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リ・アルカナ ~彼方からの旅人~  作者: -恭-
・第二章 天空の聖域シャングリラ編
99/266

・番外編 ある少女(幼女)?の決断

いつもお読み頂きありがとうございます。

100ブクマ頂いた時に、活動報告へ載せたSSです。



 『精霊王国フローリア』から、こんにちはなのです。

 わたちのお名前は、ヴェルデと言います。

 お父様の住む世界の言葉で、緑って意味らちいのです。

 ちなみに・・・お父様はこの世界の人ではありません。

 お父様は異世界『地球』から召喚された、とても強い魔導ち様なのです。


 わたちがお父様に、「なぜわたちに緑って名前を付けたの?」って聞いたら、理由はわたちの体が、とても綺麗な緑色だったからだと言われまちた。

 鏡で自分の姿を見て納得です。

 そうです。

 わたちは人ではありまちぇん。

 『嵐竜ストームドラゴン』と言うドラゴン族なんです。

 

 人族のお父様がなぜ、ドラゴン族であるわたちのお父様になったのか。

 それは聞くも涙、語るも涙なおはなちがあるのです。

 では・・・僭越ながらこのわたちヴェルデが・・・


 「ほっほ、ヴェルデちゃんや・・・今日はずいぶんご機嫌じゃの。まだ眠くは無いのかい?」


 あっ!

 お爺様ですー!

 わたちは、ふわもこなお爺様のお髭に飛びつきまちた。

 

 「ほっほ、お髭を引っ張っちゃいかんぞい。」


 そう言って、お爺様はひょいとわたちの体を抱え上げ、ご自分の頭の上へ乗せまちた。

 お爺様はすごい方なんですよ?

 わたちたちドラゴン族の最長老、神にも等しいと言われる神代の竜。

 称号『古龍』を持つドラゴンなのです。

 わたちを頭に乗せてにこにこと微笑む姿に、誰もそんな事想像できないでちょうけど。

 今は人族の老人の姿ですが、本来のお姿は全長12mほど、白い長毛を生やちたドラゴンなのです。

 

 そんなお爺様が守って下さっているのが、お父様とわたちです。

 やっぱりお父様はすごい方ですー。

 

 「お爺様ー、お散歩は終わりまちたの?」


 「ほっほ、お散歩ではなく巡回じゃがの。今日はお竜ちゃん、エルフの王様に話があるらしくての?」


 ふぅ~ん、そうなのですかー。

 お散歩ではなくて巡回?

 お父様はよく、お爺様の背中に乗ってこの国の空を移動ちていますけど・・・何がちがうのでちょうか?

 わたちには、難しくてよくわかりまちぇん。


 いつもはわたちもいっちょに行くのですが、今日はおでかけの時におねむだったので、置いていかれてちまったみたいです。

 お父様たちが出発ちたのは朝方ですち、わたち半日近く寝ていたみたいです。

 おかげで普段ならお昼寝の時間ですけど、元気いっぱい。

 全然眠たくありまちぇん。

 遊んで欲ちいのですー。

 わたちがお爺様の頭の上でゴロゴロ転がっていると、部屋の外から聞きなれた足音が響いてきまちた。

 ズダダダダダダダ・・・バタン!

 わたちたちが滞在ちている部屋の扉が、音を立てて開きます。


 「ただいまー!ヴェルデ起きたー!?」


 お父様ですー!

 扉を開けて入ってきたのは、不思議な文様の半袖の上着「Tチャツ」と半ズボンを着て、つば付きの帽ちを被った男の人です。

 明るい色の茶髪と、鳶色の瞳が今日も元気に輝いています。

 まるでお日様みたい。


 「お父様ー!遊んで欲ちいのですー!」


 わたちはお父様に向かってダイブちまちた。

 お父様はわたちを優しく抱きとめると、にっこり微笑みまちた。

 

 「おっけー、今日は何して遊ぼうか?」


 わたしとお父様は夕方まで遊びまちた。

 お父様は色んなゲームをちっています。

 そちてとても器用に金属細工ができるので、色々な遊具を作って下さりまちた。

 最近のわたちのお気に入りは、金属を組み合わせた三角錐のパズルです。

 とても難しくて簡単には完成ちません。

 それこそ解き終わるのは千年かかるんじゃないでちょうか?

 お父様は確か「ミレニアム・・・いや、なんでもないよ。これはただの金属のパズルさ。」とかおっちゃっていまちたが、何でちょうか?

 わたちたちが遊んでいるのを、お爺様は目を細めて眺めていらっちゃいまちた。


 「お竜ちゃん、ヴェルデちゃん、そろそろ夕食の時間じゃぞ。」


 むむ、もうそんな時間でちたか。

 パズルは一旦お預けなのです。


 「そうそう、今日はお土産があったんだ。」


 お父様は赤いカタログのようなものから、一枚カードを引っ張り出すと、わたちたちの前で具現化ちまちた。

 ほかほかと湯気を立てている狐色の塊が、お皿に山盛りになっています。

 これはなんでちょうか。

 何となくお肉っぽい?

 見た事も無い物ですが、とても良い匂い。

 ちょく欲がちげきされて、涎が垂れてちまいそう。

 お爺様も興味深そうに覗き込んでいます。

 

 「この国に避難してきた『翼獅子グリフォン』の指導者、『獅子王』カーシュがおいらへって、アニキから預かってきてくれたんだ。」


 お父様のお兄様と言うことは・・・セイおじ様?

 セイおじ様も素敵な方ですー。

 わたちのことを良くなでなでちてくれまちた。

 わたちがお父様の言ったアニキの存在を考えていると、お父様は「これはね、から揚げって食べ物だよ。おいらの大好物なんだ。」とおちえてくださりまちた。

 お皿からひょいと、から揚げを取り上げたお父様が何度かふーふーちて、熱を冷まちまちた。


 「二人ともアーンして。」


 そしてわたちとお爺様の口へ、一つずつから揚げを入れてくれまちた。

 ふわっ!なんですかこれ!

 サックサクの外側の中にはジューチーな鶏肉がありまちた。

 わたち、こんなおいちいもの食べたの初めてです!

 ちあわせすぎて、数分いちきを無くちていたかもちれません。


 「お竜ちゃん、これはすごくうまいのぅ。」


 「でっしょー。この料理自体おいしいものだけど・・・やっぱりアニキの料理は鉄板だなぁ。」


 お父様とお爺様もそんな事を言いながら、ハフハフと頬張っています。 

 セイおじ様の料理ってすごいです。

 わたちけっちんしまちた!


 「お父様、わたちはセイおじ様のお嫁さんになるです!」


 お父様とお爺様はわたちの言葉に、意味がわからないといった表情で顔を見合わせまちた。

 そちて二人揃って「えええええ!?」と叫んだのです。

 おじ様のお嫁さんになれば、毎日から揚げが食べられるのです。

 ふふっ、おじ様が帰ってくるのが楽ちみですー!



 ■



 恐るべきはハーレム属性か、はたまた料理チートか。


 (・・・なんか今、ぞくっとした・・・。)


 知らないところで幼女(の胃袋)を魅了するセイの図・・・。

ここまで読んで頂きありがとうございます。

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