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第1章 New Hope(新たなる希望)Act14闇に堕ちし友 Part5

フェアリア大使マジカは<闇騎士リン>の攻撃を弾き返す。


信じられない防御力に観たもの全てが度肝を抜かれる・・・

「・・・・お前など知らん」


・・・・。


魔女がきっぱりと言い切った。


「 は ? 」


マジカと3人の娘が口を開けて眼を点にする。


「こんなふざけた魔法を使う奴なんて知らないと言ったのだ!」


魔法装甲板を背後から出して、見せびらかすマジカに魔女リンが付け加える。


「ふっ!そこまで忘れられているとは・・・。

 ならば、あなたを捕まえて思い出させるまで!」


びしっと指を魔女リンに向けて決め台詞を言ったマジカに。


「あの・・・その板を持っている手までキメポーズするのはどうかと・・・」


背後から出した全ての板を持つ手も、

リンに向けて指を立ているマジカにチアキは呟くと言うか呆れる。


「流石ですマジカ大使!」


チアキが呆れる横でミークがキラキラした瞳でマジカを見る。


「はあ・・・何なんだ・・・この2人?」


魔女とマジカを観て、シャルがため息を吐く。


「くっくっくっ、私を捕まえるだと?笑止!」


銃を構え直したリンが笑う。


「捕らえられるとでも思っているのか、魔法使い如きに私が!

 この<闇騎士リン>様が」


トリガーに指を掛けたリンがマジカを睨む。


「ええ、当然よ。リンなら簡単に捕える事が出来るもの。

 だって私はあなたの弱点を知っているから」


躊躇いも無くマジカがリンの瞳を睨み返して言い返す。


「私の弱点だと?そんなモノありはしないっ!」


一瞬動揺したリンが否定したが、


「ふふふっ、それを今から証明してあげるわ!闇に堕ちた友よ!」


再びビシッと指を差すマジカ。


ーいや、だから・・・緊迫感ないですって・・・-


チアキもシャルも数本の手で魔女リンを指す、マジカに呆れて声も出なかった。


「マジカ大使!カッコいいです!」


まあ、一人は別のようだが。


挿絵(By みてみん)



「ほざけ!私に友など居ない」


魔女リンが銃を撃つ。


  <バンッ>


しかし、光の弾は魔法装甲板に弾かれてします。


「無駄だと言ったでしょうリン!

 私はあなたを救いに来た魔法使い。

 いいえ、友の魂に導かれし者!」


マジカの手が魔女リンに差し出される。


「あなたの弱点・・・私には見えるのよ。あなたの中に宿る人が。

 私達と共に闘い、共に生きた友の魂が!」


差し出した手は、魔女リンの瞳に訴えかける。


「私の中に・・・嘘を言うな!」


リンが否定する。


「闇に堕ちし友よ。

 今、その魂を闇から解き放つ。我が友の名を知らしめて・・・

 <ランネ>の魂よ、友に光を与えよ!」


マジカが友の名を呼んだ時、魔女リンの黒き魂にある小さな穴に光が差す。


「うっ!」


その光は、リンの魂に語り掛ける。


「リン・・・リンカーベル・ユーキ。

 あなたは私を忘れては居ない。だって私はあなたと共にあるのだから・・・」


魂の中に直接語り掛ける優しい声。


「だっ、誰だ!私は貴様なんか知らないっ!」


抗う黒い魂は、その声に叫ぶ。


「リン・・・私はいつもあなたと一緒に居るから。

 そう言った筈だよ私は。

 あなたとマジカを護る為に死ぬ時に・・・」


     <ビシッ>


黒い魂にひびが入る。


「う・・そ・・・だ。

 私は・・・私は貴様に護られた事なんてない・・・」


抗う魂は迷い戸惑う。


「リン・・・気付いた筈よ。

 私があなたの中に居る事を。

 それが事実・・・嘘偽りの無い本当の事なんだよ・・・リン」


     <ビシッ ビシッ>


小さな光は黒い闇を打ち破ろうと力を放ち続ける。


「うわ・・・うわあああぁっ!?」


絶叫をあげ、頭を掴む魔女リンの姿にマジカが言った。


「リン・・・もう闇から抜け出したらどうなの。

 ランネはずっと耐えていたのよ、あなたの中で。

 あなたが気付いてくれるのを・・・闇の力に負けたあなたを信じて!」


その瞳は友を想う悲しげな色に染まる。


「さあ!目覚めてリン。

 あなたの弱点はその迷う心。

 いつも優しいが故に戸惑い油断してしまう・・・

 そこを衝かれてしまうのが、あなたの弱点。

 今こそ勇気を振り絞って闇を打ち破るのよ!」


マジカが<闇騎士>と成り果てた友に求める。


「うっわあああぁっ!」


絶叫するリンは光を取り戻す事が出来るのか。




「んっ!?」


だがその時、マジカが気付いた。


「はっ!」


魔女リンから飛び退き、魔法装甲板でカバーする。


    <バンッ>


光の弾が装甲板で弾かれる。


「そうか・・・そう云う事なのね」


弾いた装甲板の後ろからマジカの声が漏れる。


「くっくっくっ!フェアリア大使マジカよ。

 今日の処は還るとする。

 だが、2人の王女とこの国はいづれ貰い受ける事となろう。

 ・・・我が主イブリスがな!」


<闇騎士リン>が銃を向けたまま告げた。


「魔王イブリス!リンから離れろっ、リンを返せ!」


マジカが悟った。

リンの魂は魔王に支配されているという事に。


「ふんっ、今更この娘から離れる気などない。

 我が契約主との誓いを果たすまではな!」


ハーフマントを翻した<闇騎士リン>が、窓から飛び立つのを見送り、マジカが呟く。


「そう・・・ならば。

 滅ぼすしか手はないのね・・・リン」


見上げる窓に消えていた月の光が現われ、マジカを照らしていた。

私達の前から<闇騎士>は消えていきました。


フェアリア大使のマジカさんは悲しそうに消えた影を追い求めているようでした。


そして私に言ったのです<自分自身の身を案じろ>・・・と。


次回 Act15 狙われる魂 Part1


君は教えられる・・・闇はどこで狙ってくるか解らないと・・・

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