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第1章 New Hope(新たなる希望)Act8潜む者の影 Part2

いよいよ・・・”チマキ”ターンが始まるのか。


・・・・。

胸アツだな。


挿絵(By みてみん)


「チアキ、ボク達はここに残って反乱分子を迎え撃つ。

 君はミハル隊長と共に後退して。」


シャルの声にやっと我に返ったチアキが、驚きの声を挙げる。


「そんな!シャルも私達と一緒に・・・。」


諦めきれず、シャルを掴もうとするのを参謀が引き止めて、


「殿下の決断が下されたのだ、フェアリア人。

 我々はここを死守する。」


決然と言い渡した。


「だって、さっきは後退を勧めていたのにっ。どうしてっ!」


チアキが参謀に言い返したが、シャルは参謀に命じる。


「チアキをフェアリア部隊まで送り返して。

 それから現有兵力をもって、敵を迎え撃つ準備に掛かって。」


参謀に命じたシャルがチアキに向けて最期に言ったのは・・・。


「チアキ・・・今度こそ。

 さよならを言わなくっちゃならないみたい・・・。ありがとう、そして・・・。」


微笑みさえ浮かべてチアキを見たシャルが、別れを告げようとした時。


「さよなら・・・なんて言わせない。

 私はシャルと約束したもの。必ずシャルを護るって!

 だから別れの言葉を言わせたりしないから!」


参謀の手を振り解き、シャルを抱締めたチアキが言った。


「チアキ!?」


強く抱締めたチアキが忽然と言う。


「シャルがここに残って闘うというのなら。

 私もここへ残る。そしてシャルを守り抜いてみせる!」


強く抱締められたシャルの瞳から大粒の涙が零れ落ちる。


「ありがとうチアキ。その言葉忘れない・・・ずっと。」


瞳を閉じてチアキの抱負に身を任せて頷いたが。


「でも、チアキはフェアリアの人だ。

 君をボク達の運命に巻き込む訳にはいかない。どうか判って・・・。」


突き放すように断わった。


「嫌だ!私はシャルを護る。私もここへ残る!」


首を振ってシャルから離れようとしなかった。



「そうか。

 そこまで王女殿下を護りたいのか。」


その声は抱締めるチアキの後から聞こえた。


「え!?」


シャルもチアキも、その声の主が微笑んで観ているのに気付く。


「分隊長!?」


「ミハル隊長さん!?」


二人の前に現れたフェアリア派遣隊分隊長が、

微笑を浮かべて、二人に手を挙げて応えた。


「どうしてここへ?」


あわてて姿勢を正し、シャルから離れたチアキが訊く。


「チアキ・・・護れる? あなた一人で王女を。」


逆にミハルに問われたチアキが言いよどむ。


「そ・・・それは。」


俯いたチアキが答えられずにいると。


「シャルレット王女。

 どうしても撤退出来ないと、仰られるのですか?」


今度はシャルに伺いを立てる。


「う・・・うん。命令が来ない間は。」


シャルも一緒に俯いてしまう。


「ふむ。どこかで遭った様な話ね。」


挿絵(By みてみん)



ミハルが微笑んで指を当てて何かを思い出すような仕草をする。


「では、参謀殿。

 司令部に電報を打つのを止めて、皇帝陛下直属の方へ打たれてみては如何ですか?

   シャルレット王女の名で。」


何かを思い出したのか、ミハルが勧める。


「は?陛下直属の?」


参謀が怪訝そうな顔でミハルを見る。



「そうです。

 電報が途中で誰かに握り潰されなくするには、それが一番ですよ。」


 「    !   」


ミハルの言葉に訳が解ったのか、参謀が声を詰まらせた。


「判りましたか?参謀殿。」


ミハルが念を押すと、参謀は弾かれた様に頷き、


「シャルレット殿下、早速電文を送ります。」


シャルの許しも待たずに駆け出した。


「ミハル隊長さん?」


シャルが驚きの声で訊く。


「うん・・・私も昔、似た様な経験した事があってね。

 っと、言っても私本人じゃ無くて。

 とっても大切な人が・・・だけどね。」


ウィンクを贈って笑って答えたミハルに。


「分隊長・・・。」


チアキが頭を下げて礼をすると、


「しょうがないね。

 帰隊時刻に遅れるなんて。これは懲罰が必要ね。」


笑いながら釘を差すと。


「善い、2人共。

 反乱軍だか独立運動軍だか知らないけど、

 銃口を突きつけて来る者が向かって来るのなら闘わねばならない。

 仲間を襲う者が攻めて来るのなら討ち祓わねばならない。

 それが闘う者としての務め。

 それが悪者だろうと、正義の者だろうと関係が無いの。

 仲間を、友を守る事が何よりも優先されるべき”真実”なのだと覚えておきなさい。」


二人の手を取って握り合わせた。

チアキとシャルは、そんなミハルに頷く。


「ミハル分隊長。」

「ミハル隊長さん。」


微笑を浮かべて二人の少女に頷き、


「チアキ、シャルレット王女。

 あなた達2人は私達が責任を持って守ってあげます。

 この<光と闇を抱く娘>、真聖巫女ミハルが。」


金色こんじきに輝くブレスレットからチアキのネックレスに光が放たれる。


「さあチアキ。あなたの力を示す時が来たようね。

 <鉾と盾の巫女>としての能力ちからに目覚めるときが。」


瞳を金色に染めて、ミハルが告げる。


チアキの胸に輝く、ネックレスから紋章が浮かび上がっていた。


 

ミハル中尉。


あなたはどこまで知られていると言うのですか?


私の能力について。


次回 潜む者の影 Part3


君は知るべきなのだ、自らの魔法力の事を。闘う為には・・・。

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