ひと粒に
米をとぐ
白い濁り
どんわり
沸き上がる
一粒は重さなど
ないようで
より集まると
腰が抜ける重さで
一粒では
成り立たない
一粒では
ただの粒止まり
なのに
より集まると
こちらを押し潰す勢い
熱を加えると
甘美な白い力となる
米一粒に神が宿る
かたい粒よく見れば
金色に輝く神が
ゆらゆら手を振っている
ような気がして
一粒も逃すまいと
手のひらの底深くして
白い濁り水を流す
掬いきれなかった
白米が点々と広がる
流して仕舞う
ごめんなさい、を
告げ忘れ
流された米にも
神が宿っていたら
罰を与えに戻ってくるかしら