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第1章 New Hope(新たなる希望)Act6震える心 Part5<お約束>

2017年も終ろうとしていますね。

今年最期の回となる今回は。

日頃の感謝を込めまして・・・恒例の。

<お風呂回>です。


挿絵(By みてみん)


では!

ミハルたん 宜しく。

「リン・・・。」


瞳を閉じたミハルが呟いた。


「ミハル分隊長・・・ミハル中尉?」


暫く黙ったまま瞳を閉じているミハルの呟きにチアキが聴き直す。


魔鋼騎士マギカナイトミハル・・・願いを聴いて下さい。

 頼れるのは、ちからある騎士だけなのです。

 姉様を、このオスマンを救って下さい。」


シャルがミハルに願う。

漸く眼を開けたミハルが訊く。


「シャルレット王女、その闇騎士は何かを要求して来ましたか?

 第1王女の代償を、魂の代償を・・・。」


問い掛けられたシャルがうな垂れて、


「魔法使いを・・・この国の魔法使いを全て差し出せと・・・言いました。」


挿絵(By みてみん)



シャルの答えにチアキが驚く。


「そんな・・・魔法使いだって人間なのに。

 まるで物の様な言い様をするなんて。

 何て人なんでしょう、その闇騎士って奴は。」


何も知らないチアキが、憤慨している横で、


「人じゃ無くなったから・・・リンは。」


ポツリと呟く、ミハルが居た。


そしてシャルに向いたミハルが決した様に告げる。


「解りましたシャルレット王女。

 そのお話も含めて今後、どう行動するか隊へ戻り、決定したいと思います。」


碧き瞳を黒目に戻したミハルが答えた。


「では・・・引き受けて貰えるのですか、魔鋼騎士ミハル?」


瞳を見開き、シャルが確約を求める。


「第1王女の事も、闇騎士の事も・・・。

 私達がこの国へ来た本当の理由に関係していると思えますから。

 私達に出来る事ならお手伝い致しましょう。」


姿勢を正したミハルが頷いてシャルの求めに応えると、


「あ・・・ありがとう魔鋼騎士マギカナイトミハル。ありがとう。」


喜色満面のシャルが礼を言う。


「ただし!」


釘を差す様にミハルがシャルを制し。


「悪戯は、もう辞めにしてくださいね。」


ウィンクを贈って微笑んだ。


「うんっ、はい。解りましたミハル。」


親愛を込めたシャルの言葉が、

チアキにも嬉しく感じられる程、その声は明るかった。



__________




「では、チアキ。

 粗相の無い様に。隊には点呼時間までに帰隊する事。いいですね・・・。」


ミハルを見送る為に、2人は外まで着いてきた。


「はい、分隊長。解りました。」


敬礼を贈るチアキと共にシャルが、


「どうせならミハルも、一緒に浸かって行かれたら良いのに。」


ミハルにも薬湯を勧めたのを固辞して、


「いいえ、王女殿下。私には役目がありますから。」


隊へ戻ろうとミハルが一歩踏み出した時。


     <ベ ヘ チャ >


「・・・・・。」


ミハルの頭に・・・何かが乗っかる。


「あ・・・・。」

「わっ・・・。」


チアキとシャルが、それに驚く。


「・・・。王女殿下・・・私、さっき言いましたよね。

  悪戯は辞めて下さいと・・・。」


ピクピク震えながら、ミハルの声が怒気を表す。


「え・・・いや。 それは。」


    <ペロ ペロ>


シャルもチアキも、ミハルの頭に載っているモノに後退り、



挿絵(By みてみん)



「野良・・・カメレオン・・・ですから。」


・・・・・・。


「は?」


ミハルの眼が点になる。


「ですから・・・ミハル分隊長。悪戯では無いですって。」


チアキがドン引きして教える。


「何・・・ですって?」


ヒクヒク頬を引き攣らせたミハルに。


「いくらボクだって、そんなの出来ないよ。

 この辺に生息する野良カメレオンを頭に載せるなんて!」


シャルが指を立てて言い切った。


「カ・・・カメレオン?

 もしかして・・・爬虫類の?・・・カメレオン?」


       <ペロ ペロ>


長い舌が、ミハルの顔を舐める。

緑色の物体が、頭の上でごそごそ動く。


「ひっ・・・ハっ爬虫類・・・。ぎゃあっ!」


漸く事態が解ったミハルが叫ぶ。

いや。

泣き叫ぶ。


「たっ、たすけてぇっ!カエルだって駄目なのにぃっ。

 わーんっ助けてよぉっ。リーン!マモルぅっ!」


泣き叫んでうろたえ捲くる姿に、チアキもシャルも頭を押さえてしまう。


「何だか酷く納得出来た様な気がする。

 ミリア准尉が<そんな娘>だからって言ってたのが・・・。」


「損な・・・はぁ・・・ボクもなんだか酷く間違った様な気がしてきたよ。」


シャルがチアキと共に落ち込んだ。


「ぎゃあっ、ぎゃあっぎゃあっ。」


ミハルの叫びが二人を落胆させ続けた・・・。



____<お約束>_____


「はあ・・・結局。薬湯を頂く破目になってしまった。」


ミハルが自己嫌悪に陥って嘆く。


「こんな怖ろしい場所だったとは。恐るべしオスマン。」


身体を震わせて怯えるミハルは、歳相応の娘に戻っていた。


「そんな事はないですよミハル。

 あれは偶々(たまたま)ミハルのリボンが蝶にでも見えたのでしょう。 

 ・・・カメレオンには・・・はははっ。」


シャルがアッケラカンと言って笑う。


「ひいっ、そんな。

 紅いリボンを着けていると頭にカメレオンが降って来るの?このオスマンでは?」


怯えるミハルが真に受ける。


「冗談ですよぉ。

 そんな事は見たのも聞いた事も初めてですから。」


シャルが手を振ってことわった。


「ま、それだけ珍しい事ですから。

 気にしないでミハル。ねぇチアキぃ。」


笑ったままシャルが同意を求める様にチアキを見ると。


「ん? どうしたの・・・チアキ?」


湯船に浸かって赤くなっているチアキに訊く。


「いいもん・・・いいんだもん。」

「 ? 」


ブクブク半分顔を湯に浸けたチアキが呟く。


挿絵(By みてみん)



「どうしたの、チアキ。のぼせるわよ?」


ミハルも気にして訊くと。


「嫌いだ・・・お風呂回なんて・・・。」


ブクブク沈みながらチアキが泣く。


「 ? 」


「 ? 」


シャルとミハルが見詰め合う前で、チアキは無い胸を嘆いて湯に沈んだ。

はい・・・のぼせた”チマキ”ですぅ。


どーせ、私なんて。(胸部装甲無いし・・・)←艦コレかっ!?


2017年もいろいろ皆様にお世話になりました。

本当にありがとうございました。


引き続いてのご支援・応援を賜りますよう。

宜しくお願いします。


では、

最後にこの方から一言を。


挿絵(By みてみん)


「どうか、良いお年を!」


・・・。

ありがとう、ミハル。


(この後書は後日改稿します。あしからず)


次回 Act7慟哭 Part1

君は一人で100名を相手に?そうか・・・そう言う事か。



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