プロローグ
ここは幻想郷。
霧雨魔理沙は、一人娘だ。
そのはずなのだが。
「姉貴ィィィィィィィィィィィィ!!
…ただいま。」
『ただいま』の部分だけ声が1オクターブ程度低い。
そいつ…霧雨緑野は魔理沙の妹である。
「うるさいなぁ…
もう少し静かにしろよ」
「ええじゃないか」
「駄目だ」
「ケチ」
「えー、画面の前の皆様、説明を致しましょう。
私は魔理沙の妹で、勿論この世界の住人ではありません。
魔理沙に妹が居たら、そんな事を考えた事はありませんか?
私はその世界、パラレルワールドからやって来たのです」
「お前いきなり何言ってるんだよ」
「これは失礼(笑)
それは置いといて「置くなよ」新しいスペカ考えてみたんだよ。
漆黒『ダークトルネイド』って言うんだけどさ、どう思う?」
「今私は集中してるんだ。話なら後にしてくれ」
「サーセン」
緑野には、常識と非常識の境界がまるで無い。
会話にすると、
「今日は台風だな」
「ああ、そうですね」
「こんな日は海で泳ぎたいぜ」
「お前何言ってんの?」
と言う風に、常識的な事も非常識な事もサラッと言う程度の口を持つ。
「アイ、キャン、フライッ!!」
お前何やってんの。
窓から飛び降り、黒いマントが揺れる。
そしてそのまま地面に着地し、ドヤ顔を見せる。
しかし誰も居ないので無意味。
「つまんねぇぇぇぇぇぇっ!!
馬鹿な事を本気でやるのが私のモットーなのにぃぃ!!」
ああちきしょう、ああちきしょうと嘆く緑野。
「前は馬鹿みたいな外来人とか偽物の姉貴とかぬらりひょんとか出てきて面白かったのに…
ああわかったよ、あのバカが居ないと駄目なんだな私は」
あのバカについては後日。
「あ、そうだ、私の事を『みどりの』と呼んだやつを全力でシバきに行こう…
いねーやそんなやつ」
彼女の退屈な一日は、昼過ぎを迎えた。