モテない日常1
俺の名前は佐藤一郎、高校三年生のある日クラスまとめて異世界召喚なんてもんに巻き込まれた。
多くの仲間を失ったが辛くも魔王を打ち倒した。
魔王を倒しても世界からモンスターは消えちゃいなくて、冒険者稼業で日銭を稼ぐ毎日だ。
気付けば異世界に来てから5年も経ったのか。
当時は帰る方法なんてものも探してみたが、最終的には帰る方法はないってことがわかった。
まあ、多少胡散臭いが神様の言ってることだ間違いはないだろう。
とにかく、この異世界で手に職のない俺が出来る職業なんて冒険者くらいなわけで今日もクエストに出掛けた。
今日のクエストはゴブリン討伐だ。
ゴブリンは想像通り子供の背丈くらいの醜悪な顔をした人形モンスターで、元の世界のエロゲでもお馴染みの女性を襲って苗床的にしてしまう大変うらや…けしからんモンスターだ。
まあ、ランク的には大したことのないクエストだが、最近大量発生したようで中々に報酬が良い。
「キャーーーーー!!!」
そんなこんなで森を歩いていると、女性の悲鳴が耳に入った。
俺はすぐさま悲鳴のした方向に駆け出すと、案の定一人の女性がゴブリンに囲まれているところだった。
本当のところはアへ顔ダブルピースになるまでを拝みたいところだが、道徳上よろしくないのでたすけることにしよう。
俺は安物のロングソードに手をかけゴブリンの群れに駆け出す。
女性に今まさに触れようとしているゴブリンの首を落とすのを皮切りに、ものの数秒でゴブリンの群れを切り伏せた。
ロングソードを鞘に納め女性を見ると、涙と鼻水でボロボロであるが、それでも美しさを保っている見事な金髪美少女だった。
「お嬢さん大丈夫かい?」
美少女は焦点の定まらない目でゆっくりと俺の顔を見た。
「わ…私、助かったのですね…どなたか存じませんがありがとうございます。」
美少女からの突然のお礼に正直驚いた。
はっきり言って俺はモテない、モテないどころか、大抵の女性は俺に嫌悪感を持つように、世の中出来ているみたいだ。
ゴブリンからの危機を脱した直後のせいか、はたまたこの娘は特別なのか、幾ばくかの期待を持って俺は少女を立たせようと手を伸ばした。
「ひっ!!?」
あぁ、案の定前者だったか。
少女は、この世のものとは思えないほど醜悪に歪んだ表情で俺を拒絶した。
「このっ、変態男!!寄らないでくださいませ!!貴方に触れられるくらいならゴブリンに犯されたほうが数百倍マシですわ!!」
少女は勢いよく立ち上がり町のほうに走り出した。
慣れてはいるが、やっぱり傷付くよな。
「次あったら、あの神またぶん殴るか。」
俺は異世界転生の際に神から与えられたピチピチのホットパンツを見つめながら呟いた。