今は吹っ切れている。

 ヴォルシュ家の唯一の生き残りとなったファリオンを支えるべく後見人として立ち、アカネとファリオンの婚約を後押しした人物でもある。



□シャルロッテ・カデュケート(ロッテ)

 十五歳。

 国王の娘。

 唯一の娘のため溺愛されている、世間知らずの王女様。

 思い込みが激しく情熱的。


 <原作>

 誘拐されそうになったところをファリオンに救出され、それ以来彼に恋をする。

 なんとかファリオンを手に入れるべく悪どいことにも手を染めてしまう。

 その過程で情報屋のエルマンと出会い、彼にマリエルとファリオンの仲を邪魔させていた。


 <現在>

 誘拐されそうになったところを救ってくれたアカネとファリオンに心酔している。

 頭はあまりよくなく直情的ではあるが、素直で純粋。

 王族としての誇りはしっかり持っている。

 ファリオンが元の姿に戻った後にも外見に惑わされず本人であることを見抜くなど、

 野生児じみた才能が開花しつつある。

 勘違いしやすい性格と妙な行動力のせいで周囲を振り回し気味。



□ドロテーア・メンフィス

 十四歳。

 メンフィス男爵家の娘。

 貧しい家のために教育を受けられず、学園に入って必死に勉強している。

 要領がいいため人間関係も勉学もそつなくこなし、すっかり優等生になった。

 跡取りの兄が頼りないので立派な旦那さんを見つけ、家を支えなくてはと考えているしっかり者。

 騎士オタクで、男爵家の令嬢にあるまじき情報網で騎士の事情に精通している。

 化粧映えするがスッピンは地味という己の容姿がコンプレックスだったが、

 アカネに言われて卒業パーティーで勝負をかけようと考えている。



□ダニエル

 十四歳。

 アドルフがファリオンを監視するために学園に潜り込ませたスパイ。

 田舎っぽさを出すためにわざと訛っていたが、ファリオンから『わざとらしすぎる』と指摘をうけたアドルフが撤回命令を出した。

 いつの間にかロッテのストッパー役となってしまい、日々苦労している。



□エルヴィン・フランドル

 三十六歳。

 二十歳の若さでフランドル侯爵を継いだ男。

 頭が切れる真面目な男だったはずが、魔王振興のカルト教団『解放教』の教祖であり、

 人道に悖る実験や王族の誘拐事件などを起こした犯罪人であることが発覚。

 王家やベルブルク家が身柄を捉えるために動いているが、それを察知したかのように姿をくらました。



□アンナ・フランドル

 十六歳。

 エルヴィンの年の離れた妹。

 もともと人見知りする気弱な性格だったが、ベルブルク家から婚約破棄されて以降、社交界にもでなくなってしまった。

 アカネと会ったのは、アカネが来ると聞いて思い切って久々に参加したお茶会だった。

 その後、アカネのおかげで舞踏会にも出席し、その場でアドルフと和解する。

 兄がよからぬことをしているのではと薄々勘付いていた。

 今は兄の捜索に協力しつつ、再び社交界から距離を置いている。



□コゼット・パラディア

 二十五歳。

 アカネの実姉であり、パラディア王国第三王子の妻。

 いろいろあってアカネを溺愛している。

 しかし愛情表現はうまくなく、行き過ぎた溺愛行動をとりながらも本人にはそっけないというストーカーツンデレ状態だったが、

 これまたなんやかんやあってアカネにも普通に接するようになってきた。

 しかしストーカー行動が鳴りを潜めたわけではなく、メイドを通じた行動監視や衣類収集は健在。

 アカネがこれまで身に着けてきた衣服や小物は、コゼット派のメイドによりパラディア王室まで送り届けられている。

 すべてがアカネの成長の証なので、捨てるなんてとんでもない!と考えている。

 アカネはその事実をすべて知っているが、実害もないのでもはや諦め気味。



□クラウス・カデュケート(カルバン)

 国王とフェミーナの弟。クラウディアの双子の兄。

 アカネにとっては叔父にあたる。

 十五歳の時、解放教によってクラウディアと共に誘拐される。

 解放教のメンバーが仲間割れをして揉めている隙に逃げ出すも、野盗に襲われクラウディアを連れ去られてしまう。

 王宮に戻ればクラウディアを自らの手で探せないと判断し、姿を変えて冒険者になった。

 正体がばれることを恐れて王都に近寄らないまま活動を続ける中、魔術の才能が開花しA級冒険者まで上り詰める。

 冒険者仲間から『フェミーナ・スターチスが人を探している』との噂を聞き、セルイラ領内に拠点を構えて近づく隙を窺っていた。

 道具に魔術を付与し、魔術具を作るのも得意。

 自ら作った魔術具を駆使してクラウディアの行方をつきとめた。



□クラウディア・カデュケート(デイジー)

 クラウスの双子の妹。

 ベルナルアの血を引いており、巫女として覚醒している。

 野盗によってクラウスと引き離された後、娼館に売られた。

 リードにとっては行き倒れているところを助けてくれた恩人。

 シルバーウルフによって娼館から救出され、ベルブルク家の下で保護されていた。

 誘拐以降の経験から心に傷を負っており、さらに巫女の性質も強く出るようになっていることから王室に戻ることを拒否。

 ずっと世話をしてくれていたセシルを慕っており、今も彼女の世話になっている。



□ベオトラ

 三代目魔王と四代目魔王を討伐した勇者。

 元は王国騎士団長で、冗談半分で聖剣を握ったら抜けてしまった。

 魔王がいない今は冒険者として活動中。

 性根は遊び好きで、ただれた生活をする為にとっとと聖剣を手放したい。(流石に勇者がそれをしちゃまずいという良心はある)

 その為、勇者と呼ばれるのを嫌い、民衆からは『英雄ベオトラ』と呼ばれている。

 いい加減な所もあるが正義感は強く、弱い者に優しい。

 後継者が決まらない限り聖剣を手放せないところにもその性格が表れている。


 <原作>

 ファリオンの危機を救い、改心させた人。

 盗賊に聖剣を触らせるわけにはいかずその時には試せなかったが、後にファリオンが抜けることを知り、『その時点で抜かせておけば…!』と後悔したとか。


 <現在>

 三代目魔王討伐時にたまたまマリエル救出に至ったが、顔を合わせたことは無かった。

 救出から十年以上経ち、王都の冒険者ギルドで偶然マリエルと顔を合わせたが、塩対応されてへこんだ。

 聖剣の後継者も見つかっていない為、フラストレーションが溜まっている。



□マリエル・アルガント

 S級冒険者。伝説の人。奇跡の少女。魔女。

 元孤児で、姓は孤児院の院長のもの。

 新米冒険者だったころ、迷宮でパーティーメンバーに囮にされ、気付けば大きな結晶の中に閉じ込められていた。

 英雄ベオトラが三代目魔王を討伐した時の余波が結晶に届き、脱出できた。

 しかしいつの間にか強くなりすぎていた魔力の制御に苦労する羽目になる。

 さらに、人間不信やパニック障害、悪夢などにも悩まされていて、S級冒険者と認定された後もソロで活動を続けていた。


 <原作>

 冒険中に出会ったファリオンに懐かれ、つきまとわれる。

 鬱陶しく思いあしらっていたが、悪夢の時にも支えてくれるファリオンに次第に惹かれていった。


 <現在>

 シーフのエルマンにつきまとわれているが、何かと世話を焼いてくれる存在に感謝してもいる。

 自分と同じように高い魔力や悪夢に悩まされていると言うアカネのことを気にかけている。

 迷宮脱出以降、対等に扱ってくれる女の子があまりいなかった為、"マリー"という愛称で呼ばれたのもすごく嬉しかったらしい。



□エルマン

 元シルバーウルフ盗賊団。

 隠密能力に優れ、情報収集や交渉も得意。


 <原作>

 シルバーウルフではファリオンと仲が良く、ファリオンが脱退する際に自分も抜けた。

 シャルロッテに情報屋として雇われ、その延長で悪事の手伝いもすることに。

 金払いがいいから相手をしていただけなのだが、そのうち無茶をするシャルロッテを放っておけなくなってしまった。


 <現在>

 魔物に襲われているところをマリエルに助けられ、冒険者に転身した。

 恩人であるマリエルの後をついて回ってはフォローしている。




■その他の人々■


□アルディン・セルイラ・スターチス

 アカネの父。

 人が良く、出世に関心が無い。

 騙されやすい性格なのは事実だが、数々の借金を作っているのはフェミーナの為だった。

 うだつの上がらない演技もお手の物。

 なぜならほぼ地だからである。



□フェミーナ・スターチス

 アカネの母。

 元カッセード王国の王女。現国王の妹。

 十人の兄と十一人の姉、さらに年の離れた弟と妹(双子)がいる。

 十三年前に双子が行方不明になっており、行方を捜していた。

 情報を集める為、シルバーウルフを抜けた人間を探して使用人に登用したりしている。

 おかげでメイドが武闘派揃いに。

 本来頭が切れ、双子の行方を捜すため情報網を構築しているが、解放教やシルバーウルフの目を欺くべく、首の回らない領地の妻が金策の為に顔を広げているふりをしていた。

 目下の悩みはシルバーウルフの真実を知ってしまい、重責を背負う羽目になったこと。



□ティナ

 アラサー。

 アカネ付きのメイドその一。

 表情筋があまり仕事をしないが、メイドの仕事はできる。

 人の色恋話が好きなアラサーで、シェドアカ推し。

 身を引くシェドも切なくてイイとか考えているようだ。



□エレーナ

 アカネ付きのメイドその二。

 約五年前にスターチス家に雇い入れられ、アカネとは友人のような仲。

 現在二十歳……ということになっているが、実年齢は二十七歳。

 元シルバーウルフ所属で腕が立つ為、アカネの護衛も兼務している。

 ファリオンがリードだった時から二人の仲を応援していたが、

 本当のリードの腹黒さに心打たれて真のリドアカ同盟を継続中。

 ただし腐った扉が開いてしまっているので色んな推しがある。

 (同僚のアルノーとエドガーは迷惑しているようだ)



□カメリア

 スターチス家のメイド長。

 暴走しがちなティナとエレーナに手を焼く真面目な老女。



□ディアナ

 フェミーナの元侍女。

 王宮付きの侍女になれるだけの実力を持っている。

 物腰が柔らかく頭も切れる、ティナの先輩。

 シェドやアルディンがいない間、カッセードを切り盛りしていて、実態としては領主代理。



□ハイル(首領)

 シルバーウルフ盗賊団首領。

 本名はハイルフリート・フランドル。

 エルヴィンのきな臭い動きに気付いて窘めたところ、煙たがられて家を追い出された。

 外からエルヴィンの動きを探るべく、利の合致した国王と共謀して盗賊団を結成。

 今ではかなり大きな組織となっており、本人もすっかり盗賊団首領としての振る舞いが身についた。

 ヴィンリードとヴェルナーを実子のように可愛がっている。



□スチュアート・パラディア

 パラディア王国の第三王子。

 コゼットの容姿とミステリアスなところに一目ぼれ。

 素直になれないコゼットも可愛いと思っていたが、素直になったコゼットはもっと可愛いと思っている。

 アカネへのストーカー行為も『情熱的』と受け止めているようだ。

 すっかり夫婦仲がよくなり、もうじき第一子が生まれる予定。



□トルグスト・ヴォルシュ

 ヴォルシュ伯爵。ファリオンの父。四代目魔王。

 妻と子を守る為魔王になった。

 願いは妻と子をジーメンス家に送ること。

 勇者ベオトラに打ち倒される。



□アマーリエ・ヴォルシュ

 ファリオンの母。

 体が弱く、ジーメンス家で間もなく死去。



□カール・ヴォルシュ

 ヴォルシュ侯爵。ファリオンの伯父。

 アーベライン侯爵によって殺害された。

 論理的かつ効率を重視する冷静な人物。

 人情と根性を重んじるアーベライン侯爵とは考え方が相容れず、長年仲が悪かった。



□ダニエル・アーベライン

 最後のアーべライン侯爵。

 短気だが自ら前線に立って人々を守り、臣民に慕われる傑物だった。

 ヴォルシュ侯爵とは政敵ではあったが清廉な行いを心掛けていた。

 しかし、ある日人が変わったようになり、凶行に及ぶ。

 ヴォルシュ侯爵およびヴォルシュ伯爵の屋敷を襲撃した。

 人望があった為、その蛮行にも従う部下が多くいた。

 ヴォルシュ伯爵襲撃時に謎の爆発によって死亡。

 あまりに凶悪な事件を引き起こしたとして、一族は全員投獄もしくは流刑とされアーベライン家は断絶した。



□グラーフ・メアステラ

 ヴィンリードとヴェルナーの父。

 人が良く、誠実に商売をやって来た結果、周囲に助けられて王室御用達にまで成り上がった。

 ある日、商品の輸送中にキラーアント(大きな蟻型の魔物)の群れに襲われ、息子二人を残して妻と共に死亡。



□ウィレム・ベルブルク

 ベルブルク公爵。

 厳格そうな外見だが、寛大な人物で少し子供っぽい面もある。

 しかし、必要とあらば他者を切り捨てることも厭わない、高位貴族らしい切れ者。

 アルディンとは旧知の中で、全ての事情を知った上で協力してくれていた。



□レミエナ・ベルブルク

 ベルブルク公爵夫人。

 元は王妃の近衛も務めた女騎士。

 王妃をエスコートすることもあったため、振る舞いや言動が男性的で、アカネを無駄に誘惑している。

 アカネにえげつない護身術を授けてくれた人。



□エスナー・ベルブルク

 アドルフの弟。

 真面目でしっかり者。

 目上の人間にも物怖じせず意見を言えるタイプの少年。



□コリンナ・ベルブルク、コローナ・ベルブルク

 アドルフの妹(双子)。

 ベルナルアの巫女の力を継いでいて、常に夢を見ているような言動を繰り返す。

 その内容は時に予言をともない、隠された過去の謎を紐解くこともある。

 会話が全くできないわけではないが、不思議な返事が多いのでベテランのメイドでないと世話が困難。



□テオガルト・ジーメンス

 現当主で子爵。

 小心者で、極力争いごとを避けたいと考えている。

 アマーリエとファリオンを成り行き上仕方なく匿うが、ろくに世話をしなかった。

 アマーリエ亡き後、厄介ごとを恐れてファリオンを追い出してしまう。



□カデュケート国王

 フェミーナの兄であり、アカネの伯父。

 多くの弟達が居たため王位継承争いは壮絶だったが、それを勝ち抜いてきた傑物。

 息子が四人と、娘が一人いる。

 国王という立場ゆえにあまり会えていないが、フェミーナのこともその子供たちのことも大切に思っている。

 ロッテを溺愛しすぎて目が曇り気味。



□フェリクス・カデュケート

 第二王子。

 ナルシストで美しい物が好き。

 自分の美的センスに適わないものを嫌うわけではないが、自分は綺麗なものに囲まれていたい。

 癖のある人物だが人望はあり、常に取り巻きに囲まれている。

 エルヴィンの悪行の証拠をつかむべく留学の名目で国を出ていた。

 王城で見かけて以来、リードの姿をしたファリオンを気に入っており、

 彼が魔王であるとわかった時にも庇ってくれた一人。



□ベルテン

 シルバーウルフ盗賊団の暗殺集団をまとめる男。

 黒を白に変える掃除屋の別名を持ち、その暗殺技術は随一。

 しかし気に入った相手ほど殺したくなるという困った性分で、

 それゆえにシリウスには引き入れられていない。

 アカネを気に入って殺そうとしたこともあるが、レミエナ直伝の護身術により返り討ちにあう。

 同情したファリオンが介抱したことから、借りを作ったと感じているようだ。



□セシル

 シルバーウルフ盗賊団、シリウスの副長の一人。

 首領の命令でクラウディアを匿うことになったが、

 世話をしているうちに情がわき、今では娘のように大切にしている。

 表の顔としてはベルブルク家の領地であるロイエル領の領都で自治隊の隊長。

 表でも裏でも発言権の強い女傑。



□ジャン・ラシュレー

 パラディア王国の伯爵。

 己の容姿にコンプレックスを抱き、常に仮面をかぶっている変わった人物。

 ファリオンを奴隷として購入し、可愛がっていた。

 人と人の結びつきの中で一番強い関係が奴隷と主人だと信じている。

 美しいものをこよなく愛し、領地経営にも力を入れていなかったため暴動が起き、今ではすっかり没落貴族。

 ファリオンの為にデイジーという娼婦を探していたが、その流れでハイルと懇意になり、シルバーウルフに籍を置くことになった。

 ファリオンと再会し、ファリオンとアカネの結婚式を楽しみにしている。



□ローザ・ベネディクト

 王立研究所のマイスターという、研究職の権威の一人。

 専門は聖遺物で、自身も魔術具も多く生み出している。

 美少年を偏愛しており、過去のリードとファリオンもその対象だった。

 直接触れることはないものの執拗に追い回すため、多くの美少年にトラウマを植え付けている。

 どうやらファリオンはそれを除いても因縁がある様子。




■家、組織■


□カデュケート王家

世界大戦終結前から三百年以上続く歴史ある王国を治めている。

パラディア王家とは、コゼットの結婚を機に親しくしている。


□パラディア王家

カデュケート王国の東に位置する大国。

王族には必ず影武者が付き、姿を入れ替える指輪の魔術具が使われている。

その上位版である影写しの魔術書というものもあり、ファリオンとヴィンリードの入れ替わりにはこれが使われていた。

奴隷制度が今も残っている。


□スターチス家

男爵、伯爵の二つの爵位を持つ。

祖先は初代魔王討伐勇者の仲間。

領地はカッセードとセルイラ。


□ヴォルシュ家

ファリオンの生家。

侯爵と伯爵の二つの爵位を持ち、フランドル家と並ぶ強大な権力を持つ家。

ファリオン父は分家として伯爵を名乗っていた。

アーベライン侯爵の一件以来、家が断絶していたが、ファリオンが再興を目指している。


□ベルブルク家

公爵家。

現在のロイエル領にもともと住んでいたベルナルア族の血筋。

世界大戦の折にカデュケートが攻め入るも戦況は膠着し、和平の代わりに用意されたのが公爵位である。

発言権が強く、国王とならぶ権力者。

私兵が多く、他国との関係も強固なため、その気になれば国家転覆を図れるとも言われるが、共にこの国を守ると言う盟約を守り続けている。

ベルブルク家の人間は、男女問わず生まれ持って騎士爵を持つ。


□フランドル家

侯爵を持つ。

ヴォルシュ家と並び、強大な権力を持っている。

建国当初からの家の一つ。

しかし、現在は当代であるエルヴィンの行いが知れ渡り、危うい立場に。


□ジーメンス家

ファリオンの母の生家。子爵家。

ファリオン父が、アーベライン侯爵の手から逃すために息子と妻を送った先でもある。


□メアステラ家

一代で大きくなった商家。

王室御用達でもあった。

メアステラ商会は、会長であるグラーフ・メアステラの死亡により他の商会に吸収されてしまった。


□アーベライン家

最後のアーべライン侯爵の蛮行により家は断絶している。


□シルバーウルフ盗賊団

カデュケート王国最大の盗賊団。

王国の暗部を担う巨大組織であり、その性質上、首領が不要な殺生、略奪を禁じている。

しかし末端の人間にまでは浸透しておらず、道を外れた行動に至る者も。

ならず者の受け皿となっている側面もある。

盗賊団の本当の目的を知り、首領の命令で動く部隊は『シリウス』と呼ばれており、精鋭が集まっている。


□カデュケート王立学園

王国が運営する学校で、貴族の入学費用は貴族に課されている税で賄われている。

平民が入学するには高い入学金を支払うか、特待生として迎えられるだけの学力を有している必要がある。


□ラカティ連合国

海を越えた南大陸にある国々が集まった連合国。

ケモミミ種族やエルフ、ドワーフなどのファンタジーな種族はほとんどこの地域に集まっている。

閉鎖的なため他国との国交があまりなく、時折形式上の使者が来る程度。

来るもの拒まず去る者許さずと言われている国で、その実態はあまり知られていない。

年齢とかは計算ミスってる可能性もあるので参考程度にご覧ください。

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