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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
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世界で貴方と二人きり

作者: あるい
掲載日:2026/11/08


 ああ、最近耳障りなものが多い

 「ゼノン君を自由にしてください!ゼノン君は辺境で終わる人じゃないです!」

 婚約者の幼馴染とやらが事あるごとに解放しろ、解約しろと鬱陶しい、妾一人の時に囀ってくるものだから証拠も残せないから煩わしい。

 「我が宴席に花を添えてもらいたい、なあにあの武骨ものに付き従うよりも咲き誇れると思ってな」

 と言いながら第二王子のポセイダル、粗雑に扱うと処罰されかねないので出来る限り礼儀正しく扱って居る。

 

 妾とゼノン様、神に選ばれた勇者様との婚姻は障害が多い


 妾ことユーノモーリエ・結・アルティフェクスは王国の辺境地アルティを収める辺境伯ユリウス・唯・アルティフェクスの一人娘だ。

 魔の領域に近く魔獣の侵攻が多い我が領地では強(・)靭(・)な(・)肉(・)体(・)と(・)何(・)事(・)に(・)も(・)動(・)じ(・)な(・)い(・)精(・)神(・)が必要だ。

 我が国のいと尊き君ウラーノス・光輝・ルミナード・エリュシス陛下により勇者ゼノン様との婚姻となった。


 「勇(・)者(・)」とは血統に関係なく強大な力を持ち、強靭な肉体と堅固な精神力を持つ光の力で持って人々を導くと伝わって居る。

 ゼノン様は今(・)期(・)王(・)国(・)か(・)ら(・)認(・)め(・)ら(・)れ(・)た(・)「(・)勇(・)者(・)」(・)である。

 ゼノン様は平民の生まれで父無し子として生まれて直ぐに村外れの孤児院を兼ねた教会に引き取られたそうだ。

 そして12歳の時の任命式で魔力検査の時に高魔力であることが分かりその土地を収める領主に引き取られて、武術や学問礼儀作法などを教えられ、王国の騎士団に入った。

 そこからみるみるうちに頭角を表し、魔獣討伐や他国の軍勢、反乱軍などの敵を次々に倒し、王国を危機から救ったのだ。

 養父である領主(元王国軍将軍閣下)が直々に鍛え、剣を中心にありとあらゆる武術を習得し、兵法や戦術なども取得した。

 漆黒の髪に魔を宿すという赤い瞳に日差しに焼けた肌と精悍な容貌である。

 魔境での討伐任務で忙しくて、席を置いて居る学院もほとんど行けて居ないが、私はゼノン様を支えていきたいと思って居る。

 快く思わない者達は「武骨」「礼儀知らずの蛮人」「暴力だけの男」などとゼノン様を揶揄するものが多く・・・


 「天井の花よ、私の宴席で咲き誇ってくれ」

 「・・・お言葉ですがその日は、先約がありますので」

 私は距離をとる。

 「ほほう、私の宴会よりもか・・・」

 近寄ろとするのをまた避ける

 「はい我が家に関する物事なので」

 「なんだ、つまらぬ連中のあいさつよりも其方に赴こうかな」

 腕を伸ばしてきたので、ステップで避ける

 「完全に家のものだけのですので・・・」

 「なるほど、あの武骨者が出てくるんだな?」

 侮蔑を込めた声だ。睨みつける

 「・・・・・・・・・」

 「まあいい、あとで埋め合わせしてもらおう」

 何が埋め合わせだ!お前を埋めてやりたいぐらいだ!

 

 この軽薄な男は我が国の第二王子ポセイドス・光輝・ルミナード・エリュシス殿下

 黄金の髪に海の瞳と煌びやかな容姿をして居るが中身は全てが思い通りになると思い込み地位と容姿を鼻にかけて女達時には男達をも弄ぶ周囲を弄ぶ腐り斬った男だ。

 妾が王城に上がった6歳のころから、何かにつけてバカにしてくる。「無駄」だの「無意味」だの妾の全てを否定してくるのだ。

 12歳の任命式を迎えてからは、何かにつけて観劇やら宴席やらで付き纏ってくる様になった。その際嫌らしい目で私を見てくる。

 近寄って妾の髪や手に触れようとする触れられた後は石鹸と香油で清める。

 髪も斬って短くしてしまいたいぐらいだが、我が国では長い髪は富と権力の象徴なので特に貴族子女は長く艶やかな髪が尊ばれるきっちり結い上げて、髪が垂れない様にして居る。

 穢らわしい!!!

 特にゼノン様を何かにつけて見下して居るのだ。

 ゼノン様に対する誹謗中傷、「乱暴者」「怪力の能無し」「男女ともなく乱暴する」「暴力を振るう」など根拠のない噂を振り撒くのだ。

 よっぽど妾がお嫌いらしい。


 それともう一人・・・


 「ゼノン君を手放してください!ゼノン君はあんな闘いばかりする人じゃないんです!ゼノン君は優しいから頼まれると断れないだけで・・・だから!」

 と妾の前で必死に訴えるのは、マリアン・ラバスと言う女生徒、平民の生徒である。

 我が国の学院は王族貴族平民と誰にでも学問と知識と教養をと聞こえは良いがその分問題も多い、「身分を傘に従わされた」とか「教科や待遇で差をつけられた」とか色々と問題が多い。

 学生のうちは身分関係ない関係を味わっておこうと思う生徒が大半で多少の無礼は許されるのだが・・・

 このマリアンという女生徒、私が一人で居る時を見計らって、ゼノン様を手放せと突撃してくるのだ!

 教師にマリアンを注意してくれる様に頼んだが、ゼノン自身が学院に来れて居ないのと証拠らしい証拠が無いので、注意できない様だ。

 それにゼノン様が学院に来れないのは私がこき使って居るからだと噂が流れて居る。

 ゼノン様は魔獣討伐という使命を果たしておられるだけなのに!

 マリアンという女生徒、人当たりは良いらしくいつも多くの友人達に囲まれて居る。

 妾にはうるさく囀る鳥だが、

 そのせいか、他の学院の生徒達が妾に対して「厳しすぎる」「もっと言い方が有るだろ」「身分を気にしすぎだ」とご友人方が忠告してくる。「彼女に何かしたら、許さないからな!!」と脅しまがいの事も・・・

 

 頭が痛い・・・


 妾とゼノン様の婚約は王命、妾一人の判断でどうにか出来るものではない。

 我が領地アルティは魔の領域とエーデル帝国と隣り合って居る。

 常に魔獣の襲撃と帝国からの侵攻の危険が有り、砦には兵を常に置いて居るが、油断はできない。

 それに魔の領域で獲れる薬草、魔獣の毛皮や肉などは貴重な資源だ。

 帝国にとられる訳にはいかないのだ!

 ゼノン様は今、魔の領域の奥深い場所での討伐任務に当たっていらっしゃる。

 将来我が領地での仕事、兵の使い方や物資の配分などをを覚えてもらう為の訓練も兼ねて居る。

 彼らが言うには、ゼ(・)ノ(・)ン(・)様(・)の(・)意(・)思(・)を(・)無(・)視(・)し(・)て(・)危(・)険(・)な(・)仕(・)事(・)に(・)就(・)か(・)せ(・)て(・)こ(・)き(・)使(・)っ(・)て(・)居(・)る(・)そうだが・・・


 ゼノン様が復学なさった。

 討伐の方がひと段落つき、「しばらくは学業に専念する様に」とのことで学院に戻ってきた。

 早速妾はゼノン様を迎えようとしたが・・・


 「ゼノン君!ゼノン君!」とマリアン、鳥女がずうっと付き纏って居る。

 彼女は自身が所属して居るクラス、平民クラスでゼノン様の歓迎会をし、クラス全員でゼノン様の手助けをすると宣言したのだそうだ。

 無駄な事を、ゼノン様は学業の遅れがあるから補習は絶対だし、武術や魔術実習は免除されて居る。

 何を手助けすると言うのか?教師陣によって計画は立てられて居るんだから、余計なことはしない方が良い、第一自分の勉強はどうするんだ?

 「我が花よ、私の手をとれ」

 いやらしい男が妾の周りを彷徨き回る。

 この男の取り巻きどもも一緒になって、「手を取れ」「手を取れ」「手を取れ貴方さまにこそ相応しい」と囁いていくる。

 ああ!鬱陶しい!!!


 しかし見て居ると鳥女とその取り巻きたちは

 「ねえねえゼノン君」と友達と街で何処へ行ったとか、購買で美味しいパンが出たとか、他愛の無い話を矢継ぎ早にして居るでも、ゼノン様が反応する前に次の話をするので一方的に話しかけて居るだけだ。

 時も場所も考えずに話しかけるから授業に遅れそうになる手助けどころか足を引っ張って居る。

 それどころか、勉強を教えて欲しい辺境でのことを教えて欲しいと強請って来るのだ。

 妾がゼノン様に近づことすると、王子の取り巻き達が「王子殿下が呼んでおります」と遮る

 

 鬱陶しい!!


 そんな中教師にゼノン様が講義に出て居ないと言われたのだ。

 遅刻はまだしも出て居ないとはどう言う事だと聞いてみれば、急に任務が入っただの、用ができただので休むのだそうだ。

 もしかして・・・


 ゼノン様の教室に向かう、

 「ゼノン君!今日は何処へ行こうか!」

 と大声をあげ鳥女はゼノン様の腕に飛びつく

 「ゼノン様、今日は魔術講義、講師の方がお待ちです。」

 と妾はゼノン様に呼びかけた。

 ゼノン様は鳥女を腕から剥がし妾のほうにやって来た。

 久しぶりに拝見したが精悍でいらっしゃるな

 「ゼノン君を何処に連れていくんですか!」

 案の定甲高い声で叫ぶ鳥女、突撃しようとして妾が連れて居る教員に止められる。

 「講義に遅刻しそうだから、ご一緒に講義室へ行くだけよ」

 妾はゼノン様を促す。

 「うそだ!ゼノン君に何をしようというんですか!」

 まだやめない、ゼノン様に必要な授業なのに

 「何って必要な教育を受けてもらうため「これ以上ゼノン君を!縛るんですか!!!!」

 「ゼノン様の将来のために必要な事です」

 困るのはあなた達では?貴方達の授業はどうしたの?

 「ゼノン君を!こき使う気ですか!!!!」

 泣きそうな顔で叫ぶが

 「ゼノン様の為です」

 「ゼノン君をゼノン君をゼノン君をゼノン君を返してください!」

 「返すってどこに?」

 「返して欲しいから返すんです!」

 理解できない

 「何を言って居るの?もう講義の時間無くなりそうだから失礼するわね」

 妾はゼノン様を講義室へと促す。

 「まってください!!!」

 と彼女は教員達に引っ張られて行った。

 この間ゼノン様は振り向かなかった。


 これでゼノン様は講義を受けられる様になった。

 規定の授業が終わった途端に鳥女達に連れ出されて居たらしい、そのまま街や郊外に連れられて居たそうだ。

 時には寮の門限を破って居たそうだから鳥女達平民クラス(不良クラスと呼ばれる様になった平民に失礼だ)は全員停学となった。


 何をやって居るんだか。

 コイツらは学生の本文で有る勉強をサボって遊んでばかり居るそうだ。

 ゼノン様の為と言っては居るものの、自(・)分(・)は(・)勇(・)者(・)の(・)幼(・)馴(・)染(・)と(・)あ(・)ち(・)こ(・)ち(・)で言いふらして居たから、自分の対面と楽しみのためなんだろう。

 ゼノン様は何もおっしゃらない、元々無口な方だから妾もあまり言葉を交わしたことはない、何をお考えなんだろうか、ゼノン様ご自身は使命に納得して居るのだろうか・・・

 ・・・お茶に誘って伺ってみよう

 

 と考えてちょうど良い日を選ぼうとしたが、ゼノン様の学業の遅れと妾自身必須科目の講義やら何やらの中でやっと捻出した時間に・・・


 「なぜ殿下がいらっしゃるのですか?」

 「良いではないか、せっかくの茶会楽しませてもらうぞ」

 あのいやらしい男だった。

 「せっかく来たんだ。茶をもらうぞ」

 と茶を注がせ様とするが、それを手で抑えて

 「帰ってくださいませんか?大切な話があるので」

 「いや帰らないここで花を見て居る・・・何処へ行く」

 「場所を移します」

 妾はメイドに命じて片付けさせる。

 「ここで良いだろ?」

 王子は立とうともせず太々しく居座る気である

 「じゃあお帰りください」

 扉を開けて、戸口に立って送り出す。

 「何故?」

 「ゼノン様とのお茶会だからです。」

 「俺とお前の仲ではないか」

 今までさんざん嬲って来て何を言って居るんだか。

 「どんな仲ですか?貴方様はまるで・・・」

 「まるで?」

 「私をお嫌いな様で」

 「間違いだ!」

 脅す様に勢いよく立ち上がるそして

 「何がですか?」

 「これだけ言ってもまだ分からないのか?」

 と妾に手を伸ばして来た。

 思わず身がすくむ。

 そのとき開け放った扉からゼノン様が飛び出して来た!

 ゼノン様は妾を後ろに庇い睨みつけた。

 妾は物語のヒロインになった心地でいると

 「私に逆らおうのか!!決闘だ!!!」

 と王子は言い捨てて出て行った。

 妾はといえばゼノン様の背中の広さにうっとりして居た。


 第二王子が一方的に喚いて結局ゼノン様とは話せずにその日は屋敷に帰った。

 

 次の日はゼノン様と第二王子の決闘となり、授業は潰れてというか授業にならないので、生徒は皆んな校庭に集まり、ゼノン様と第二王子の代理人の決闘となった。

 「勇者とやらどれほどの力がるのか」と

 結果は・・・ゼノン様の全勝、数分、数秒もかからずに相手を倒してしまった。

 相手と対峙し、審判の合図が上がった途端に相手が倒れたのだ!

 何が起こって居るか分からず、いきなり剣を落とした様にみえるだろう。

 最終的には三人がかりで襲いかかったのを全員倒した。

 三人いた代理人全員倒されたのだ。

 妾もこれほどまでの腕だとは思わなかったので、驚いた!

 やはり勇者!

 第二王子はムッとした表情で帰って行った。


 決闘で圧倒的な力を見せたせいか、ゼノン様は周囲から避けられる様になった。

 不良クラスに付き纏われて居るよりは良いだろう。

 付き纏われて居るときはご自分のことがほとんど何も出来て居なかったみたいなので教師陣からは不真面目な生徒だと思われていたらしい。

 これでゼノン様は学業に集中できる。

 授業や講義の無いときは、黙々と走ったり素振りをしたりと訓練をなさって居る様だ。

 

 ゼノン様はどうお考えなんだろう?

 ゆっくり話したい・・・


 ゼノン様に昼食のお誘いのお手紙を書いた。

 何度も書き直してしまったが、お返事は一言

 「出席」と

 妾はゼノン様との昼食会を心待ちにして居た。

 

 当日まで何を着るか、何をお出しするか、どんな茶葉が良いか、殿方だからお菓子よりも肉が良いのかと散々迷った。


 そして当日、ゼノン様は精悍なお姿を見せてくれた。

 授業の無い休養日に学院の中庭にある温室、予約を入れれば基本誰にでも使える。

 ガーデンパーティー風にしてもらった。

 ゼノン様はまるで武神が現れたのかと思うくらい、うっとり見入ってしまった。

 席を進める前にご自分で椅子を引いて座ってしまったが、妾はさっそくお茶を入れさせた。

 ゼノン様はすぐにお茶を飲み干してしまった。

 妾は

 「あのゼノン様・・・」

 と問いかけた。

 ガシャン!!!!

 「ゼノン君!!」

 「我が花よ!」

 「招待状も無いのに!!呼んでいません!!!!」

 王子が扉から、鳥女が中庭から入って来た!

 封鎖したのに!無理やり入って来た!

 「ゼノン君!!一緒に帰ろう!!!こんな人と一緒にいちゃダメだよ!!!」

 「この様な男より私の手を取れ!」

 二人とも手を伸ばして来た!

 衛兵に押さえつける様に命じる。

 王命なのになんで邪魔をするのか分からない!

 「ゼノン君!!こんなところに居たく無いよね!」

 ゼノン様が何かおっしゃる前に矢継ぎ早に喋り出す!

 「こんなものより私の手を取れ!!」

 「出て行け!!!!」

 

 後始末だの何だのでまったくゼノン様と話せなかった!

 ゼノン様は鳥女と王子を押さえつけて居た・・・お手を煩わせてしまった!

 ゼノン様のお心を聞くことが出来なかった。

 王命についてどうお考えなのか?

 使命についてどうお考えなのか?

 妾との婚約についてどう思って居るのか?

 手紙なども考えたが、手紙だとあいつらの手のもの達に見られる可能性も有る。

 やっぱりゼノン様から直接お聞きしたい!!!!

 

 何をしてもあいつらが邪魔をする!

 あいつらは勝手に他人の領域に入り、踏みつけ踏みいじり押し付け、メチャクチャになる!

 


 王城での冬の宴が開かれた。

 ここでは年内の褒賞がなされる。

 ここで妾とゼノン様との結婚が確定されるのだ!

 ここまでされたらあいつらも何も出来まい!

 

 だが、

 「ゼノンとやら!!!我が愛しき花に付きまとう害虫め!辺境なりと何処ぞへと消えるが良い!!!」

 クズがやらかした!!

 流石に王命に逆らうことは無いと思って居たが、ここまで何もわかって居ないとは・・・

 「このものとユノ嬢との婚姻は王命だが・・・」

 「まあ、父上このものの話を聞いてください」

 とクズがつれて居るのは鳥女だ。

 鳥女は、しっかりドレスは着て居る。

 クズが送ったのかな?

 二人がそこまでの関係になって居るとは気づかなかった。

 鳥女は涙を浮かべながら、

 「ゼノン君を返してください!」

 「なぜだ?ゼノンは教会から勇者として告を受けたのだが?」

 鳥女はそのまま矢継ぎ早やに喋り出した。

 「ゼノン君はやさしいから戦いなんて本当はイヤなんです!」

 「ゼノン君はもっと普通のことがしたいんです!」

 「ゼノン君はお勉強なんてきらいなんです!」

 息切れし出した。

 陛下はゼノン様の方に顔を向けて

 「そうなのか?ゼノン?」

 ゼノン様は黙って首を振った。

 「そうだよね?ゼノン君!!」

 と鳥女がにじり寄る。

 ゼノン様は引き攣った顔をしながら首を振った否定の形だ。

 「なぜ?そう思うのだ?」

 と陛下

 「ゼノン君は私にいつも優しくしてくれました!」

 「それだけ?」

 「ゼノン君はいつも私の代わりにイヤなことしてくれました!」

 「ゼノン君はいつも私にプレゼントを渡してくれました!」

 と一気にしゃべる

 「真か?」

 と陛下はゼノン様に問う

 ゼノン様はまた引き攣った顔をしながら首を振った。

 違うみたいだ。

 ゼノン様は鳥女がよっぽど苦手らしい、顔が引き攣って居る。

 「それでこんな人と結婚させられるなんて!」

 と妾を指さした!

 「我が花を指差すな!」

 とクズが鳥女を突き飛ばす!

 恋人じゃなかったんだ・・・

 クズはそのまま

 「父上!我が花との結婚をお許しいただきたい!」

 「幼い頃から、思っていた!!お前をこの腕に抱きたいと!!!」

 「だんだんと美しくなるお前が欲しくなった!!!」

 「それなのに!!あんな平民に娶らせるなんて!!!」

 と叫び出した!!!

 あああなんて

 「お前が代わりに辺境に赴くというのか?」

 「いいえ!彼女を危険な辺境に置いておくわけには行けません!王城で我が腕の中に抱きたいと」

 「・・・」

 「ゼノン君をこき使うのはやめてください!」


 「ゼノン其方はどう考えて居るのか?」

 

 一番聞きたかったことだ。

 ゼノン様が口を開こうとするが。

 

 「ゼノン君帰りたいよね!!!」

 「我が手を取れ!!!」

 「ゼノン君こんな人なんてどうでも良いから帰ろう!!!」

 「我が花となるのだ!!!」


 あああ気色悪い・・・

 

 「うるさい!!!王命なのになんで!!!うるさいんだ!!!ゼノン様がお話なさるのになんてうるさいんだ!!!黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



 気がついたら叫んでいた

 本当に本当に本当にイヤだった。

 そのとき激しい光が周囲にあふれ、妾は目を瞑った。

 





 目をあけたらそこは雲海だった。

 雲の海がどこまでもどこまでも広がり、星々と月明かりが広がって居る。

 静かで美しい

 二人だけの世界


 隣を見るとゼノン様がいらっしゃった。

 ゼノン様が転移魔法を使って下さった様だ。


 妾はお聞きしたかったことを聞いた


 「・・・ゼノン様は妾がお好きですか?」


 妾はゼノン様の腕の中にいた。

 


 

 


 



 ゼノン君は幼馴染さんざんこき使われたのでうんざりして居ました。

 王子は好きな子にモラハラ奴です。

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