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第1章 New Hope(新たなる希望)Act15狙われる魂 Part1

挿絵(By みてみん)


<闇騎士リン>が去った後。


残された者達が話し合う。

「奴が<闇騎士>となったのは、フェアリアで邪な者に捕らえられてからだ」


金髪の大使が答えた。


「邪な司祭クワイガンの手に堕ちたのは、もう2ヶ月前のことだ」


碧い目を3人に向ける大使マジカは唇を噛み締める。


「マジカ大使・・・2ヶ月前というと。

 ちょうどラル姉様が原因不明の病に冒された頃です」


シャルがマジカを見て教えた。


「そう・・・シャルレットの言う通り。

 ラル姉はその時から意識が戻らないのです大使」


ミークも付け足して、


「あの魔女・・・<闇騎士>が現れた時からずっと・・・」


伏せ目がちに答えた。


「ああ・・・話は大使館員から聞いたよ・・・王女殿下。

 この地に奴が来たことで不穏な風が一気に吹き出した様だな。

 奴・・・クワイガンがこの地へ来た事で」


鋭い瞳を2人の王女に付き従うチアキに向けて、マジカは近寄る。


「あなたが チアキ・マーブル ね」


名を訊かれたチアキが姿勢を正して頷く。


「はい、大使閣下。チアキ・マーブル一等兵です。警護官の成りをしておりますが」


自分がフェアリア皇国軍人である事を告げると、


「どうして私の名を?」


金髪のマジカ大使に尋ねる。


「あなたの事はミハルからの電報に綴られてあったわ。

 なんでも素質の高い魔法使いらしいわね」


上から下まで仔細に見つめられたチアキは、身体を固くして答える。


「ミハル分隊長が?私の事を?」


チアキが身体を固くして答えているのを知ると、見詰めるのを止めたマジカが、


「ええ。まだちからの使い方も知らない駆け出しの魔法使いだから。

 要注意しておいて欲しいって・・・ね」


チアキの顔を観て、瞳を和らげる。


「はあ・・・要注意ですか・・・」


残念な言葉を告げられ、落胆したチアキに、


「お言葉ですが、マジカ大使。

 チアキは今、伝説の魔法使い並の魔法を使って魔獣鬼を倒してくれた処なのです。

 要注意だなんて・・・心外です」


シャルがチアキを庇って、マジカに反論する。


「シャル・・・半人前なのは本島だから・・・」


慌ててチアキがムキになって反論するシャルを停める。


「あーっはっはっはっ!シャルレット殿下は素直なのですね。

 私が言った要注意とは、別の意味なのですよ」


シャルの真剣な瞳を見てマジカが笑い、言葉の意味を2人に教える。


「私が言った要注意と言うのは、チアキ自身の力に対してではなく、

 その魂を奴等が狙ってくる事に対してですよ殿下」


マジカが教えたのはチアキの身を案じての言葉だった。


「私の身を・・・ですか?」


チアキがマジカを見て訊く。


「そう・・・あなたの魂を邪な者が奪い取ろうとしてくるのを護らねばならない。

 そして第1王女ラル姫の魂を奪い返さねばならない」


マジカはチアキと2人の王女に、自分がこの国へ来た本当の理由を教える。


「私はフェアリアでリンが派遣隊と共に還って来ると信じて待つつもりだった。

 だけど知ってしまったの。

 リンが<闇騎士>となり、数多の魂を奪っている事を。

 闇に堕ちた友が絶大な力を持ち、悪行を繰り返している事を・・・」


マジカは窓に振り向き、月の光を見上げて話す。


「<闇騎士>・・・リンは私の掛け替え様もない友だった。

 いいえ、友よりも、もっと深く繋がった絆で結ばれていたの。

 戦いの中で何度も命を助け合った・・・掛け替えも無い大切な人だった・・・

 その友が闇の中で苦しんでいると思ったから・・・この地へ私は来たの」


マジカは3人に振り返る。

その瞳は、決意を秘めた強い輝きを月光の元、放っていた。


「マジカ大使・・・」


シャルが声を詰まらす。


「でも今、解ったの・・・もう・・・友は居ないと。

 今この地に居る<闇騎士>はリンなんかじゃない。

 居るのは魔王に魂を奪われた邪なる者<闇騎士>。

 私達人類の敵・・・悪魔イブリスの寄り代となった娘」


マジカは手を握り締め、最期にこう付け足した。


「私とその仲間達の手で、必ずリンを滅ぼしてみせるわ・・・必ず」


そう言ったマジカは3人の娘を残して広間から出て行く。


「マジカ大使・・・」


シャルが先程の無礼を詫びようと声をかけるが、マジカの足は停まらなかった。

と、その足を急に停めたマジカが振り返りもせず、一言残した。


「チアキ・・・あなたは今から闇の者に狙われる事となる。

 気をつけなさい。

 闇はいつどこで待ち受けているか判らないから」


そう言うと片手を上げて3人に別れを告げて再び歩き出した。


「私が闇に狙われる?なぜです?」


チアキはマジカの背に問い掛けたが、その背中は直ぐに見えなくなった。


「チアキ・・・マジカ大使が仰られた通り、気をつけるんだぞ」


ミークがマジカを見送った後に注意をうながしてくる。


「そうだよチアキ<魔女兵団>を思い出して。

 きっと魂を奪われた魔法使いみたいに、戦車へ閉じ込められちゃうよ」


シャルがチアキの身を案じてミークと同様に忠告してきた。


「うん・・・気をつけます」


そう答えたチアキは、ミークやシャルの言った魂を狙われる意味にどこか引っ掛かるモノがあった。


ーマジカ大使の言った事を思うと・・・

 もっと別な意味があるのではないかな。

 魂を奪って戦車に閉じ込めるのではなく・・・

 もっと重要な事が隠されているのでは?-


マジカが出て行った扉を観て、チアキは考える。



その時、チアキにはまだマジカが心配した本当の意味を知りはしなかった。

マジカ大使が忠告を残して去って行かれた後。


私はもっと大事な事が隠されているのかと考えていたのです。


そう・・・もう一人。


私より強い魔法力を持った人が

今、一体どうされているのだろうかと。


次回 狙われる魂 Part2


君は闇と闘う友を想う・・・その身に何か良からぬ事が起きたのかと。

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