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英雄くんはおうちに帰りたい  作者: ホッシー@VTuber
第一章 英雄くんはおうちに帰りたい
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第68話 花占い

「ふふっ、わたくし、やはりこの魔法が一番好きですわ! こんなに素敵なお花に会えたんですもの!」

「……」


 テーブルの上で咲き乱れる花を見てテレーゼは嬉しそうに笑いながらその場でクルクルと回ります。これまでならそんな彼女を見てほんわかとしていたはずのノンは目の前で起きたことに驚くあまり、身動きが取れませんでした。


「ただ花を咲かせるだけなのにどうしてそんな魔力を使うのか……未だに理解できん」

「だって、せっかく咲かせるんですもの! ありったけの魔力を込めて枯れないようにしないとダメじゃない!」

「枯れ、ないように?」

「ああ、テレーゼの魔法で咲いた花は枯れない。いや、それだけではない。生半可な力では千切れないし、燃えない。水を与えなくても一生、咲き続ける無限の花だ」


 オウサマの解説にノンは目を見開き、思わずテレーゼを見てしまいました。妖精王であることは疑っていませんでしたが、本人があまりに子供っぽかったため、これほどまで力を持っているとは思わなかったのです。


「もー、そんな大げさなものじゃないわ。最終的にはわたくしが食べちゃうのだし」

「え、食べ?」

「妖精の主食は花だ。花と共に生き、花を食べ、花と共に散る。それが妖精と呼ばれる存在。まぁ、こやつがいる限り、妖精がいなくなることはないだろうがな」


 テレーゼは魔法で花を咲かせられる。枯れないし、千切れないし、燃えない無限の花。それは妖精にとって食べるまでなくなることのない食料を生み出せることと同義です。そう、オウサマの言うとおり、彼女がいる限り、妖精は食べ物に困らないでしょう。


「でも、あんなに魔力を込めたら疲れちゃいませんか?」

「え? 今回は花占い用のお花でしょ? そんなに魔力は込めてないわ」

「ッ……」

「……ノン、こやつは本気で言っている。あまり気にしない方がいい」


 テレーゼの物言いにノンはさっとオウサマを見ます。ですが、彼女もすでに慣れてしまったのでしょう。ため息交じりに肩を竦めるだけでした。


(オウサマは僕の魔力は規格外だって言ってたけど……テレーゼは次元が違う)


 魔力操作や魔力循環のおかげでノンは魔力の気配を察知できます。オウサマもノンから魔力を感じ取れないと言っていたので魔力感知は一般的な技術なのでしょう。しかし、ノンは魔力感知を本格的に練習したわけではないため、オウサマに比べたらその精度は極めて低いものでした。


 そんな魔力感知初心者であるノンですらテレーゼの魔力の異常性が一瞬でわかったのです。それだけ彼女の存在が馬鹿げているとしか思えません。


 オウサマはテレーゼの実力を認め、ここに呼んだ。今ならそう確信できます。


(これなら花占いも……)


「じゃあ、占うわ! ノンくん、好きな花を選んで!」

「え、あ、うん……じゃあ、これ」


 いきなり花を選べと言われ、戸惑いながらノンは目についた花を指さします。それは真っ白で、花弁が丸みを帯びている可愛らしい花でした。前世では見たことがないため、この世界特有の花なのかもしれません。


「……」


 しかし、テレーゼはノンが選んだ花を見て――体を硬直させます。そして、そのまま顔が青ざめていきました。

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