モテない日常2
「よくぞ来たな、異世界の勇者よ!我が万の軍勢を越えてくるとは中々に見上げたものよ…まあ、貴様一人ということは多くの犠牲を負ったようだがな。」
圧倒的な黒いオーラを放つ身の丈2mの大男、頭部には2本の角を有している、そんな見るからに魔王的な奴が俺に嬉しそうに語りかける。
「ああ、確かにここにたどり着いたのは俺一人だけど、誰も死んでないぜ…多分。それにお前を倒すのには俺一人で充分だしな。」
「くくく、強がりはよせ。我がもっとも警戒していた光の勇者ならともかく、貴様のような装備の者に我が倒せるわけがなかろう!!さあ、死ねっ!!」
魔王は手から大きな黒い球状のエネルギー弾を俺に向けて放つ。
俺の装備はピチピチのホットパンツにタンクトップ、安物のロングソードだから、魔王の言うことは最もだなーなんて思いながら、エネルギー弾をひらりとかわす。
魔王は息つく暇も与えまいと次々とエネルギー弾を放ち続けその数は数十と迫ってくる。
が、俺はその全てをいとも簡単に避ける。
「なるほど、その装備はスピード重視というわけか…ならばこれならどうだ!?」
魔王は先ほどとは比べ物にならない魔力を込め、巨大なエネルギー弾を放つ。
「でかくても、遅けりゃ意味ないぞ。」
エネルギー弾を避け、地面に着弾した瞬間エネルギー弾は轟音をあげて爆発した。
「ふはははは!!これなら塵も残るまい!!これで、世界は我のものだ!!ふはは、ふはははは!!!!」
「ちょっと痛かったな。」
煙の中からほぼ無傷の状態で魔王に声をかけ、ロングソードを構え飛び込む。
「貴様!?なぜ無傷なのだ!?だがそんな安物のロングソードで我を傷つけられると思うな!!」
「避けないんだ…ありがとう。」
その刹那魔王の胴体が二分された。
「な…ぜ?我の…野望は…こんな奴に…ぐわぁぁあ!!」
「見事、魔王を打ち倒し世界を救った勇者様と、エンデクルス国の姫様の結婚披露」