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第2章 熱砂の要塞 Act9 真の姿 Part2

チアキ達フェアリア戦車隊が闘っている時・・・


ミハルはルシファーとの再会を喜んでいた。



ミハルは魔力が回復したのが判った。


ミハエルが闇から解放された為、生まれ変りし者へと再び力が与えられた事が解った。


「ルシちゃん・・・逢いたかったよ」


毛玉にそっと呟くミハルは、嬉しそうに微笑む。


「ミハル・・・強くなったな。

 ずいぶん苦労したみたいだが・・・その力はアキレスから譲られたのかい?」


毛玉ルシファーがミハルの魔法衣を観て尋ねる。


「うん、砂漠の神殿で。この服を授けられたんだ」


くるっと一回り身体を躍らせたミハルが教える。


「ふむ。それなりに力を持つようだが・・・イマイチだな」


毛玉が蒼の魔法衣を眺めて納得しないので、ミハルが小首を傾げる。


「いまいちって・・・これは神様からの授かりモノなんだよ?」


毛玉が納得しない理由が解らず、ミハルが訊き返すと。


いにしえの騎士たるアキレスの服だろ。

 ミハルにはもう少し似合う物があるだろーに」


毛玉の瞳がニヤリと笑う。


「う・・・ま、まさか。ルシちゃん・・・ミハエルさんみたいに。

 また・・・変身させる気なのでは?」


感付いたミハルが後退ると、


「まてまてミハル。

 何も今直ぐ変身させようって思ってはいないよ。逃げなくて良いから」


オイオイと毛玉が停めて、ため息を吐く。


「今直ぐって・・・やっぱり変身させる気なのね・・・」


嫌がるミハル。


「?どうして嫌がっているんだい?」

「・・・また・・・裸を晒される・・・から」


挿絵(By みてみん)


・・・・・・・。


ミハルの返事に固まる。


「今更・・・恥ずかしがっても。減る物じゃなし」

「ルシちゃん?・・・まだ闇の住人なの?」


夫婦漫才をするミハルと毛玉に声が掛けられた。


「あんのぉ、ミハル先輩。

 立て込んでいる処をすみませんが・・・リンが気付きましたので」


すまなそうにミリアが話しかけてくる。

いつの間にか闇の空間は通常世界に戻っていた。

それは此処にはもう、闇の者が存在しない顕れ。


「えっ!リンが。・・・解ったわ!」


振り返ったミハルが毛玉を掴んでMHT-7に駆け戻る。


「リンっ大丈夫?」


車体の脇に座り込んでいるリンを呼ぶと、笑みを零したリンがはっきりと答えた。


「はい、ミハルさん。ありがとう助けてくださって・・・」


   <<  ぴ く  >>


リンの言葉使いにミハルが固まる。


「むむむっ!まだ何者かがリンに宿っているのかなっ!?」


右手を突き出したミハルに慌てたリンが両手を振って、


「あわわっ、待って下さい。

 私はもうリンに戻っているのですからっ、疑わないでくださいよぉっ」


自分がリン本人である事を主張する。


「あはははっ、善かった・・・善かったねリン!」


リンに抱き付いたミハルが喜んだ。


「ええ・・・やっと身体を取り戻せました。

 ミハルさんのおかげです・・・ありがとう」


答えたリンにミハルが首を振って微笑み、


「ううんリン、これでオアイコだから。

 私をフェアリアで闇から救ってくれたのはリン、あなただったでしょ。

 やっと恩を返せた・・・やっとお礼が返せたの・・・あなたに」


嬉しそうにリンの耳元でそっと話した。

2人の抱き合う姿に、ミリア達は微笑み頷く。


そして・・・マモルが気付いた。


「えっ!ルシちゃん・・・ルシちゃんじゃないか!」


紅き毛玉がミハルの胸元から覘いていた。


「よ~う、友よ。久方ぶりだなぁ」


ミハルとリンの胸の間から毛玉が答える。


「・・・どこに挟まっているのよ、ルシちゃん」


魔法少女の胸に挟まり苦笑いする毛玉にミリアが毒づく。


「え?わぁっ!?」

「ちょっとルシちゃん・・・すけべ」


リンが毛玉に気付いて仰け反る。

ミハルが毛玉に文句を言う。

が、毛玉はリンの顔を見詰めて何かを考えている。


「どうかしたのルシちゃん?」


珍しく真剣な瞳のルシファーにミハルが尋ねると。


「ふむ・・・ミハル。

 この娘・・・この世の者とは違う様なのだが。知っているのか?」

「えっ?それって・・・」


逆に毛玉に訊かれてたミハルが口篭もると、聞いていたリンが教える。


「ええ・・・確かに私の中に居るもう一人の能力者が、たまーに現れるみたいなのですが。

 それが多分、本当の私らしいのです」


毛玉にリンが教えるのは、異世界からこの世界へと堕ちて来た妖精ニンフリンカーベルを指していた。


「どうやら、本当の事みたいだな。

 私も初めて観たのだが・・・異世界転生者を。

 そなたはどうやって、この世に墜ちたというのだ・・・」


毛玉が金色の光を放ち、リンを包み込む。


「え?ルシちゃん・・・何を?」


驚く皆を代弁してミハルが尋ねる。


「ああ・・・この娘に宿る妖精の記憶を紐解こうと思ってな・・・

 忘れ去られた過去を教えてやれば元に戻る方法が解るかも知れんのでな」


「しゅ・・・しゅっごーいぃっ」


毛玉に全員が感嘆の声をあげた。


呑気なミハル達?

いえいえ。


そうではありません。

リンに宿る妖精を呼び覚ましたルシファー。

妖精だと思い込んでいた皆がその言葉に声を呑む・・・


次回 真の姿 Part3

君は異世界で何をしていたというのか?その本当の姿とは!?

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