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信用できる者③


誰も信用できなくなった景山豊は、一人教室の外へ出ると微かに聞こえる話し声に向かって静かに歩き出した。

声が拾える距離まできた豊は物陰に隠れ、笹倉直、渡辺美紘、小池エナの三人がいるのを確認する。三人が集まった内容はチーム結成を思わせる話し合い。

もしかしたら『裏切り者』が三人だと疑った。しかし、どうやら今のところ違うようだ。


「(馬鹿じゃねぇの。まだ、誰かとチーム組む気かよ)」


すでに崩壊した信用でのチームはあの映像によって『誰も信用してはいけない』に変わった豊からすれば、その選択は自殺行為。もし、チームの中が『裏切り者』だらけで複数対一の構造が出来上がったら、どうやっても勝ち目はない。


「(だけど、映像を流した奴がいるなら、一人はまずいよな……。誰かいないか)」


パートナーが必要になったと模索し始めていると、三人の会話の中にもう一人の人物の名前が挙がる。


「(良太? そういえば、いつも直といるのにいないな……。良太もあの三人を疑ってるのか……?)」


豊が教室から出る時、間違いなく良太は扉の近くに座っていた。もし、良太があの三人を疑っているとしたら、チームを組むにはうってつけだった。誰かを疑う人間は『裏切り者』の確率は減る。


「(大丈夫か…………、いや大丈夫だな。良太は悪いやつじゃないし、いけるな、よしっ)」


それでも疑いが完全に晴れたわけではなかった。それでも他にあてがあるわけでもなく、最後は勢いに任せるしかない。善は急げと、物陰に隠れていた豊は三人の会話が終わる前に良太の元へと急いで移動した。


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