・番外編 ある少女(幼女)?の決断
いつもお読み頂きありがとうございます。
100ブクマ頂いた時に、活動報告へ載せたSSです。
『精霊王国フローリア』から、こんにちはなのです。
わたちのお名前は、ヴェルデと言います。
お父様の住む世界の言葉で、緑って意味らちいのです。
ちなみに・・・お父様はこの世界の人ではありません。
お父様は異世界『地球』から召喚された、とても強い魔導ち様なのです。
わたちがお父様に、「なぜわたちに緑って名前を付けたの?」って聞いたら、理由はわたちの体が、とても綺麗な緑色だったからだと言われまちた。
鏡で自分の姿を見て納得です。
そうです。
わたちは人ではありまちぇん。
『嵐竜』と言うドラゴン族なんです。
人族のお父様がなぜ、ドラゴン族であるわたちのお父様になったのか。
それは聞くも涙、語るも涙なおはなちがあるのです。
では・・・僭越ながらこのわたちヴェルデが・・・
「ほっほ、ヴェルデちゃんや・・・今日はずいぶんご機嫌じゃの。まだ眠くは無いのかい?」
あっ!
お爺様ですー!
わたちは、ふわもこなお爺様のお髭に飛びつきまちた。
「ほっほ、お髭を引っ張っちゃいかんぞい。」
そう言って、お爺様はひょいとわたちの体を抱え上げ、ご自分の頭の上へ乗せまちた。
お爺様はすごい方なんですよ?
わたちたちドラゴン族の最長老、神にも等しいと言われる神代の竜。
称号『古龍』を持つドラゴンなのです。
わたちを頭に乗せてにこにこと微笑む姿に、誰もそんな事想像できないでちょうけど。
今は人族の老人の姿ですが、本来のお姿は全長12mほど、白い長毛を生やちたドラゴンなのです。
そんなお爺様が守って下さっているのが、お父様とわたちです。
やっぱりお父様はすごい方ですー。
「お爺様ー、お散歩は終わりまちたの?」
「ほっほ、お散歩ではなく巡回じゃがの。今日はお竜ちゃん、エルフの王様に話があるらしくての?」
ふぅ~ん、そうなのですかー。
お散歩ではなくて巡回?
お父様はよく、お爺様の背中に乗ってこの国の空を移動ちていますけど・・・何がちがうのでちょうか?
わたちには、難しくてよくわかりまちぇん。
いつもはわたちもいっちょに行くのですが、今日はおでかけの時におねむだったので、置いていかれてちまったみたいです。
お父様たちが出発ちたのは朝方ですち、わたち半日近く寝ていたみたいです。
おかげで普段ならお昼寝の時間ですけど、元気いっぱい。
全然眠たくありまちぇん。
遊んで欲ちいのですー。
わたちがお爺様の頭の上でゴロゴロ転がっていると、部屋の外から聞きなれた足音が響いてきまちた。
ズダダダダダダダ・・・バタン!
わたちたちが滞在ちている部屋の扉が、音を立てて開きます。
「ただいまー!ヴェルデ起きたー!?」
お父様ですー!
扉を開けて入ってきたのは、不思議な文様の半袖の上着「Tチャツ」と半ズボンを着て、つば付きの帽ちを被った男の人です。
明るい色の茶髪と、鳶色の瞳が今日も元気に輝いています。
まるでお日様みたい。
「お父様ー!遊んで欲ちいのですー!」
わたちはお父様に向かってダイブちまちた。
お父様はわたちを優しく抱きとめると、にっこり微笑みまちた。
「おっけー、今日は何して遊ぼうか?」
わたしとお父様は夕方まで遊びまちた。
お父様は色んなゲームをちっています。
そちてとても器用に金属細工ができるので、色々な遊具を作って下さりまちた。
最近のわたちのお気に入りは、金属を組み合わせた三角錐のパズルです。
とても難しくて簡単には完成ちません。
それこそ解き終わるのは千年かかるんじゃないでちょうか?
お父様は確か「ミレニアム・・・いや、なんでもないよ。これはただの金属のパズルさ。」とかおっちゃっていまちたが、何でちょうか?
わたちたちが遊んでいるのを、お爺様は目を細めて眺めていらっちゃいまちた。
「お竜ちゃん、ヴェルデちゃん、そろそろ夕食の時間じゃぞ。」
むむ、もうそんな時間でちたか。
パズルは一旦お預けなのです。
「そうそう、今日はお土産があったんだ。」
お父様は赤いカタログのようなものから、一枚カードを引っ張り出すと、わたちたちの前で具現化ちまちた。
ほかほかと湯気を立てている狐色の塊が、お皿に山盛りになっています。
これはなんでちょうか。
何となくお肉っぽい?
見た事も無い物ですが、とても良い匂い。
ちょく欲がちげきされて、涎が垂れてちまいそう。
お爺様も興味深そうに覗き込んでいます。
「この国に避難してきた『翼獅子』の指導者、『獅子王』カーシュがおいらへって、アニキから預かってきてくれたんだ。」
お父様のお兄様と言うことは・・・セイおじ様?
セイおじ様も素敵な方ですー。
わたちのことを良くなでなでちてくれまちた。
わたちがお父様の言ったアニキの存在を考えていると、お父様は「これはね、から揚げって食べ物だよ。おいらの大好物なんだ。」とおちえてくださりまちた。
お皿からひょいと、から揚げを取り上げたお父様が何度かふーふーちて、熱を冷まちまちた。
「二人ともアーンして。」
そしてわたちとお爺様の口へ、一つずつから揚げを入れてくれまちた。
ふわっ!なんですかこれ!
サックサクの外側の中にはジューチーな鶏肉がありまちた。
わたち、こんなおいちいもの食べたの初めてです!
ちあわせすぎて、数分いちきを無くちていたかもちれません。
「お竜ちゃん、これはすごくうまいのぅ。」
「でっしょー。この料理自体おいしいものだけど・・・やっぱりアニキの料理は鉄板だなぁ。」
お父様とお爺様もそんな事を言いながら、ハフハフと頬張っています。
セイおじ様の料理ってすごいです。
わたちけっちんしまちた!
「お父様、わたちはセイおじ様のお嫁さんになるです!」
お父様とお爺様はわたちの言葉に、意味がわからないといった表情で顔を見合わせまちた。
そちて二人揃って「えええええ!?」と叫んだのです。
おじ様のお嫁さんになれば、毎日から揚げが食べられるのです。
ふふっ、おじ様が帰ってくるのが楽ちみですー!
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恐るべきはハーレム属性か、はたまた料理チートか。
(・・・なんか今、ぞくっとした・・・。)
知らないところで幼女(の胃袋)を魅了するセイの図・・・。
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