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第1章New Hope(新たなる希望)Act4困った王女 Part2

ベットに飛び込むシャル!


チアキに危機が迫るのか!


・・・そんな訳無いか・・・。(ある意味残念・・・)

「わあっ!シャルっ!」


驚きの声を挙げるチアキに、意も解せず。


    <バフッ>


シャルはベットにダイビングをかます。


「ね。

 綺麗でしょ、この指輪。頂いたんだお父様に。」


仰け反るチアキに微笑み掛けるシャルは、チアキの横で指輪を見詰める。


「はあ・・・シャルってば。心臓に悪いから・・・。」


胸を撫で下ろしてベットに横になったシャルに文句を言おうとするが、

シャルの笑顔に何も言えなくなってしまうチアキであった。


挿絵(By みてみん)



「ね、チアキ。綺麗でしょ、この石。」


シャルが指輪を摘んでチアキに渡そうとした時。


    <ピイイイイィンッ>


シャルの指輪が音を発てて輝きを放った。


「わああっ!」

「きゃあっ!」


チアキもシャルも輝きに驚き目を瞑る。


ー我となんじ剣は共に在りー


チアキの耳に、誰かの声が聴こえた気がした。


「あれ?」


光が消えているのに気付いたチアキが目を開けると、

シャルの指に摘まれていた指輪の石が碧さを失い、唯の水晶と化していた。


「ど・・・どうなっちゃったのこれ!?」


気が付いたシャルも指輪の石を見て、目を丸くしている。


「碧くなくなっちゃってるね・・・そーいう物なの、シャル?」


「そんな訳ないでしょう!?どうなっちゃったんだろ。」


2人は指輪の石を突いて、不思議がっていたが。


「お父様に戴いた指輪なのに。

 私を守ってくれる石だって伺っていたのに。

 困ったなあ、怒られるかなぁ?」


シャルが頭を抱えて困っているのを見て、チアキも困ってしまう。


「私に触れた瞬間に光って・・・眼を開けたら色を失ってた・・・なんて。

 まるで私が色を奪っちゃったみたい。」


チアキは自分の所為かと想う位のタイミングで石が変わった事に、首を捻って考えた。


「うーん。別にチアキの所為じゃないよ。

 この石が変色したのは・・・。」


シャルとチアキは不思議な指輪を見詰めてくっついていた。


「ん・・・チアキ。ペンダントが・・・。」


ふと、チアキの胸元を見たシャルが、ペンダントの変化に気が付いた。


「え?あれ?紋章が!?」


ペンダントの魔法石に描かれた剣の紋章が、盾をバックに描き直されていた。


「さっき見たのと違うような?」

「うん・・・違う・・・換わっちゃった?」


二人がチアキの魔法石を見詰めて不思議そうに首を傾げる。



挿絵(By みてみん)



「そうか!解ったぞ!」


突然シャルが大声をあげた。

耳を押えたチアキが、


「何が解ったと言うのシャル?」


問いただすと。


「チアキの魔法石とボクの宝石が一緒になったんだ。

 ボクとチアキみたいに・・・ね。」


ポンと手を叩いたシャルが答える。


「はあ?一緒にって・・・魔法石が宝石と?」


見詰めるチアキに、シャルが断言する。


「ボクの石はチアキの魔法石と一緒になったんだよ。

 だからチアキはその責任を執らなきゃ駄目なんだ。

 ボクの守護者ガーディアンになって貰わなきゃいけないんだ。」


・・・。


シャルの物言いに、チアキはあんぐりと口を開けて言葉を失った。


喜ぶシャルは、笑顔のままチアキに言う。


「これでチアキはずっとボクと一緒に居なければいけなくなったんだよ。

 ボクを護る為にお父様から戴いた指輪だったのだから。

 そのちからはチアキの魔法石と一つになったのだから・・・ね。」


シャルの笑顔に戸惑うチアキが両手を振って抗う。


「まっ、待ってシャル。

 そんな事言われても・・・私にシャルを守るなんて事出来ないよ。

 だって私には軍務もあるから・・・。」


慌てて断わりを入れるチアキに、シャルが手を振り、


「駄目。

 チアキはボクの守護者になったの。

 ボクを護るのが任務になったの!」


我侭わがままを言って、チアキを困らせる。


「そんな・・・シャル。

 出来ないよ私。

 私には約束があるの。夢があるの。

 だからシャルだけを守るなんて出来ないよ。」


握られた手を振り解いてチアキが言った。


「約束?夢?チアキの約束って、どんなモノ?」


振り解かれた手を見て、チアキに訊くシャルの顔が戸惑いの色を見せた。


「シャル、私はね、お母さんと約束してこの派遣隊に加わったの。

 きっと立派な魔鋼騎士となって戻ってくるからって・・・。

 それが私とお母さんの交わした約束・・・そして希望なんだ。」


チアキはシャルの顔を真っ直ぐ見て、答えを返した。


「ふーん。チアキは魔鋼騎士になりたいのね。

 だったら、ボクがお父様に頼んで称号を与えてあげたっていいんだよ。」


迫るシャルにチアキは益々困り果てる。


「駄目だよそんなの。

 何もしないのに称号を与えられたって、誰も認めてくれないよ。

 実力の無い、名ばかりの魔鋼騎士なんて。」


両手を振って断わり続けるチアキにむくれたシャルが。


「じゃあ、どうしたらボクの守護者になってくれるの?」


チアキを掴んで訊く。


「えっ・・・えっと。

 そうだね・・・分隊長から魔鋼騎になる事を許して貰えたら・・・かな。」


チアキは咄嗟に思いついた事を言ってしまった。


「魔鋼騎・・・ああ、戦車の事だね。

 チアキはまだ魔鋼騎に乗っていないの?

 魔法石を持っているのに?」


シャルがチアキのペンダントを見て尋ねて来る。


「いや、乗ってはいるんだけど。

 分隊長に許して貰っていないんだ。

 敵と闘うにはまだ力不足だからって。」


答えたチアキに、シャルが言った。


「だったら。

 あの人がチアキの事を認めればいいんだよね。

 チアキが魔鋼騎乗りとして闘えるって知れば、認めてくれるよね。」


目を丸くして話を聴いているチアキの顔に、

悪戯っぽく笑いかけるシャルが、呼び鈴を鳴らした。

シャルったら・・・無茶苦茶だよぉ。


私の魔法石が、シャルの宝石の色を奪ったの・・・かなぁ?


だったら、この紋章の意味するのは一体?


次回 困った王女 Part3


君は王女の悪巧みに乗るのか?それとも?まあ、相手はあの<損な娘>だから・・・。

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