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第1章 New Hope(新たなる希望)Act11剣と魔法 Part4

挿絵(By みてみん)


チアキの前に剣を構えるミークの姿が・・・


チアキは自らの力で戦おうとする、魔法の力で!

「どうした警護官!もう諦めたか!」


ミークが動きを停めたチアキに剣を向けて怒鳴った。


ーそっか。私はあの人に護り続けて貰っているんだ。

   此処にその姿は無くても・・・-


チアキは想った。

唯一人・・・憧れる人の事を。



「ならば、この剣の錆となれっ!」


ミーク王女の剣が叫びと共に閃く。


ーミハル分隊長、ありがとうございます -


瞳を閉じて、感謝の言葉を憧れ続ける人に述べたチアキの胸元でペンダントがひとりでに飛び出た。


      <ファサッ>


チアキの髪が碧く染まる。

ペンダントの輝きが強まっていく。


挿絵(By みてみん)



ー私は・・・私は守りたい。

 いいえ護らなくてはいけない。自分もそして大切な人をも -


チアキの想いが強まると同時に、ペンダントの輝きが変わる。


ーそう・・・私は私自身を変えたい。

 魔法を使える様になりたい。たった一つの願いを叶える為にも -


チアキの瞳が開かれる、願いを求めるかのように。

碧い髪、そして見開かれた瞳の色は碧く澄んでいた。


「!なにっ!?」


チアキの変化に気付いたミークの手が停まる。


「貴様っ!?キサマは!?」


驚きの表情でミークは叫び、

剣を振り下ろす事も忘れて目の前に居る少女の変化にたじろぎ目を見張った。


チアキは願い、そして命じる。

金色の光を放つ魔法石に。


「私の名はチアキ・マーブル。

 東の果てよりきたる魔法使いの末裔。

 私の魔法力を解放させて、魔法石!」


右手の魔法石が音と共に輝きを増す。


ーそなたの名を我がとする。そなたのちからは・・・なんぞ?-


魔法石がチアキに訊く。

躊躇ためらいも無くチアキは答える、その紋章に浮かぶ名を。


「私は<剣と盾>の紋章を受け継ぐ者。チアキ・アベノ・マーブル!」


       <パアアァッ>


魔法石が周りに光を放ち、チアキの姿が金色の光に包まれた。


「うわっ!何がっ?」


眩い光に眼を眩ませたミークの視界が遮られ、チアキを見失ってしまう。

その光が消えた跡にミークが見た者とは。


「そ・・・その姿は?その髪・・・その瞳の色は?」


・・・魔法使い・・・しかもその色は高位の証・・・


今、ミークの前に姿を晒した少女は、伝説に記されている魔法使いの姿と重なってみえた。


「真の魔法使い・・・いにしえの伝説に顕されている姿と同じ・・・」


ミークは剣を振り上げたまま、チアキを見詰めて呟いた。


     <シュウウウッ>


「私は諦めたりしないから。約束を果すその時まで 」


碧き瞳をミークに向けてペンダントを突き出すチアキを、

シャルも、周りの者も信じられない顔で観る。


「チアキって本当の魔法少女だったんだ!」


感極まるように呟くシャルの眼に、二人の闘う姿が写る。


「2人共、魔法使い・・・」


シャルと共に闘いを見詰める者達がざわめく。


「ええいっ、魔法使いだろうが私には勝てないからな!」


我に返ったミークが再び術を放とうと剣を掲げる。


「勝とうとか倒そうとか思っていません、ミーク姉姫様。

 あなたが認めてくれさえすれば良いのですから、私の事を!」


チアキの魔法力が揚がる。


「認めるだとっ!?

 私より強い者にしかシャルを渡す訳がないだろっ!認める訳がないだろうがっ!」


ミークがチアキを拒絶する。


「魔法使いだろうが私より弱い物にシャルを護れる筈がないだろうっ!

 認めて欲しくば私を倒してみろっ、私を降参させてみろっ!」


剣が叫びと共に頭上に掲げられ、

先程の烈風とは違い、一陣の斬波がミークの頭上で渦を巻く。


「私はシャルを守る約束を果したいだけ。

 解って貰えないのなら、闘います。喩えシャルのお姉様だとしても 」


碧き瞳でチアキがミークに告げた。


「うるさいっ!これで終わりだ警護官!」


チアキの警告を無視したミークが剣を振り下ろし、術を放った。

烈風が渦を巻きチアキに向かう。


ー魔法石、私を護って。今度こそ私の力で私自身を護り抜く為に!-


チアキはペンダントにちからを求める。

自らを護るすべを行使したいと。


ーチアキ<シャインウォール>と、唱えなさい -


聞覚えの在る声が、頭に届いた。


咄嗟にチアキが唱えながら右手に持ったペンダントを突き出す。


「シャイン・ウォール!」


斬波がチアキを襲う瞬間、それは発動した。


     <ビシャッ>


淡い碧き光が斬波を打ち消し去った。


「なんだとぉっ!」


ミークの驚声と周りの者の声が重なる。



光が消えた跡には何事も無かったかのようにチアキが立っていた。

その手を突き出したまま。


「これが・・・私の魔法?」


驚きはチアキも同じ。


「これが・・・盾のちから

 だとしたら・・・剣のちからは?」


ミークの放った攻撃を打ち破った力は、

果して攻める側ではどのような力を発揮するというのか。


「でも・・・出来る事ならミーク王女を傷付けたくはない。

 姉姫様を傷付ければ、きっとシャルが悲しむだろうから・・・」


チアキはミークに対して、どのような戦術で勝とうというのか?

魔法が発動したのです。


<盾>のちからが。


だとしたら・・・<剣>のちからとは、いったい?


ミーク王女の攻撃を食い止めることは出来た私は、


その方法を思いつきました、意外な一言に因って!


次回 剣と魔法 Part5


勝敗は意外な一言から決着を迎える・・・光の魔法が勝敗を決める!

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