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第2章 熱砂の要塞 Act9 真の姿 Part6

挿絵(By みてみん)


今回は私の変身GIFが挿絵として付いていますよ!

そう!変身<トランスフォーム>だよっ!


・・・恥ずかしいけど・・・ごにょごにょ・・・

リンの身体に宿っていた異界の妖精リンカーベルは旅立った。


ミハルに魔法石の付いた髪飾りを手渡し。




「ふむ・・・これは並外れたちからを宿す魔法石・・・緑の石が付いている・・・」


毛玉がミハルの持つ髪飾りを観てうなった。


「そんな凄い石なの?ルシちゃん?」


昔、ラウンの店でリンに譲った髪飾りを差し出し、ミハルが尋ねる。


挿絵(By みてみん)



「ミハルも解っていると思うが。

 この魔法石に秘められた力は並外れて強い」


毛玉の言った通り、ミハルは知っていた。


<そう・・・リンちゃんと初めてラウンおばさんの店で会った時。

 この髪飾りが光を放ったのを覚えている。

 それに、この髪飾りを始めて観たのはお父さんとお母さんと一緒にお店に来た時・・・>


ミハルは記憶を紐解く。

それはまだフェアリアに来てすぐの頃だった。


慣れない街に戸惑うミハルを連れだしたまこと美雪みゆきが、

ラウンの店に入って、この髪飾りを発見した。

幼いミハルはその美しい石に見とれていると両親が言ったものだった。


()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


と。


今にして思えば、その意味が解る。

両親は出来るならば、この髪飾りを着けなくて済む事を願っていた筈なのだ。

ミハルを魔法使いとして覚醒させる事無く、育てたかっただろう。


「ミハル・・・リンカーベルより渡されたその髪飾りを着けてみろ」


毛玉に促されたミハルは、リンと同じ様に左髪に着けてみる。


「やはりな・・・その緑の魔法石は神力しんりきが宿っていたか。

 ならば新たな力を授かるべきだろう・・・この<天のルシファー>に依って」


毛玉がイキナリ呪文を唱えだした。


「えっ? ええっ!?ちょっと待ってよ、ルシちゃん!」


慌てたミハルが止めに入るが、


「ミハル・・・とうの昔にフラグは建っていたのだ!」


<それを言ったら・・・駄目でしょ>


周りの皆が毛玉に思った。


「あああっ!また・・・眼の肥やしにされちゃうの~~っ!?」


涙目のミハルが・・・覚悟完了?


「新たな契約、新たなちから

そして新たな魔法衣を授けんっ!」


毛玉が宣下する。


  ((ぱあぁっ))


「先ずは元の姿に戻れ!ミハル」


一瞬の内に来ていたアキレスの魔法衣が解け、裸にされて・・・

ルシファーの光はミハルを、元のフェアリア士官服へと戻す。


「にゃあっ!?」


挿絵(By みてみん)



余りの事に眼を回すミハル。


「成るのだ真の姿に。騎士となれ!」


「ひゃああぁっ!」


毛玉の神力が、ミハルに与えられる。

包まれる光の中で<神の魔法衣>が現れる。


軍服が光に解かれ消えてゆく。

左髪に着けた魔法石から金色こんじきの光がほとばしり、神の魔法衣を形造る。

首元に輝く金色の石、肩で区切られた薄蒼色の肌着、

蒼の体のラインが強調されたワンピースレオタード。

その腰には太腿までのハーフスカート。

薄蒼色をしたストッキングの足に履かれたブーツ。

次々に光の中でミハルに装着されていく・・・


挿絵(By みてみん)



光が晴れるとミハルの姿が替わっていた。


「ふむ・・・これがミハルのあるべき姿という奴なのだな・・・」


毛玉が<蒼の騎士>の魔法衣を着たミハルを見詰める。


「あるべき姿って?」


己の姿を観て、ミハルが訊く。


「そう、蒼き清浄の力を宿す魔法使い。

 その名は<蒼の騎士>。

 本物の神と同じ力を持つ<双璧の魔女>」


毛玉はミハルが神と同じ力を与えられたと言った。


「私の授けた魔法力は、並みの魔王を一撃で打ちのめせる。

 この<天のルシファー>と同じ力を持つことになったのだ・・・ミハル」


「ふえぇ・・・戦神アキレスより強いんだ。

 ルシちゃんってやっぱり凄いんだねぇ」


もう訳が解らなくなって、ミハルが他人事のように言うと。


「あははは。まあ・・・そう言う事だよミハル。

 だけど闘う時には更なる変化があるだろう」


毛玉は笑って戸惑うミハルの姿を観た。


「え!?まだ変身トランスフォームするのぉっ!?」


慌てたミハルがルシファーに聞き返すと。


「ああ、そんな姿で闘える訳がないだろ?

 <蒼の騎士>が、そんな薄っぺらな姿で闘う訳がないだろうに・・・」


毛玉がさも当然の如く、真面目に答える。


「・・・そうなんだ・・・」


何かを達観したのか、ミハルは遠くを観る様な瞳で頷いた。


挿絵(By みてみん)



「はわわ・・・ミハル先輩が神様になっちゃった」

「ミハル姉・・・アーメン」


ミリアもマモルも、イキナリな展開に着いていけなくなってしまう。


「さあ、蒼の騎士ミハル。

 その力を持って、邪なる者を打ち破れ。

 この岩山に巣食う闇なる者を倒し、この地に光を与えてやるが良い」


要塞に居るクワイガンとの決着を望む者達にルシファーが求めた。


「ええ!真総統を倒し、捕らえられし魂を解放する・・・

 そして、お父さんお母さんを救い出してみせるからっ!」


答えたミハルと共に、リンを含めた6人も伴に立ち上がる。


()()()()()を破り、平和を求める戦いへと。







____________





ー それは・・・突如起きた


  爆煙が処構わず挙がる



「要塞が発砲して来ました!」


言われるまでも無く、マジカはその光景に息を呑んだ。


岩山の各所にあった砲台を、フェアリア戦車隊が撃破していった・・・

そこまでは何事も無く進んでいったのだが。



  (( ガラ ガラ ガラ ))


それは何の前触れも無く始った。


岩山が崩れだし、要塞自体が崩壊したかとも思えたのだが。


だが、岩山が崩れ墜ちた跡から現れたのは。


はがねの・・・鋼鉄はがねの城!?」


そう・・・岩が崩れ、その中から現れたのは<鋼鉄の要塞>。


それこそが本当の砂漠の要塞。

熱砂の城とでも呼ぶべき巨大な陸上戦艦。


その戦闘能力は、この世界で比肩する物無し。

歴史上、如何なる国にも存在せず。



マジカは全貌を現した要塞に息を呑むばかりだった。


それは()()()()()()()()の居城。


それこそが熱砂の要塞たる、()()姿()だった・・・


挿絵(By みてみん)





ミハルは神の力を授けられた。


一方要塞の外では非常事態になっていたのだ。

岩山から現れた要塞は、圧倒的戦闘能力を有していたのだ!


闘えチアキ、護れマジカ!


ラスボス戦!今始るっ!!


次回 Act10 熱砂の要塞 Part1


君は闘いの果てに何を観れるというのか?

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