表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/141

第2章 熱砂の要塞 Act4 再臨 Part3

挿絵(By みてみん)


オスマン内部に蔓延る反逆者達を包囲するミーク王女達。


それは、平和への一歩なのか?

「抵抗する者は容赦はしない。この場で射殺するぞ!降伏し、投稿せよ!」


指揮官が立て籠もる者に告げる。


「出て来い!さもなくば・・・砲撃を加えてやるぞ!」


政庁を囲む軍から数両の戦車が前に出て来た。


「最早、クーデターは潰えたのだ。命を粗末にするな!

 兵に告ぐ。お前達は上官の命に従ったまでだ。

 罪は問われない、速やかに投降せよ!」


拡声器で、投降を呼びかける声が響く。

同胞相搏つ内戦にも、遂に終わりを告げる時が訪れた。


反乱を首謀した者達は、その部下により身柄を拘束され、

武装解除され、親衛隊により裁判に懸けられる事となる。


「やったねチアキ!

 これでもう反抗勢力は潰えたんだ。

 政治を取り戻せるんだ」


シャルが手を叩いて喜ぶ。


「うん!ミーク様やシャルの元に、平和が還って来るんだね。

 やっと内乱も終えられる目途がたったね」


そう言ったチアキの表情が少し陰った。


「そう・・・後はこの国が平和を取り戻せるかが問題。

 部族とどう交渉するのかが平和を取り戻せるかを左右する・・・だけだ」


シャルが少し不安げに口を噤む。


「一つ間違えれば・・・また、同じ事の繰り返しになる・・・そう言いたいんだねシャル」


黙って頷いたシャルに、


「ラル王女様が元に戻られたら・・・その時こそ交渉が成り立つ。

 そう思っているんだね・・・シャル」


そっと手を握って慰めた。


「うん・・・チアキ。

 だけどその時が何時来るのか・・・解らないもの。

 ボク達がラル姉様の分までしっかりしないと・・・国が乱れてしまうもの」


王女シャルはチアキに心つもりを話したが。

チアキはシャルの手が震えているのを感じ取る。


ーシャル・・・恐いんだね。

 国を預かるという大任が。

 国を治める王としての責任がー


俯き加減にチアキを見るその瞳が、心の不安を物語っている。


ーここはシャルを元気付けないと・・・-


チアキは何かシャルを元気付ける様な話はないかと考える。


ーう~ん、そうだなぁ。何かトッテオキのご褒美でもあげるとか・・・犬じゃあるまいし。

 そんなの・・・駄目だよねー


何も思いつかない。


ーあああっ。私ってホント、駄目な娘だなぁ。

 友達を元気付ける事も出来ないなんて・・・-


自分が情けなくなってくる。


ーあああっ。なんだか・・・こっちまで落ち込んできた・・・-


シャルに続いてチアキまで暗い顔になってくる。


「あ・・・あの、チアキ?

 何をそんなに暗い顔をしているの?

 そんな顔されたら、こっちが落ち込めないじゃない

 ・・・ホント<損な娘>だねチアキって」


くすっとシャルが笑う。


ーあ。シャルが笑ったー


「あ~あっ、チアキを見てたら、自分が落ち込んでいるのが馬鹿らしくなってきた。

 だって、チアキは凄い運命を背負っているんだモノね。

 ボクなんかとは比較にならない位、大変な宿命を背負ってしまったんだ・・・ものね」


にっこり微笑むシャルに言われて、チアキがはっとする。


ーそうだ、私はシャルだけではなく、

  この国全ての人を闇から護らなくっちゃいけないんだった!-


改めて自分が<闇を祓う者、剣聖>となったと自覚して、


ーあああ・・・そうだった!

 一人で闇の者から護らなくっちゃいけないんだった!-


気付いて更に落ち込んだ。


「・・・チアキ。今更もう遅いよ」


呆れたシャルが、ジト目でチアキを観た。





「どうやら、ミーク王女達は作戦を無事に終えたようだ。さて・・・」


マジカは腰に手を置いて、周りの者を見回し、


「それでは、奴等と決戦といかなければならないが。

 こちらの兵力と<魔女兵団>との戦力は、どうなっている?」


作戦地図に眼を向ける。


「はい、我々が遭遇した重戦車隊ですが。

 ロッソアの新車両JS-2、

 そして更に新型JS-3が主力の部隊が、最も手強いとみられます。

 その他の部隊については、我が方の戦力で十分太刀打ち出来ます」


ミリアが車両関係の戦力比を報告する。


「数ですが総数およそ200両って処ですかね。

 こちらの30両とでは話にもなりませんが。

 幸いな事に手強い車種は、そう多くは居ないと思います」


マモルが補足した。


「ふむ。そうすると作戦自体は、待ち構えて各個撃破を目指すのが妥当だろうな」


顎に手を添え考えるマジカが想定する。


「はあ、まあ。・・・そうでしょうね」


何かを閃いたのか、ラミルがもう一度ミリア達に尋ねる。


「一つ訊きたいのだが。

 闘う度に敵は新型車を投入してきたと聞いたけど。

 だとしたら奴等の本拠を叩かない限り、どうどう巡りにはならないのか?」


「と、いうと?」


マジカが聴き返す。


「はい、つまり私が言いたいのは。

 奴等がどんな手品を使っているのか解りませんが、

 戦力を失う度に新型車両を補給してくる。

 その繰り返しになってしまわないのかと。

 一気に敵の本拠を叩いて、補給路を断ってしまわなければ、

 同じ事の繰り返しになりはしないか・・・と。そういう事です」


ラミルの意見はあながち間違いとは言い切れなかった。


「確かに・・・そうですね」


マモルが頷く。


「しかし・・・敵の本拠と言っても。どこにあるのか」


ミリアが困った様に言い返す。


「その事なら、ご心配なく。案内人が居ますから」


突然、アンネが口を挟んでくる。


「アンネ?・・・そうか!」


マモルが気付いた。


「マモル君・・・何を?」


皆がマモルとアンネを見詰める中、


「忘れちゃいませんか、あの重戦車の事を」


マモルがニヤリと笑って、皆に知らせた。


「アンネが連れて来てくれた魔鋼騎JS-3ですよ!」


「なるほど!あの中にはまだ解放された魂が、そのまま乗っているんだったな!」


ミリアが気付いて手を叩く。


「そうです、あのJS-3に自分が何処で魂を閉じ込められたのか訊けばいいのです。

 多分そこが敵の本拠。少なくとも補給元でしょうから」


アンネの答えに作戦方針は決まる。


「決まったな。

 <魔女兵団>の息の根を止める方法が」


「ええ、後は<聖騎士>ミハルセンパイが戻ってくれば、作戦発動ですね」


ミリアが実戦部隊の長として、ミハルを求める。


「そうだ。

 この作戦はミハル抜きでは考えられない。

 彼女の力がどうしても必要なんだ」


マジカの言葉に、全員が頷いた。

作戦も決まった事だし・・・

後はセンパイが帰ってくれば。


あ~っ、早く先輩の胸の中に飛び込みたぁ~い。


あ?私?

ミリアだけど・・・何か?


次回 再臨 Part4

君は連れ立って歩き出す・・・本当はついて来て欲しくはないのだが・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ